珈琲主義 No.21〜40
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2004年9月25日
Phase.21 洞窟喫茶に行ってきました
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洞窟喫茶に行ってきた。まだ夏の日差しの残る9月23日。
その店は、大阪府堺市の観光農園・南楽園(なんらくえん)の中にある。店名を「かがし」という。
南楽園では、多くの農作物が栽培されていて、春から秋まで色んな果物や木の実の収穫ができる。
いちご狩り、みかん狩り、メロン狩り、栗拾い、芋掘り・・など。
また、バーベキュー場や、釣り堀なんかもある。といっても、観光地の本格的なものとは違い、
どれもちょっと場末な感じが漂う。その三流ムードが、面白い。
そんな施設の中に、洞窟喫茶はある。
左の写真は、田舎の山小屋風の外観だが、この入口を入って右奥に、洞窟が続いている。
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洞窟喫茶かがし
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店内は子供が怖がるほど暗く、夏でもひんやりと涼しい。ひょろ長い洞窟内に、
テーブルが縦列。なんと70人収容可能という。
右の写真が、店内のようすである。洞窟内から店の入口方向に向かって撮影した。
歴史のある洞窟だけあって、ひんやりとした空気以上に、何か厳粛で、
言いかえればとても重苦しい雰囲気すらある。
人は、狭いところに入ると落ち着くものだが、閉所恐怖症の人にはきついだろう。
洞窟は、縦に1本だけでなく、真ん中あたりから横に短く枝分かれしていて、
「ト」のような形になっている。
写真ではお客が見えないが、ちょうど出ていった後、今がシャッターチャンスと思って撮ったものだ。
メニューは250円からで、とてもリーズナブル。
私がオーダーしたのは、農園で採れた山ぶどうのジュース350円(残念ながら写真なし)。
甘酸っぱくて、自然の味がした。
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店内のようす
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レジで絵馬が300円で売られていて、これに文字を書けば、店内に吊り下げてくれる。
絵馬は、やはりカップルのものが目立った。
あまりに微笑ましく、とっても幸せな気持ちにさせてもらったので、
勝手に写真を掲載させていただくことにした。
こんな心温まる絵馬が、壁にずらっと並んで吊り下げられている。サークルやバンドの仲間で来たというものや、
小さな子供が書いたもの。また、在阪局アナのサインなんかもあった。
まさに観光地的演出。ここが大阪の堺という大都市郊外にあるということを忘れてしまうほどだ。
泉北ニュータウンの住宅地から車で十数分ほどの距離とは思えない。
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店内に吊された絵馬
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この洞窟、お店の説明によると、旧陸軍の医薬品貯蔵庫として昭和18年に掘られたもので、
幅2m、奥行25mあるとのこと。
また、かがしという店名は、この地方の方言で、標準語のかかし(案山子)のことだという。
右の写真が、その説明が書かれた案内板である。このプレートに限らず、何かと能書きの多いのが、
南楽園の特徴でもある。
さて、暗く涼しい店内から出ると、外は9月のまだ暑い日差し。
ちょっとしたトリップ感覚。
実は今回ここを訪れた目的は、"栗拾い"であった。多分ここが、大阪都心から最も近い所にある栗拾い可能な場所
ではないだろうか。
その栗拾いというのも、ちょっと変わったものだった。
その内容については、
こちらをご参照あれ。
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店の由来
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2005年5月13日
Phase.22 ブルックスって、どうよ?
「ブルックスのコーヒーって、良くないよね。」
この不用意な私の一言が、すべての始まりだった。
私の知り合いに、ブルックスのコーヒーをたくさん買い込んで、
会社で毎日飲んでいるというヘビーユーザーのOLがいる。
「そんなことないです!」(キッパリ)と、すぐさま反論された。
(ブルックスって何?という方は、
こちらをどうぞ)
とにかく試しにブルックスの色んなタイプのコーヒーを飲んでみてほしい。
その上で、感想を言ってほしいと、写真の14種類をくれた。
こういう挑戦は、私も大好きだから、ありがたく戴くことにした。
で、ここはきっちりと、そして冷静にテイスティングしてみよう、ということになった。
最初に私が「良くない」と言ったのは、コーヒーとしての絶対評価(丁寧にネルやペーパーフィルターで
ドリップしたコーヒーなどと比べて)の意味合いももちろんだが、同種のドリップバッグ式と比べても、
あまり良い方ではない、という意味でもある。
そう私が感じたのには、理由があった。
以前、どこかからもらってきたブルックスのブレンドコーヒーを飲んだとき、
ほとんど風味のようなものが感じられなかった。相当劣化していたことも想像されるが、
そのときは、どうせこういう類のコーヒーなんて、こんなもんだろう、という勝手な思いこみもあった。
その印象が、尾を引いていたのだ。
だが、このような過去の印象による発言は、許されることではなかった。
大きく反省をし、改めて真っさらな気持ちで、試してみたいと思う。
というわけで、これから1種ずつ取り上げ、冷静に味の評価をしてゆこうと思う。
さて、どんな感想となることやら。第1弾は、明日。
2005年5月14日[1]
Phase.23 BROOKSコーヒー・徹底検証 (1) マイルドブレンド
甘い香り。パンチに欠けるが、その分やさしい印象。
液色は薄く、透明感がある。
味わいは、酸と甘味のバランスが良く、苦味は抑制が利いている。
ぐいぐい入ってゆく軽さで、ほんのり苦味の残るアフターが心地よい。
味覚チャート |
酸味 |
3 |
甘味 |
4 |
苦味 |
3 |
深み |
1 |
※味覚チャートは5段階。あくまでも私の主観的な評価です。
まず、香りをかいだ瞬間に、おおっと思う。想像以上に奥行きを感じたからだ。
味も、この手のドリップバッグにしては澄んでいて、酸化の様子もみられない。
もちろん、自分で豆を挽いてドリップしたコーヒーとは比ぶべくもないが、
手軽に淹れられて、後片付けも簡単で、これだけのクオリティが得られるのであれば、
何の不満もない。
やはり過去に飲んだものは、単純に劣化していたのだろう。
その経験だけで固定観念を持ってしまったのは、私の不徳の致すところ。反省したい。
というわけで、今後も順次、真面目にテイスティングしてゆきたい。
2005年5月14日[2]
Phase.24 BROOKSコーヒー・徹底検証 (2) ヨーロピアンブレンド
ロースト香が強いが、甘さもかいま見える香り。
液色は濃い。漆黒。
味わいは、苦味がほどよく強く、意外にも甘みに伸びがある。酸味は当然弱い。
やや単調さは否めないものの、適度なボリュームと、すっきりしたアフターは好印象。
味覚チャート |
酸味 |
1 |
甘味 |
3 |
苦味 |
4 |
深み |
4 |
2005年5月15日[1]
Phase.25 BROOKSコーヒー・徹底検証 (3) ハワイブレンド
酸味が強そうな香りだが、深みも感じる。
液色は中程度。ハイローストくらいの感じだろうか?
味わいは、酸がまろやかで、甘みも適度。苦味もほどよい。
パンチはないが、その分、全体のバランスの取り方が、絶妙。
味覚チャート |
酸味 |
3 |
甘味 |
3 |
苦味 |
3 |
深み |
2 |
2005年5月15日[2]
Phase.26 BROOKSコーヒー・徹底検証 (4) モカ
意外にもロースティでストロングな香りだが、モカらしい芳香がある。
液色は濃い。焙煎が結構深め(シティ以上?)なのだろう。
味わいは、甘みが十分で、苦味も強い。酸はやさしい。
香ばしさが特徴で、モカに通常抱く印象よりはずっとコクがある。
味覚チャート |
酸味 |
3 |
甘味 |
2 |
苦味 |
4 |
深み |
4 |
2005年5月17日
Phase.27 BROOKSコーヒー・徹底検証 (5) グアテマラ
香ばしいロースト香とともに、中域のしっかりした濃密度のある香り。
液色はやや深め程度。
味わいは、酸がやや強いが丸っこい印象。甘みは十分。苦味はやさしい。
骨格は細いが、甘くやさしいアフターが特徴的。
味覚チャート |
酸味 |
4 |
甘味 |
4 |
苦味 |
2 |
深み |
2 |
2005年5月18日
Phase.28 BROOKSコーヒー・徹底検証 (6) ブラジル
酸と苦味が両方強そうな、やや中抜けした香り。
液色は中程度。
味わいは、パンチがあり、苦味が口中に残る。酸とやや分裂気味。
骨格のがっしりしたワイルドなコーヒー。
味覚チャート |
酸味 |
3 |
甘味 |
1 |
苦味 |
4 |
深み |
2 |
2005年5月20日
Phase.29 BROOKSコーヒー・徹底検証 (7) コロンビア
軽やかで甘い香り。
液色は薄め。
厚みはなく軽い甘味。酸が中心で、苦味は控えめ。
全体的におとなしく、とげとげしさのない味わい。
味覚チャート |
酸味 |
4 |
甘味 |
3 |
苦味 |
1 |
深み |
1 |
2005年5月24日
Phase.30 BROOKSコーヒー・徹底検証 (8) カフェサプリ 黒豆
きな粉のような匂いがし、コーヒー感は弱い。
液色は結構濃い。
味は平板で厚みはない。酸はほとんど感じられず、甘みもなく、苦味が中心。
とにかく粉っぽく、深みのない味。黒豆を配合したという健康志向だが、味もそれ相応。
味覚チャート |
酸味 |
1 |
甘味 |
2 |
苦味 |
4 |
深み |
2 |
2005年5月29日
Phase.31 BROOKSコーヒー・徹底検証 (9) ブルーマウンテンブレンド
香りは甘く、軽い。粉っぽい雰囲気。
液色は結構深く、黒い。
味は酸が中心で、甘みは適度。苦味もほどほど。
香ばしい感じも乏しく、やさしいというよりは、取り柄がない。
これをブルマンらしいバランスと讃える気にはなれない。
味覚チャート |
酸味 |
4 |
甘味 |
2 |
苦味 |
2 |
深み |
1 |
2005年5月31日
Phase.32 BROOKSコーヒー・徹底検証 (10) 有機栽培コーヒー
ツンと苦味&酸が立ち、ストロングで香ばしい香り。
液色はやや深め。
味は、酸が中庸〜やや強め、甘みが豊富、苦味も中庸。
テンションが高く、味わいのバランスが抜群。
ドリップバッグでこのバランスは特質もの。
味覚チャート |
酸味 |
4 |
甘味 |
4 |
苦味 |
3 |
深み |
3 |
2005年6月3日
Phase.33 BROOKSコーヒー・徹底検証 (11) トラジャ
ずっしり重みのある香り。
液色はかなり深い。
味は、酸が弱く、甘みは適度。苦味は強い。
奥行きがそこそこで、思っていたより軽やかな印象。
味覚チャート |
酸味 |
2 |
甘味 |
3 |
苦味 |
5 |
深み |
3 |
2005年6月6日
Phase.34 BROOKSコーヒー・徹底検証 (12) コーヒーマニア コク深焙煎
タバコのような焦げ臭を伴う深いロースト香。
液色は漆黒。
味は、ある程度酸を感じ、甘みは奥に引っ込む。苦味が強烈で、重み、奥行きもある。
これまで飲んだBROOKSの中では、一番ヘヴィな味わい。
味覚チャート |
酸味 |
2 |
甘味 |
1 |
苦味 |
5 |
深み |
5 |
2005年6月9日
Phase.35 BROOKSコーヒー・徹底検証 (13) ケニヤ
香りは軽やかで香ばしい。大豆のような「豆」を想起させる。
液色は中程度。焙煎は中深(ハイロースト〜シティロースト程度)といったところか?
味は、酸がやや強、甘みは中庸、苦味も中庸。あまりパンチがない。
「軽苦」といったイメージの味。
味覚チャート |
酸味 |
4 |
甘味 |
3 |
苦味 |
3 |
深み |
2 |
2005年6月13日
Phase.36 BROOKSコーヒー・徹底検証 (14) バリ島
香りはタバコのような焦げ臭が強い。
液色は漆黒。焙煎はフレンチ以上か?
味は、強烈な苦味が特徴的で、やや粉っぽい。酸はあまり感じないが、味わいに奥行きがある。
極めてストロングだが、バランスを欠いているわけではない。
味覚チャート |
酸味 |
2 |
甘味 |
3 |
苦味 |
5 |
深み |
5 |
これで14回にわたる徹底検証は、一応終わりを迎えた。
全部を通じて感じたのは、ドリップバッグも確実に進化を遂げているということ。
私はどうもコーヒーに対しては厳しい目を向けがちなので、ともするときっちり検証をしないまま、
過小評価してしまっている危険があるということが、よく自覚できた。
確かに、自分で豆を挽いてしっかりとドリップしたコーヒーとは別物だが、
それでもかなり肉薄していると言えよう。街の喫茶店で、BROOKSより不味いコーヒーを平気で出している店も少なくないし・・。
あくまで値段とのバランス、そして抽出の手間を考えれば、十分買いであることがわかった。
私にとっても大きな収穫となった。
2005年10月24日
Phase.37 ジャーマンドック・クッションが、当たりました
私はドトールコーヒーが、大好きである。
仕事の移動途中に、つかの間の安堵が欲しいときには、正直言ってスタバに寄ることのほうが多いのだが、
夜遅くまで仕事がある日、夕方、小腹が空いたのを納めるため、よくドトールに立ち寄る。
どんなに帰宅が遅くなっても、家で夕食を摂るのを基本としているから、
例えば帰宅が11時とか12時になりそうなんて日には、途中で腹ごしらえが必要になる。
そんなときの最高のお供が、ドトールコーヒーのジャーマンドックなのだ。
先月、ジャーマンドック・キャンペーンというのをやっていて、
シールを3枚集めて応募すれば、ジャーマンドック・クッションが当たるというので、
いつもどおりドトールに通い、せっせとジャーマンドックを食べて、
シールをもらった。結局1通しか応募しなかったから、まったく期待もしていなかったのだが、
なんと先日、写真の当選品が届いた。
これをどうやって使うべきかは難しい問題だが、リビングに置いておくだけで、なんだが和む。
現物を見て、私と子供は相当喜んだのだが、妻には「これどうするの?」と苦笑された。
さあ、どうするの?ではなく、ただ、もらったことに意味があるのだ。ドトールファンとして。
これが届いた次の日、感謝の意を込めて、ドトールに行ってジャーマンドックを注文したことは、言うまでもない。
よっぽど店員さんに「当たったよ」と言おうかと思ったが、恥ずかしいからやめた。
ジャーマンドックが実によく研究され、生み出されるまでに紆余曲折があったことは、
あまり知られていないが、以前、ドトール店頭に置かれていたリーフレットに、「ジャーマンドック物語」として書かれていた。
ソーセージの選定もさることながら、マスタードの開発に相当な労力が費やされているらしい。
ドック用パンも、焼くと外側がカリッとするのにもかかわらず、中はふっくらしている。あの食感は、素晴らしいの一言である。
この技術の粋を集めて作られた商品、200円でおつりが来るとは、感激である。
同じコーヒーショップでも、フード類のコストパフォーマンスに優れているところが、シアトル系カフェとの大きな違いである。
そして、今気づいたのだが、こうやってクッションを眺めるたびに、また店に行きたくなるのだから、
それこそ彼らの思うつぼなのかもしれない。
2006年4月23日
Phase.38 アサヒ WONDA 100年ブラックが、当たりました
アサヒ飲料の懸賞「お誕生日プレゼント」にこのたび当選し、めでたく「ワンダ100年ブラック」30缶が送られてきた。
今月の初め、同社から「お誕生日おめでとうございます」という言葉とともに、
「4月にお誕生日を迎える方の中から抽選で100名様に、アサヒ飲料商品をお届けします」というメールが届いた。
どうせ当たらないだろうと思いながらも、いちおう応募してみたところ、なんとそのわずか2週間後に、写真の商品が送られてきた。
最近、かなり印象的なテレビCMがたくさん流れている、缶コーヒー・ワンダ100年ブラック。1ケース30本入りだ。
早速、ありがたく頂戴した。
飲んでみて、かなりびっくりした。香り高く、口に含んだ瞬間、しっかりとしたコーヒー感がありながら、
他社のブラック缶コーヒーにありがちな"えぐみ"のようなものがない。後味がやわらかで、実にスッキリと洗練されている。
アサヒブランドは、ビールだけでなく、ソフトドリンクまでもテイストに一貫性がある。
雑味を取り去った都会的な味わい。そこを否定的に捉えて「味がない」とか、「薄っぺらい」などという悪口も多く聞こえてくるのだが、
そのような発言の主は、味覚に鋭敏さが足りないのではないか、と私は思うのである。
缶コーヒーに関しては、以前から私は、いわゆるコーヒー専業メーカーの製品をほとんど評価していない。
無骨で乱暴な味を本格的な味わいと勘違いしているのではないか、と思うことが多いからだ。
そういう意味では、このアサヒの新製品は、真面目に美しい味を作り上げたと言っていいだろう。
もちろん、もらったからひいき目で見るなどということを私がするような性格でないことは、
皆さんもう十分お分かりであろう。今のところこれを超えるブラック缶コーヒーはないだろう、と素直に思う。
2007年10月26日
Phase.39 ペットボトルの緑茶飲み比べ
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最近、緑茶飲料市場が騒がしくなってきた。
老舗とのタイアップという手法をいち早く取り入れた「伊右衛門」ブランドでサントリーがシェアを大きく伸ばしたのを受け、
ここに来て他社も同様の手法を用いて反撃に出てきた。
伊右衛門の福寿園と同じ京都宇治の老舗「辻利」と組んだのが、JT。発売は今年の9月である。
10月には、同じく京都宇治の老舗、上林春松本店(かんばやししゅんしょうほんてん)と日本コカコーラが組み「綾鷹」を立ち上げる。
奇しくも宇治茶対決となったわけだが、今回は、その3種の飲み比べをしてみた。
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小さいグラスに入れた写真ではわかりづらいが、左から「辻利」、「伊右衛門」、「綾鷹」である。
「辻利」は、淡いイエローの外観で繊細な香り。味わいも繊細で、
柔らかな甘味と澄んだ味わいが魅力の非常に洗練されたお茶。
「伊右衛門」は、色合いからしてしっかりめ。深い焙煎香があり、濃く淹れた感じの緑茶香。
渋味が極めて強いが、苦味は適度。
全体的にストロングで男性的(ただ、ストロングといってもこの3本の中ではの話であり、
たとえば今回の対象外である伊藤園の製品などに比べればマイルドだ)。
「綾鷹」は、はっきりと濁りのある外観。
抹茶の香ばしさがあるが、フレッシュ感も持ち合わせている。
渋味は強くないが、やや上滑り感のある強い苦味がある。香味豊かなお茶。
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味わいの特徴を、一覧表にまとめてみた。
商品名 | 色 | 香り | 苦味 | 甘味 | 渋味 | 繊細さ |
辻利 | 淡い | ほのか | 弱い | 豊か | 極弱 | 秀逸 |
伊右衛門 | やや濃い | 強い焙煎香 | 中程度 | 柔らか | 強い | 欠ける |
綾鷹 | 濁りあり | 香ばしい | 強い | 豊か | 中程度 | 中程度 |
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まさに、三者三様の結果となった。これならうまく棲み分けはできるだろう。但し、
ペットボトルのお茶の需要層というのが、どこまで味わいに敏感かを考えると、
やはり売上はイメージ戦略に左右されるだろう。
最後発の「綾鷹」は、テレビCMが秀逸である。
「急須のお茶には濁りがあるのに、ペットボトルのお茶はなぜ透明だったのか」
「濁りを除くと、お茶は痩せる」など、濁りがあるのが「お茶のあるべき姿」だと強調する。
ところが、急須で淹れた煎茶に現れる濁りを再現しているのかと思いきや、実は、
抹茶を混ぜて濁りを出しているようだ。その意味では、ちょっと誇大広告の感もなくなはい。
とはいえ、この独特の苦味や香ばしさは、さすがである。
私個人の好みを言うと、「辻利」の持つ比類なき繊細さや上品さに惹かれたが、
繊細さよりも強いお茶感や飲み応えを求める人には「伊右衛門」を勧める。
なお、「綾鷹」は他の製品より若干値段が高い。
いわゆるプレミアム緑茶の一番手ということになる。
追随者として伊藤園・おーいお茶プレミアムや、キリン生茶玉露なども出て、ますます競争が激しくなってきている。
2007年11月14日
Phase.40 ペットボトルの緑茶飲み比べ−第2弾− プレミアム緑茶編
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前回の「ペットボトルの緑茶飲み比べ」では、
宇治の老舗とのタイアップで生まれた製品3種(辻利、伊右衛門、綾鷹)を飲み比べた。
それに続き、今回は、最近市場を賑わしているプレミアム緑茶を、飲み比べてみたいと思う。
登場するのは、伊藤園の巨大ブランド「おーいお茶」のプレミアムと、
キリンのブランド「生茶」の玉露100%だ。
なお、コカコーラ社の「綾鷹」も価格からするとプレミアム緑茶だが、
前回飲んでいるので、そちらを参照して欲しい。
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伊藤園は、言うまでもなくペットボトル入り緑茶市場をずっと先頭で牽引し続けているメーカー。
多くの人が飲み慣れているブランドだが、今回、プレミアム製品を投入した。
キリン生茶もいわば一時代を築いたブランドだが、最近はやや低迷気味で、
今回のプレミアム品は、いわばテコ入れの意味合いもあろう。
写真の左が「おーいお茶プレミアム」、右が「生茶玉露」である。
「おーいお茶プレミアム」は、外観が透明感のあるしっかりめのイエローで、香りにはパンチが。
おーいお茶シリーズに共通の苦みを想起させる深い焙煎香だ。
しっかりした口当たりだが、雑味は少なく、丸みある深い味わい。
「生茶玉露」は、やや濁りある深いイエローの外観で、香りは苦みよりも甘味を想起させる
柔らかなもの。口当たりも実に優しく、甘味豊か。余韻が実に長い。
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味わいの特徴を、まとめてみた。
商品名 | 色 | 香り | 苦味 | 甘味 | 渋味 | 繊細さ |
おーいお茶プレミアム | 透明感ある深い黄色 | パンチある焙煎香 | 強い | ほどほど | 強い | やや劣る |
生茶玉露 | 濁りある深い黄色 | 深く丸みを帯びている | 柔らか | 豊か | 中程度 | 優 |
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伊藤園の製品は、プレミアムであっても、やはり伊藤園らしい味わいを失っていない、
しっかりしたキャラクターをもっている。従来からのファンを裏切らない出来映えだ。
飲み応えがあり、焙煎香がクリスピーなので、
たとえば海苔を巻いたおにぎりの磯の香りとの相性は抜群だろう。
一方、生茶玉露のほうは、繊細な和菓子との相性が良さそうだ。
たとえばようかん等の餡の甘味を引き立ててくれるだろう。
前回の宇治茶3種と合わせた5ブランドを味わいの強弱で並べると、
イメージとしてはこんな感じ。
繊細 < |
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|
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> しっかり |
辻 利 |
生茶玉露 |
綾 鷹 |
伊右衛門 |
おーいお茶P |
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