利酒日記 kikizakenikki

2003年7月


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2003年7月2日  ROUGE 
BOURGOGNE 2000 LES BONS BATONS / PHILIPPE LECLERC
ブルゴーニュ レ・ボン・バトン / フィリップ・ルクレール
BOURGOGNE地方、AC:BOURGOGNE

Bourgogne Les Bons Batons 00  暑い夏を前にして、重めのワインを。
 透過性の高い美しいルビー色で、いかにも若々しい。この色の印象とは対照的に、香りはぎっしり詰まっている。 むせかえるような甘酸っぱい果実香。匂いを嗅ぎ取ろうとしなくても、力強く押し寄せてくる感じ。 その背後に鉄っぽさと、ゴムやビニールやインクなど、科学物質的な匂い。
 口に含むと、さらに言葉を失う。これ以上はないというくらいに強い酸。口中全体に引っ掛かるタンニン。 飲み込んだ後には血のような鉄分と、まるで渋柿をかじったような渋さが。
 入手価格は\2,400。
 さすがに異端といわれるワイン。好みが分かれて当然であろう。ブルゴーニュの本流ではないが、 この比類無きパワフルさを、ACブルゴーニュクラスで、しかもこの価格で楽しめるというのは、 やはり存在意義大。ただ、これはちょっと飲むのが早すぎたかな。
<評定:A>


2003年7月5日  ROUGE 
MONTES ALPHA CABERNET SAUVIGNON 2001 / MONTES S.A.
モンテス・アルファ カベルネ・ソーヴィニヨン
チリ、COLCHAGUA VALLEY、APALTA VINEYARD

Montes Alpha Cabernet 01  12本18,000円セットの10本目。今回のセットの一番の目玉といえるワイン。
 少し青みがかった深い色で、若干若さを感じさせる。香りは、甘苦系の薬草と、樽のヴァニラ香が混じり合って、 おとなしめ。奥にスパイシーな感じはあるものの、少し拍子抜け。
 酸のアタックが結構強いが、それに負けず劣らず甘味もあって、濃厚な味わい。タンニンはまだ粗暴で、落ち着きがない。 スケール感の大きさはさすがだが、やはりまだ若いかな、という印象。後味にも薬草っぽさがあり、 唇の裏に渋味がひっかかる。アルコール度数は、驚きの14%。
 好きな銘柄なので、当日記にアップしている以外にも、何度か飲んできた。しかし、今まで飲んできた中で、 最も期待に応えてくれなかった。
 若すぎたのかな、ヴィンテージが悪いのかな、などと色々考えていて、気づいた。 なんと生産地が変わっているのだ。以前、当日記で取り上げた97年ヴィンテージは、CURICO VALLEYの産だった。 ところが、この2001年ヴィンテージはCOLCHAGUA VALLEYに変わっている。これだな、原因は。 コルチャグアのアパルタ・ヴィンヤードは、モンテス社の誇る畑らしいが、この出来では、ちょっと納得しかねるなあ。
 通常価格1,980円に比べ、不足はないが、この程度の中身では、看板が泣いてるよ、と言いたい。
 なお、今回の12本セットは、一応ここで一段落つき、次の登場はいつかはわからない。というのも、 残されているのが、Ch.Soudars 98年のマグナム(1,500ml)で、2本分なのだ。マグナムボトルを開けるのには、 パーティとかでない限り、勇気が要る。いつになるかは、お楽しみ。
<評定:C>


2003年7月7日  BLANC
POUILLY FUME 2001 / DOMAINE MATHILDE DE FAVREY
プイィ・フュメ / ドメーヌ・マチルド・ド・ファヴレィ
VAL DE LOIRE地方、CENTRE地区、AC:POUILLY FUME

 これ、ACシャブリじゃないか? 飲めば飲むほど、そう思う。
 色は淡く、グリーンがかっている。奥ゆかしい白い花のような香りとともに、セルロイドのような感じ。 突出した香りはない。
 酸のアタックが鋭く、スキッとした飲み口だが、ミネラル分が豊かで、じんわりと後を引く。苦味も伴う。
 およそソーヴィニヨンらしいところは感じられず、このAOCに特有のいぶした感じも、 果実味もない。クリアで、線が細い。まるでボリューム感のないシャブリのように、存在感が薄い。
 入手価格は\1,990。おいしいけれども、ちょっと違うんじゃないの、という味わい。なんでだろう (と私は温厚だからこの程度の反応だが、気の荒いお父さんなら、ちゃぶ台ひっくり返してるぞ)。
<評定:C−>

2003年7月10日  ROUGE 
DOMAINE DE BACHELLERY 2002 MERLOT / VIN DE PAYS D'OC
ドメーヌ・ド・バシュルリー メルロー / ヴァン・ド・ペイ・ドック
VIN DE PAYS

 ここ最近、政治家その他の失言が目立つ。今さら糾弾する気さえも起きない感じだが、つくづく有名人はたいへんだなあ、 とむしろ同情心すら芽生えたりして。 今日もJR西労組のヒトが、自殺者もたまには阪急や近鉄に飛び込んでくれたらいいのに、 なぜかJR志向が強い、と発言。 わかるけどね、その気持ち。でもオヤジの飲み会じゃないんだから、言っちゃダメでしょ (営業路線が長いからターゲットになりやすいのだろうが、そもそも守りが甘いのかもしれない)。
 ひるがえって私のような一般人ならば、ネットの場で何を言おうが、非難されることはない。 むしろ知人から、良く言ってくれたと賛同されることもある。安心して暴言を吐こう。
 閑話休題。
 WINE SHOP ENOTECAの1,500円福袋というのを買った。入っていたのがこれ。
 1等(1本)はムートンだったが、極めてクジ運の悪い私に、上位の商品が当たるわけはない。 そう思って、最下等(5等)でも損はないんですね?と確認の上買ったものだが、本当に最下等とは、 予想通りとはいえ、笑うしかない。
 赤ワインで2002年ヴィンテージは、初めてかもしれない。その若さを象徴するように、 色は青紫。
 甘酸っぱい果実味にあふれ、落ち着いた感じはない。メルローというよりも、ガメイのようなフルーティさ。 渋味をそれほど感じず、最後まで酸が中心。飲み込んだ後にふんわりとした甘さが残る。
 過不足なく正しいヴァン・ド・ペイを飲んだという感想。奇をてらっていない実直な作りが好印象。
* * * * *
 「閑話休題」って言葉を間違えて使ってる人がよくある。本題からそれて雑談に移る時に使う人がいるが、 それは反対だからね。気をつけようね。
<評定:C>

2003年7月12日  ROUGE 
CASTILLO DE MOLINA CABERNET SAUVIGNON 2002 / VINA SAN PEDRO
カスティーヨ・デ・モリーナ カベルネ・ソーヴィニヨン / サン・ペドロ
チリ、LONTUE

Castillo de Molina Cabernet Sauvignon 02  安いのに、払ったお金に見合う程度の満足度をきっちり与えてくれる商品というのは、いい。 最近、世の中に「安かろう悪かろう」がはびこっているので、どうしても安物には眉をひそめてしまう。 その点、安くても裏切らない代表みたいなのが、チリワインだ。特にこのサン・ペドロという作り手は、 最初からクオリティをそれほど期待していない反面、大きくはずすこともない。
 色はやや赤が優勢の深いルビー。香りは、ベリー系の甘酸っぱさの中に、なめし革のような落ち着きもある。 口当たりはふんわり甘いが、力強いタンニンが引き締め役となっている。 甘苦い薬草のような感じや、香辛料のスパイシーさもある。ただ、それらが今ひとつ甘味を抑え込むことには成功していない。
 入手価格\1,380。通常価格は1,500円らしいが、まあ今回の入手価格が適正だろう。 「なかなかお得」と感じるためには、ジャスト1,000円くらいでないとダメ(実際に1,000円で売られているのを見たこともある)。
 今回も売場(阪急百貨店梅田本店)で味見をした上で買っているので、最初から納得済。面白いことに、売場ではこの2002年ヴィンテージと、2001年ヴィンテージが 同じ値段で並んでいて、どっちにしようか迷ったが、所詮チリはヴィンテージ差などないし、このクラスだと熟成するわけでもないから、 新鮮な方を選んだ。
 ところで最近よく売場で試飲する時に感じるのは、売り子さんには2タイプいるということ。 客をハナから素人と決め込んで、美辞麗句を並べてとにかく売ろうとする人と、客が一定の知識を持っているであろうことを前提に、 誠実に勧めてくれる人。
 丁寧に説明しようという姿勢は悪くはないんだけど、私がワインの色を光にかざして見たり、じっくり香りを嗅いだりしているのに、 「このワインはカベルネ・ソーヴィニヨンといって、ボルドーの・・・」なんて説明が始まってしまうと、 正直言って、うんざりする。たとえその人が、ワイン・アドバイザーの資格保持者であっても、客の聞きたいこと、思っていることを、 的確に察知できないようでは、プロ失格ですぞ。そんな中途半端なプロは、市中引き回しの上、打ち首に・・・(これ、最近の流行語ね)。
<評定:C>

2003年7月15日  BLANC 
CHATEAU LARRIVET-HAUT-BRION 1999 / PESSAC-LEOGNAN
シャトー・ラリヴェ・オー・ブリオン / ペサック・レオニャン
BORDEAUX地方、PESSAC-LEOGNAN(GRAVES)地区、AC:PESSAC-LEOGNAN

Ch. Larrivet-Haut-Brion 99  ほんの少し良いワインが飲みたいなあというときは、例えばこのクラス。ハーフボトルで、入手価格\1,800。
 色はかなり濃く、ややグリーンがかった黄金色という感じ。香りは複雑で、いきなりクリーミーで濃厚な香りが立ち上るかと思えば、 その脇にグリーンな感じもある。しかも時間がたつと、どんどん濃密に変わって、ムスクの香りも強くなってくる。
 酸のアタックは強いが、蜂蜜やまろやかなクリームのような甘味が下支えしており、 飲み込んだ途端にカスタードの風味が力強く広がる。苦味もあって、後を引き締めるが、まろやかな余韻がとても長い。
 たとえば南仏やカリフォルニアやチリなどの上質な白ワインにも、こんなヘヴィーな味わいのものはあるが、 大きく違うのは、決して力だけでブンブン振り回すタイプではないということ。豊満なのに、繊細。パワフルなのに、 デリカシーがある。
 やはりたまにこういうものを飲んでしまうと、普段の極安ワインとは明らかにレベルが違うことがわかり、 悲しくなる。飲むペースを3分の1くらいに下げれば、こんなものばかり可能となるが、それもちょっとね。
 フルボトルで3,500円程度であろうことを前提に、下記評定。このクラスにしても、文句なし。
 天下のグラン・ヴァンであるオー・ブリオンや、ラヴィル・オー・ブリオンに比べるとマイナーで、コストパフォーマンスが高いワインと言われている。 納得。
<評定:B>


2003年7月18日  ROUGE 
BOURGOGNE PASSETOUTGRAIN 2001 / JAYER-GILLES
ブルゴーニュ・パストゥグラン / ジャイエ・ジル
BOURGOGNE地方、AC:BOURGOGNE-PASSETOUTGRAIN

Jayer-Gilles Bourgogne Passetoutgrain 01  ある人が私のことを「安いワインが好きな変わり者」と呼ぶ。親しみを込めて、だと思うし、 変わり者と呼ばれるのが大好きな私の性格を踏まえてのことと思うが、反面、私のスタンスを どこまでわかってくれているのか、疑問でもある。
 再三述べているが、高いワインばかり追うワイン通に対するアンチテーゼであるとか、 安酒にこそ魅力があるなどという思想ではない。できれば良いワインを飲みたいと思うのは、 誰しも同じだ。しかし、本数をたくさん飲むことを優先させると、必然的に単価を安くせざるを得ない。
 モノの値段と品質というのは基本的に正比例するから、失敗したくなければ、たくさんお金を出せ、 というのが鉄則である。それでも時折、「この値段にしては、いいんじゃない?」ってな発見もあり、 その媚薬に魅せられてしまうと、どんどんそれを追求したくなる。これが今の私の基本的スタンスである。
 常にニュートラルな視点を、がポリシーであっても、例えばたまたま寄った売場で、 それなりに聞こえの良いドメーヌが、手頃な値段で売られていたらどうだろう。 自分はそんなミーハーじゃないんだ、と自己弁解しながらも、買いたい衝動を抑えきれない。で、買ってしまった。
 かなりピンクの入った感じのルビー色で、光にかざすととても透明感がある。 甘酸っぱいラズベリーのような果実香が満載で、わずかにゴムのような感じも。 まず、香りとしては、このAOCらしい。
 味のほうは、最初の酸のインパクトが強く、甘さは感じない。タンニンがそれなりに力強く、 テンションの高い味わい。適度に凝縮感があるので、薄っぺらではないし、疲れもしない。 ものすごく落とし所の良いワインという感じか。
 入手価格は\2,200。感動、まではいかないが、素直に嬉しい1本。現品限り!で、残り十数本だったので、 焦って購入。とりあえず買ってよかった。
 ルックスは10人中上から3番。それなりに華があって明らかに平均レベルを超えているが、 ぐいぐい引っ張る魅力には少々欠ける。それでいて世慣れているので、 オーディションでは審査員受けの良いカワイイ娘、ってなワイン。
<評定:B>


2003年7月19日  BLANC 
CASTILLO DE MOLINA CHARDONNAY 2001 / VINA SAN PEDRO
カスティーヨ・デ・モリーナ シャルドネ / サン・ペドロ
チリ、LONTUE

Castillo de Molina Chardonnay 01  先日のカベルネに続き、今度は同じ銘柄のシャルドネ。
 色は濃すぎず、薄すぎず。あまり強そうな印象はない。しかし、香りのほうはたっぷりと重量感がある。 くるみやカシューナッツのように脂分が多く香ばしい香りと、ヨーグルトやカスタードのクリーミーさ。 これらのバランスはすごく良い。
 口に含むと、香りから受ける印象よりは一層パワフルで、分厚い甘さを感じる。酸はほどほどだが、13.5度というアルコールのボリューム感がある。 口の中で転がしていると、アーモンドのような風味が広がる。余韻も長い。
 入手価格は、カベルネと同じ\1,380だが、通常価格\1,500を前提としても、まったく不足はない。いかにもニューワールドのシャルドネです、という見本のようなワイン。

 ところで、今日はここであらためて、当日記の評定について説明しておきたいと思う。

 私が付けている評定は、当日記のトップページに評価基準として示しているとおり、品質の絶対評価ではない。 有名な評論家や、他のサイトでも一般的に採用しているような絶対評点ではなく、 価格に見合った品質であるかどうかの評価である。
 一般的なワインの評点付けによると、それがいくらであろうが80点といえば80点の品質ということだが、 当日記ではそのような方法を採用していない。あくまでも、払うお金に釣り合っているかどうかの判断なのである。
 ちょうど価格に見合うものをC評価としているので、例えば1,500円のC評価は1,500円なみの品質ということだし、 3,000円のC評価は、3,000円なみの品質ということだ。絶対評価に置き換えれば、当然後者が上である。
 では、1,500円のA評価と、3,000円のC評価は、どっちが上か?というと、それは一概にどうとは言えない。 当日記は、ワイン同士の比較や品評を目的とするものではなく、あくまでも消費者の目線から、「お得度」あるいは「お値打ち度」を示したいのだ。 C評価以上であれば、その金額を払って買うに値するというふうにご理解いただきたい。
 くしくもB評価が3本続くこととなったが、15日のワインはハーフで\1,800(フルボトル換算\3,600以下)、 18日のワインは\2,200。本日のワインは\1,500なので、15日のものが品質は一番良く、次いで18日、そして本日という 順番になる。だが、いずれも払う金額に対してお得感があるという点は一緒である。
<評定:B>


2003年7月24日  BLANC 
BOURGOGNE ALIGOTE 2001 / JAYER-GILLES
ブルゴーニュ・アリゴテ / ジャイエ・ジル
BOURGOGNE地方、AC:BOURGOGNE-ALIGOTE

Jayer-Gilles Bourgogne Aligote 01  先日登場のパストゥグランと一緒に買った白。
 きりっとした酸だけが取り柄だとか、キールのベースに使うワインだとか、とかく安物扱いされるアリゴテだが、 安物こそ当日記の主役である。
 やや濃いめの麦わら色。グレープフルーツのような苦味を伴う柑橘香の奥にヨーグルト香。 芝生のようなグリーンな感じが若干。
 酸のアタックが強いが、単調ではなく、ミネラリーで中域の広がりがある。じっくり飲もうという気にさせる。
 入手価格はこちらもパストゥグランと同じ\2,200。値段相応の充実度。
 さて、暑い季節を迎えて、当日記の更新頻度も落ちてきた。やはり暑いとワインが進まないのだ。 関東は今年は涼しいと聞いているが、こちら関西は普通に暑い(例年よりは、かなり涼しいように思うが)。
 というわけで、夜も部屋に冷房を入れて、私は冷えたビールを飲んでいる。葡萄酒狂にあるまじき行為。
<評定:C>


2003年7月26日  ROUGE 
MONTES ALPHA SYRAH 2001 / MONTES S.A.
モンテス・アルファ シラー
チリ、COLCHAGUA VALLEY

Montes Alfa Syrah 01  近畿地方はようやく梅雨明けとなった。いよいよ夏本番だが、本格的に暑くなる前に、重たいワインを飲んでおこう、 ということで、このチョイス。
 モンテス好きの私ではあるが、実はこのワインはまだ当日記に登場していなかった。かなりの期待を持って臨んだ。
 色は、当然濃い。実に、濃い。パワフルな樽香とともに、木の皮あるいはおが屑のような香り。 古いタンス又は鏡台のような感じでもあり、この香りは最近のMONTESに共通したものである。
 味も香りの印象通り、甘味が強く、重い。タンニンも力強い。すべての要素がパアーッと外に向かっていて、 ひたすら陽気な味わい。
 確かにニューワールドらしいといえばらしいが、MONTESらしくはない。一生懸命フランスの銘醸ワインに近づけようとして、 それなりに品格や高いテンションを保っていた以前のワインとは、少し様相が変わってしまったようだ。
 1,000円台前半であれば、この品質に対して、何ら文句はない。よくできました、というレベルだ。 だが、このワインは、\2,200である。奔放さだけを主張されても、手放しで受け入れるわけにはいかない。
 最近のモンテス・アルファ・カベルネと同じように、このシラーもCOLCHAGUAの産である。主力ワインの産地を変えたことには、 何か裏事情でもあるのだろうか。結果として悪い方向に行っているような気がするのだが。
 なお、ラベルには5年以上の保管が可能(THIS WINE CAN BE CELLARED FOR MORE THAN FIVE YEARS.)と 書かれている。もっと熟成させた方が、真価を発揮するのだろうか?
 決して不味いわけではなく、実力は認めるが、もっと頑張って欲しい、底力はこんな程度ではないはずだ、 という期待も込めて、下記評定。
<評定:D>


2003年7月30日  ROUGE 
BEAUJOLAIS-VILLAGES 2001 / LEROY
ボージョレ・ヴィラージュ / ルロワ
BOURGOGNE地方、BEAUJOLAIS地区、AC:BEAUJOLAIS-VILLAGES

Leroy Beaujolais-Villages 01  輸入牛肉の関税率が時限的に上がるらしい。
 いわゆるセーフガードで、目的は国内生産者の保護である。 「小売価格にはね返るのでは?」との報道陣の質問に対し、大臣は「影響は最小限に抑えられる」旨の発言。
 まったく、こういう詭弁はやめてもらいたい。国内生産者を護るのが目的なのだから、輸入品の価格が上昇してはじめて、 消費が国産品に向かって目的が達せられる。つまり、これは輸入量を減少させ、輸入品の小売価格を上昇させることが目的で、 当然ツケは消費者に回るのだと、正しく説明すべきだ。 もし輸入品の価格が上がらないとするなら、国産品の消費増にはつながらないのだから、意味がない。 そんなことは誰でも分かる。
 セーフガード自体の是非に関して私は意見を持たないが、 とにかくこういったごまかし姿勢だけは、許しがたい。国は、生産者のためにこの政策を実行するのだ、となぜ言えないのか。 内閣の規制撤廃路線とは180度違う政策だから、説明したくないのだとしたら、なんと国民をバカにした話か。 いいかげんにしてもらいたい。
 閑話休題。
 今日のワインは、お中元で戴いた、いかにもお中元らしいワイン。2本セットのうちの1本。
 色は透明度が高く、やや青みがかっている。いちごの若々しい香りの中に、 かすかにゴムのような感じもあって、いかにもボージョレらしい。
 口当たりは甘くまろやかだが、すぐに鋭い酸が引き締める。きりっとした直球勝負の味わいで、 深みはなく、余韻も短い。シルクのような喉ごしに、気品を感じる。
 おそらく2,000円程度であろうことを前提として、下記評定。少し、物足りないかな。
 おしゃれで上品で化粧上手なOL24歳。いつも笑顔だけれど、多分それって営業スマイルだね。 本当の姿がわからないけれど、わからないからいいのかも。どうせ素顔は見せてくれないだろうし。 そんな、ヴェールに包まれたワイン。
<評定:C−>


2003年7月31日  BLANC 
BOURGOGNE CHARDONNAY 1999 / LOUIS JADOT
ブルゴーニュ・シャルドネ / ルイ・ジャド
BOURGOGNE地方、AC:BOURGOGNE

Louis Jadot Chardonnay 99  今月は本数が少ないかなと思っていたら、今日で12本目。私の普段のペースである。 しかも赤7本・白5本と赤の方が多い。盛夏を前にこの戦績は、まずまずだろう。
 さて、今日は、おなじみジャドのブルゴーニュ・ブラン。
 色はしっかりめのイエローグリーン。炒りたてのアーモンドやヘーゼルナッツの香ばしさに、 栗のようなまろやかな香り。ここまでの力強さを期待していなかっただけに、驚いた。 時間がたつと、さらに火薬のようなインパクトが強くなる。
 味わいにもボリューム感があるが、酸も強く筋が通っていて、甘味とのバランスがよい。 口中に香ばしさが残る。
 寡黙なのに、才能があふれ出るアーティストのようだ。 ストイックな姿勢が、余計にアートを際立たせる。
 入手価格\1,650。ジャドのACブルゴーニュに、これほど納得させられたのは初めて。 これならヘタな村名クラスよりも余程良いと思う。ちょうど飲み頃だったのだろう。
<評定:A>



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