利酒日記〜安葡萄酒に彩られた日常〜

2000年11月


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2000年11月1日  BLANC
KOBE WINE SELECT (BLANC) 1999 / (財)神戸みのりの公社
神戸ワイン セレクト(白)やや辛口 / 製造地:神戸市立農業公園 神戸ワイナリー

  淡い麦わら色。おとなしい果実香。わずかにバターっぽさも感じられる。しばらく時間を置いてからスワリングすると、更にヘーゼルナッツのような香りが立ち、 ブルゴーニュ北部のシャルドネを彷彿とさせる。口当たりは、強い酸が印象的で、若干の苦味もある。 味の深みはないが、酸味を中心に、一本筋が通ったような折り目正しいところがある。オイリーな余韻が若干残る。広がりはない。 飲み手に媚びないきりっとした気品が魅力で、和食にはオールマイティに合いそうである。
  神戸市内産シャルドネ100%で、生産地は、神戸市西区押部谷、平野町、北区大沢町との表示あり。また、「やや辛口」というが、 ややどころか、立派に辛口である。同じ外来高貴品種を使ったワインでも、大手メーカーのように、 資本力を尽くしてフランスワインの真似をしてみましたといった感じのものよりは、よほどナチュラルで可憐な印象のワインである。 所詮フランスのシャルドネとは、対等な勝負など望むべくもないと言ってしまいがちだが、なかなかどうして、同じ土俵に十分登っている。 実に日本的なデリカシーを持っていて、その点は高く評価できる。神戸でこれだけのものが作られているという事実が既にして感動的である。 今年からエチケットのデザインが変わったということもあり、何年かぶりに飲んでみたが、改めて良さを認識した。
<評定:B+>

2000年11月2日  ROUGE
LA ROSE NOAILLAC 1994 / MEDOC
ラ・ローズ・ノイヤック / メドック
BORDEAUX地方、MEDOC地区、AC:MEDOC

  色は、とても輝きのあるガーネット。やや薄めで、軽快な味を想像させる。香りはボルドーらしく黒色系の香りで、 ブランデー(コニャックというよりは、アルマニャックのような軽快な印象)のような豊潤さがある。 甘味もかなり感じ、酸とのバランスは良い。タンニンも滑らかで、すべての味の要素が弱く、さらっとしている。 深みは今ひとつ。余韻も長くない。全体的に薄っぺらな印象は否めない。ACメドックにして1,000円だったので、ある種期待が高かったが、 反面、凡庸なものかもしれないという不安もあった。その後者の予想のほうが当たった。さらっと飲むのにはよいが、飲み応えはまるでない。
<評定:C−>

2000年11月4日  BLANC
GRAND ARDECHE CHARDONNAY 1998 VIN DE PAYS DES COTEAUX DE L'ARDECHE / LOUIS LATOUR
グラン・アルデシュ シャルドネ ヴァン・ド・ペイ・デ・コトー・ド・ラルデシュ / ルイ・ラトゥール
VIN DE PAYS

  色は濃く、ほとんど黄金色。粘着性もある。香りは、まず、バターのようなクリーミーでオイリーな感じがあり、りんご、くるみ、桃なども感じる。 時間と共に香りがさらに開き、ピーナッツのような香ばしさも出てきて、複雑さを増してくる。口当たりは、まずたっぷりとした甘味がなめらかに広がるが、 とても品がよく、インパクトは強いものの、押し付けがましいところはまるでない。余韻もとても長く、まるで桃を噛んだような穏やかな甘さが豊かに後を引く。 しかし、酸も豊かなので、きりっと引き締まっており、冗長な感じはない。ヴァン・ド・ペイでこれだけ凝縮感があるとはさすがである。当利酒日記では基本的に1,500円以下のものを取り上げているのだが、今回は少し予算オーバーである。 一応1,000円台で入手したのだが、値段の問題よりも、VdPにしてこのクオリティーは、ただただ驚愕である。 3,000円台くらいのムルソーでも、もっと薄っぺらいものがよくある。
  なお、grand ardecheは、本来「グラン・タルデシュ」とリエゾンすべきだと思うのだが、一般的にグラン・アルデシュと読んでいるようなので、 ここでもそれに従った。
<評定:AA+>

2000年11月7日  ROUGE
CHATEAU DU ROC LA GRANGE 1998 / CORBIERES
シャトー・デュ・ロック ラ・グランジュ / コルビエール
LANGUEDOC-ROUSSILLON地方、CORBIERES地区、AC:CORBIERES

  やや薄めのルビー色。香りは甘酸っぱいベリー系(赤色よりは少し黒寄り)が中心で、時間と共に若干の黒っぽさ、力強さが出てくる。ふんわりとした甘味と、バランスの取れた酸。 タンニンは少し荒い。全体としてのバランスが良く、こじんまりまとまっているので、軽々と飲めてしまう。 しかし、長所もあまりない。つまり、可もなく不可もないワイン。なんと通常の半値以下である\500で入手したため、 それを前提とすればかなり高い評価(B程度)となろうが、本来の値段で考えれば、やはり凡庸さは否めない。少しBEAUJOLAISに似た印象があるが、 軽いBEAUJOLAISのような華やかさはないし、かといって、CRU BEAUJOLAISのMOULIN A VENTとか、MORGONほどの力強さもない。
<評定:C>

2000年11月10日  BLANC 
FOREST VILLE 1998 SAUVIGNON BLANC / CALIFORNIA
フォレスト・ビル ソービニヨン・ブラン / カリフォルニア
アメリカ、CALIFORNIA州

  色は薄いレモンイエロー。香りは芝生のような青臭さに、なぜか若干の石油香(あるいはビニールのような香り)あり。 但し、時間と共にクリーミーさが出てくる。口当たりは、まず鋭くない酸を感じ、かなり強い苦味もあるが、すぐに甘味が支配する。 最後までまろやかな甘味が続く。余韻もかなり長く、化学薬品っぽいニュアンスが残る。全体としては間延びした感じのワイン。 PREMIERES COTES DE BORDEAUXの軽い甘口に似ているが、もう少し締まっている。酸と苦味が効いているので、なんとか辛口を維持している感じ。 最初の数口は良いが、次第に飲み飽きそうな印象ではある。生産者FOREST VILLE VINEYARSの所在地はSONOMAとなっているが、 このワインの原料ぶどうの出所は明らかでない。
<評定:C>

2000年11月12日  BLANC
PETIT CHABLIS 1997 / AUJOUX
プチ・シャブリ / オージュー
BOURGOGNE地方、CHABLIS地区、AC:PETIT CHABLIS

  色は極めて薄く、青みがかってすらいる。すっきり鋭いレモンの香りだが、ミネラル香もしっかりある。 口当たりは意外にもマイルド。確かに酸は生き生きしているが、ふくらみも適度にある。余韻はさすがに短い。 すっきりクリアな後味。しかし、尖りすぎてはいない。この味わい深さは予想を大きく上回っていた。並みのACシャブリより遥かに深みがある。
  最近とみに見かけることの少なくなったAOCである。CHABLISに昇格していっているものが増えているからであろうが、名前だけ格上のものより、 このように堅実なものの方が好印象であることは間違いない。デイリーワインとして気楽に飲み干してしまうのは失礼なほどデリカシーの感じられるワインである。
<評定:A>

2000年11月14日  ROUGE 
VINO NOBILE DI MONTEPULCIANO (D.O.C.G.) 1995 / PICCINI
ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチャーノ / ピッチ−ニ
イタリア、TOSCANA州

  色はやや青みがかっている。紫色系の花とともにシェリーのような香りもある。かすかに黒蜜、墨のような香りも感じるが、 全体的に香りは弱い。 口当たりはとても引き締まっており、酸が中心。強い収斂性のあるタンニンが特徴で、甘味やふくらみはない。 重さもなく、中抜けの印象。飲み進むうちに、この薄っぺらでスカスカな感じは強くなる一方。最後まで粗暴で強い渋味が残るが、 これがアクセントになっているからこそ飲み応えを感じるのであって、もしこれがなければ、 まるでパンチに欠ける凡庸なワインになってしまっているだろう。2年以上樽熟しているとは思い難い。
  このDOCGにして\1,000であったため、懸念はしていたが、やはり値段は正直である。イタリアワインは名前で判断してはならないという好例だろう。 初めからライトボディのワインと思って飲めば、それなりに繊細さも持っているし、十分楽しめるのだが。
<評定:D>

2000年11月16日  ROUGE 
BEAUJOLAIS NOUVEAU 2000 / CRUSE
ボージョレ・ヌーヴォー 2000 / クルーズ
BOURGOGNE地方、BEAUJOLAIS地区、AC:BEAUJOLAIS

cruse nouveau 2000   今日は11月の第3木曜日。やはりお祭りであるから、これを外すわけにはゆかない。ということで、ヌーヴォーである。
  若々しい青紫色で、香りはイチゴシロップやラズベリーあるいはクランベリーなどの酸味系が強い。 もわっと立ち昇る甘さはほとんどない。渋味を感じさせ、かすかにゴムのような香りもあり、比較的落ち着いている。 口に含むと、酸のアタックがかなり強く、インパクトは鮮烈。充分なタンニンも感じる。まるで白のように酸が生き生きしており、 全体的にシャープな印象のヌーヴォー。単体で飲んでおいしいワインだが、エビのチリソースにはよくマッチした。 食後、シェ−ブルに合わせたが、若干ワインの方がチーズより弱いものの、概ねうまく合っていた。
  エチケットは、ゴッホのひまわりで、とても美しい。これだけでも価値がある。20世紀最後のヌーヴォーにふさわしいと思う。
  \1,350(ハーフ)。当日記においては、かなり高い部類になるのだが、解禁日当日に飲むための輸送飛行機代であるから、イベントとしては、致し方ない。 味と値段の兼ね合いから言えば、毎年あまり乗り気ではないのが正直なところなのだが。このフレッシュな喜びを純粋に楽しもう。
<評定:A>

2000年11月18日  ROUGE
CAHORS 1998 CUVEE DU PRINTEMPS / GREZETTE (ALAIN-DOMINIQUE PERRIN)
カオール キュヴェ・デュ・プランタン / グルゼット(アラン・ドミニーク・ペラン)
SUD-OUEST地方、CAHORS地区、AC:CAHORS

  色は青黒い。足もかなり長く、アルコール度の高さを感じさせる。香りは、酸に満ちていて、まるでピノのようにぴちぴちと若々しい印象。 硫黄のような香りが若干ある。口当たりは、予想以上に酸が強く押し、その後ろにほろっとした甘味が隠れている。タンニンも豊か。 すべての要素がワイルドであり、こなれていない印象。まとまりに欠ける味だが、これが持ち味であろう。 このAOCを評して、よく「黒ワイン」という言い方をするが、その通り、これも色はかなり濃かった。ただ、カオールの中では比較的華やかな部類ではないか。 重いというよりは落ち着きがなく暴れたイメージで、味の全方位性という意味では充実度はあるが、これといった「ウリ」がないというのが正直なところ。
  ところで、エチケットの端に、"SERVIR FRAIS"(= Serve chilled.)つまり「冷やしてどうぞ」と書かれているが、本当に冷やすべきなのだろうか? 今日は、冷やさずに室温のまま(この時期の室温なので、20度をちょっと下回るくらいの、おそらく通常の赤ワインの飲み頃温度のはずである)飲んだのだが、 もっと低い温度で飲めというのだろうか?正直言って、その必要は無いように感じた。冷やしたら、おそらくもっとタンニンがまとわりつくだろう。
<評定:C>

2000年11月20日  ROUGE
BEAUJOLAIS NOUVEAU -PRIMEUR 2000- / ROPITEAU FRERES
ボージョレ・ヌーヴォー プリムール2000 / ロピトー・フレール
BOURGOGNE地方、BEAUJOLAIS地区、AC:BEAUJOLAIS

ropiteau nouveau 2000   これは解禁日に買っておいた2本のうちのもう1本。
  やや濃い目の青紫色で、まさにぶどうジュースの色である。甘酸っぱい、しかし落ち着きのある香りで、イチゴというよりは、もっと重く、ブルーベリー的。 メロンのような少し青臭い香りもある。口当たりは酸が強く、甘味は弱い。 タンニンがかなりあり、とても引き締まっている。華やかさはなく、しっとり落ち着いている。 ヌーヴォーらしさを実感するのは香りのみで、味わいは実にどっしりしている。 CRUSEのヌーヴォーとは基本線は同じであるもののまとめ方が若干違っており、 こちらのほうがぴちぴち感には欠け、その分「赤ワイン」を感じる。こういうヌーヴォーもまたいいものだ。
<評定:A>


2000年11月22日  SPARKLING
CORDON NEGRO CAVA BRUT / FREIXENET
コルドン・ネグロ カヴァ・ブリュット / フレシネ
スペイン

  泡は細かいが、あまり持続しない。若干ほこりっぽい印象があり、藁のような香りがある。それも日向ではなく、日陰の藁のような少し湿った感じ。 その陰に若干青草の香りもある。香りのイメージを色でたとえれば、くすんだ緑から茶色の間。 口当たりは極めてすっきりしており、切れ味は抜群。一片の甘味もなく、余韻は短い。シャープさが持ち味と言えよう。
  久々の泡ものである。コストパフォーマンスに優れるカヴァの中でも、このメジャーなフレシネ社のブリュットは、いつもながら安心して飲める。 ストレートな味わいは、脂っこい中華料理などにもよく合う。今日は、中華でもあっさり系の八宝菜と合わせたが、実にお互いを引き立てあってくれた。 日常の食事にシャンパーニュでは大げさだが、これならビール代わりにごくごく飲める。
<評定:A>

2000年11月23日  BLANC
ARDECHE CHARDONNAY 1999 VIN DE PAY DES COTEAUX DE L'ARDECHE / LOUIS LATOUR
アルデシュ シャルドネ ヴァン・ド・ペイ・デ・コトー・ド・ラルデシュ / ルイ・ラトゥール
VIN DE PAYS

  色は美しい麦わら色。香りは、はちみつのような甘さと共に苦味も感じさせ、白い花やビニールのような薬品っぽさもある。 口当たりは、甘味がたっぷりとし、同時に苦味もあり、酸も豊か。ふくらみは今ひとつだが、滑らかさは抜群。 すっきりクリアな味わいが長所で、しかも深みもある。余韻はそこそこ。最後に苦味が残るのが唯一気になるところ。
  グラン・アルデシュのいわば下級品である。比べてしまうと、どうしても充実度に格差がありすぎるが、これはこれで美しくまとまっている。 比較せず、別物として楽しむべきであろう。 しかし正直なところ、値段は半分なのだが、これを2本よりもグラン・アルデシュ1本のほうが満足度が高いように感じた。
<評定:A>

2000年11月26日  ROUGE
CHATEAU LA FLEUR FOURCADET (ROBERT GIRAUD) 1998 / BORDEAUX SUPERIEUR
シャトー・ラ・フルール・フルカデ(ロベール・ジロー)/ ボルドー・スペリュール
BORDEAUX地方、AC:BORDEAUX SUPERIEUR

  色は深いガーネットで、落ち着きがある。香りはカシス系の黒い香りが中心で、土やコーヒーなども感じる。 若干の鉄っぽさもあり、引き締まった印象。口に含むと酸をかなり感じ、タンニンは比較的こなれていて丸い。 当初甘味はまったく感じないが、後にほろっとした甘いニュアンスを残す。余韻は決して長くはないが、土っぽさがじんわり尾を引く。 とても大柄な風格があり、深みがない点を除けば、値段(\1,000)の2,3倍くらいの満足感を与えてくれる。"大物もどき"というイメージのワイン。 マグロの山かけ丼とのマッチングは予想以上になじんだ。
<評定:A+>

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