利酒日記〜安葡萄酒に彩られた日常〜

2000年9月


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2000年9月3日  ROUGE
MONTES CABERNET SAUVIGNON 1996 / MONTES S.A.
モンテス カベルネ・ソービニヨン
チリ、CURICO VALLEY

  深い色だが、若干青みがかっている。酸の豊かさを感じさせる深く、複雑な香りで、ボルドーのカベルネと区別がつかない。タールや土埃っぽい香りも。口に含むと、まず酸のアタックが強く、引き締まった印象。後味に、実にひっそり、ほろっとした甘味があり、これが唯一チリを感じさせる。これほど品格のあるチリカベは初めてである。タンニンはきめ細かい。若いせいか、余韻がそれほど長くはないが、全体としての完成度の高さからすれば、それは大した問題ではない。特質すべき高C/P。シャルドネに続き、驚くべき実力である。
<評定:AA>

2000年9月7日  BLANC
VIOGNIER 1997 VIN DE PAYS DE L'ARDECHE / GEORGES DUBOEUF
ヴィオニエ ヴァン・ド・ペイ・ド・ラルデシュ / ジョルジュ・デュブッフ
VIN DE PAYS

  黄色と緑の中間的な色。フルーティで単調な甘い香り。味も単調で、甘味が中心。深みもなく、薄っぺらい感じ。若干苦味を感じる。それでも後口に引っかかりがなく、すっと切れるのが唯一の救いか。余韻は短い。ヴィオニエということで、どうしてもコンドリューやシャトーグリエなどを想像し、デュブッフということで失敗はないだろうと思ったが、見事に裏切られた。
<評定:D>

2000年9月10日  ROUGE
20 BARREL PINOT NOIR 1998 / CONO SUR
20バレル ピノ・ノワール / コノ・スル
チリ、RAPEL BALLEY

Cono Sur 20Barrel Pinot エチケット   黒みがかった深いルビーレッド。輝きがあり、とても美しい。いかにもピノらしいぴちぴちした酸を感じさせる香り。粘着性があり、足が長い。ビニール的な香りもある。アタックは意外にも優しく、尖ってはなく、甘味がたっぷりとしている。但し、その後にすぐ鋭い酸が来る。口先で甘味を、喉で強い酸を感じる。タンニンはかなり滑らか。各要素のまとまりには欠けるが、チリらしくワイルドであり、個性という意味では優れている。甘味も決して嫌味はなく、味の骨格を作る上で重要なファクターになっている。チリのピノでここまで納得させられたのは初めて。豚角煮の甘辛い醤油味にうまくフィットしたが、料理に合わせずとも単体で十分に全方位的な味の満足感が得られる。ただひたすら飲んでおいしいワイン。
  今までに試したチリの赤の中で、エチケット(ラベル)のデザインセンスが最も優れていると思われるため、特別に写真を貼り付けた。
<評定:A>

2000年9月13日  BLANC
CHARDONNAY GRAN RESERVA 1997 / VINA TARAPACA
シャルドネ グラン・リゼルヴァ / タラパカ
チリ

  かなり濃い黄金色。香ばしいヘーゼルナッツや、バター、ナシなどの香り。樽香もかなりあり、まるでシャブリのgrand cruに似たような重みを感じる。少し青っぽいネギのような香りもある。アタックは、予想を大きく裏切りかなりフレッシュで強い酸が特徴。甘味も相当に強いものの、後ろに1歩ひいてしまっている。アーモンドのような余韻がかなり続く。樽香を前面に出してパワフルさを強調するようなやり方(例えばアルゼンチンのトラピチェのように)ではなく、意外にもきれいなまとめ方をしつつ、しっかりと力も感じさせる点は、高く評価できる。
<評定:A>

2000年9月17日  BLANC
TOURAINE SAUVIGNON 1998 / DOMAINE DE CHATELET
トゥレーヌ・ソーヴィニヨン / ドメーヌ・ド・シャトレ
LOIRE地方、TOURAINE地区、AC:TOURAINE

  色は日本酒のように薄い。香りは、青い芝や、セルロイドのような石油香に、ライムのような柑橘系の香りもある。口当たりは、香りの印象どおり、まず酸が生き生きしており、若干甘味も感じるものの極めて弱い。ふくらみはない。余韻も短い。しかし、酸にとげとげしさはなく、なめらか、マイルドで、それがかえって無個性な印象を作り上げているようにもみえる。後味にレモンキャンディのようなさわやかさがある。このワイン、焼魚には少々弱すぎた。淡白な刺身にレモンを搾ったら合いそうな気がする。
<評定:C−>

2000年9月20日  ROUGE
GIGONDAS 1993 / LOUIS MOUSSET
ジゴンダス / ルイ・ムセ
COTES DU RHONE地方(南部)、GIGONDAS地区、AC:GIGONDAS

  ようやくこういった重いものを飲みたいと思う季節になってきた。色は、やや褐色がかった深いガーネット。香りは複雑、豊かで、ゴム、タール、血のような鉄っぽさがある。甘味が強いが上品。タンニンが少々暴れ気味。酸は尖っている。余韻が静かに長く引き、後味はほろっとした印象。93年にしては、まだ若々しい感じがある。いずれにせよ、ローヌらしさにあふれたワイン。このAOC、このビンテージにして価格は\1,000で入手。見つけた途端、反射的に買っていたが、大正解であった。特にラベルが汚れているわけでもなく、もしかして粗悪品か?とも思ったが、液漏れしていたわけでもないし、飲んでみて、すべては杞憂に終わった。
<評定:A+>

2000年9月22日  BLANC
LOS VASCOS CHARDONNAY 1999 / DOMAINE BARONS DE ROTHSCHILD(LAFITE)
ロス・ヴァスコス シャルドネ / ドメーヌ・バロン・ド・ロートシルト(ラフィット)
チリ、COLCHAGUA

  チリらしくないとか、無難にまとめすぎているといったマイナスの評価も耳にするロス・ヴァスコスであるが、私はこういうチリもあっていいと思う。色は、日本酒よりやや黄色がかった程度の薄い色。香りは、オレンジや蜜の多いりんごに、若干マンゴー的ニュアンスも。極めて上品な香りである。酸のアタックは強く、後に広がる甘味もそこそこ強い。後味に苦味がある。ブルゴーニュの南の方に非常に良く似ているので、マコンだと言われたらそう思ってしまうだろう。時間と共に香りがどんどん開いて華やかになってくる。やはり一生懸命フランス的な方向へ持ってゆこうとしている感じだが、チリらしい豊かさもしっかりあって、独自の世界を拓いているようにも思える。"チリゴーニュ"とでも名付けたいワイン。作り手名の最後にわざわざ、(ラフィット)と書いてあったり、そもそもロゴが一緒だったり、これ見よがしに血筋のよさを強調している点も、人によっては嫌味と取るかもしれないが、私は好きだ(そもそもRothschildが作り手なのではなく、提携に過ぎないようだが)。通常より3割以上安いと思われる\1,000にて入手。とてもよい買い物をした。
<評定:A+>

2000年9月25日  ROUGE
20 BARREL MERLOT 1999 / CONO SUR
20バレル メルロー / コノ・スル
チリ、RAPEL BALLEY

  かなり濃く、かつ輝きもあるガーネット。粘着性もそこそこあり、足もかなり長い。メルローらしい黒っぽい香り。煮た黒豆のような馥郁とした香りに、乾しぶどうのような甘酸っぱさが混じる。味わいは甘味が主体。酸もかなり強いが、尖った酸ではない。とてもふくよかで、やさしいが、ちょっと若すぎるような感じがある。これがどのように熟成してゆくのか、確かめてみたい気がする。タンニンのへばりつく感じが気になる。余韻の長さは中程度。後口は意外とあっさりしている。
20バレル・ピノと比べると、見るべき点があまりない。決して不味くはないが、もう一度買おうという気にもならない。
<評定:C−>

2000年9月29日  BLANC
BOURGOGNE HAUTES-COTES DE NUITS 1996 / R.HUTIN
ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ / R. ユタン
BOURGOGNE地方、AC:BOURGOGNE HAUTE-COTE DE NUITS

  黄色みがかった色。香りをかいだ瞬間、グラスが汚れているのかと思うような油の香り。スワーリングするとかなり強いヘーゼルナッツやピーナッツの皮のような香りと、火薬っぽい香りが立ち上るものの、落ち着くとやはり酸化した油のようになってくる。これは、おそらく劣化しているのであろう。久々のハズレくじである。酸が極めてシャープで深みはない。不味くて飲めないというほどではないが、決して心地よくはない。通常価格のほぼ半値と思われる\1,050で入手したが、結果的に高い買い物となった。やはりワインではこういうことも避けられない。これも必要経費と考えることにしよう。
<評定不能>

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