利酒日記 kikizakenikki

2004年9月


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2004年9月2日  BLANC 
GROS PLANT DU PAYS NANTAIS SUR LIE 2002 / DOMAINE DE LA LOUVETRIE
グロ・プラン・デュ・ペイ・ナンテ シュール・リー / ドメーヌ・ド・ラ・ルーヴェトリー
V.D.Q.S:GROS PLANT DU PAYS NANTAIS(VAL DE LOIRE地方、PAYS NANTAIS地区)

Louvetrie Gros Plant du Pays Nantais 02  小学生みたいです。

 小泉首相が、海上保安庁の巡視船で、北方領土を視察した。 ロシア・プーチン大統領の来日を来年に控え、領土問題解決への意欲を見せる狙いがあるらしい。
 歴代の首相では、これまで鈴木善幸氏、森喜朗氏の2人が上空からヘリコプターで視察を行ったことがあるらしいのだが、 海上からは初めてなんだとか。
 まあ、空から見ようが、海から見ようが大差はないが、遠巻きに見ていったい何の収穫があるのかと思う。 「うーん、思ったよりも近いねえ」なんて言ってたみたいだが、距離が近いから何だというのだ。 近けりゃウチのもんなのか。わざわざそんなことまでして国民人気を取り付けたいのか。
 それにしても、そういうポーズの中に攻撃的な意思をちらつかせるというのは、いかにも小泉サンらしい。
 でも、それって、自分の好きなおかずを兄弟に取られたくなくて、ツバつけて「これ、ぼーくのっ」 って言ってる小学生みたいですから・・残念!! (説明不要と思うが、「ギター侍」口調で読んでね)
 当然のごとく、ロシア側は、批判的な見解を表明している。
 こんなことで、平和条約締結交渉がうまくゆくとでも本当に思っているんだろうか。 最近の政治家(与野党含め)は、国益、国益とがなり立てる御仁が多いが、 こんな小学生を代表者にしていることが、最も国益を損なうことなんじゃあ、ありませんか。

 今日のワインは、当日記では珍しいV.D.Q.S.(=appellation d'origine Vin Delimite de Qualite Superieure:上質指定ワイン)。 AOCでいうと、MUSCADETに近い地区だ。
 ほとんど無色と言ってもいいくらい、ほのかなレモン色。柑橘香と、ハーブ香と、石油香が入り交じったような、 何とも不思議な香り(こんなふうに感じるのは私だけか?)。
 口に含んだ瞬間に、思わず顔をしかめてしまいそうなほど、酸が強い。レモン果汁のような収斂性。 同時にマシンオイルのような風味も感じる。でも、強烈に酸っぱいと感じたのは最初のうちで、 だんだんとその奥に甘さや味わいが見えてくる。飲み込んだ後にややグリーンな後味を残す。ただ酸っぱいだけじゃないのは、 シュール・リーのおかげかな。
 入手価格は\1,470(本体価格1,400円+消費税70円)。大阪・阪神百貨店にて。
 この値段なら全然OK。というか、結構いいです。
<評定:B>

2004年9月3日  ROUGE 
CHATEAU PRIEURE-LICHINE 1997 / MARGAUX
シャトー・プリューレ・リシーヌ / マルゴー
BORDEAUX地方、HAUT-MEDOC地区、MARGAUX村、AC:MARGAUX

Ch. Prieure-Lichine 97  ある光景。

 忙しい仕事の合間、空腹を満たすために、ファースト・フード店に立ち寄った。夕方のことだ。
 ふと、隣を見ると、今どき珍しく、とても純真そうな高校生のカップルが、並んで座っていた。 自然と会話が耳に入ってきた。会話といっても、彼女のほうが一方的にしゃべっていた。
「わたしはね、ただ一緒にいてくれれば、それでいい」「いつもしてもらってばっかりだから、 今度はわたしが何かしてあげたいの」
 こうして文字にしてしまうと、顔から火が出そうなくらいに恥ずかしい言葉だが、何だか感動した (公衆の面前で愛を語り合うなんて、いかにも今の若者だ、という感想は、ひとまず置いておいて)。 ひとしきり、10代の頃を、思い出してみた。
 誰しも、同じような経験があるに違いない。純粋に誰かを想う気持ち。 大人になっても、そういう気持ちは変わらないと、信じたかった・・。 でも、そうではないことも経験しつつ、大人になってきた。

 しばらくして、60代とおぼしき夫婦が、店に入ってきた。
 2人でハンバーガーをかじり、ポテトをつつき合っていた。
 長年連れ添っているであろうその男性のほうが、うれしそうに、ひとこと言った。 「おいしいなあ。こんなにおいしかったかなあ」
 おいしいなあ、の後に、「おまえと一緒だと」という言葉を、聞いたような、気がした。

 幸せは伝播する。その波動が、赤の他人の私に、来し方、行く末について、考えさせる。
 あの若者たちのように、純粋な気持ちを持ち続けられるだろうか。 あの老夫婦のように、素敵な年を重ねることが、できるだろうか。
 素直な気持ちほど、人の心を打つものはない。
 家族の結びつきが大切だから守らなくてはいけないとか、 夫婦別姓制はその結びつきを崩壊させるからダメだとか、くだらない形式論を展開する政治家連中などは、 とっくの昔に、そんな人間らしさをなくしてしまったんだろうな、と思う。 そういう、人としての気持ちをなくした人たちが、政治なんかして欲しくないんだけどね。

 さて、ガラにもない話をした後は、本題へ。
 本日のワインは、ハーフボトル。
 色も、香りも、深みよりは若さを感じさせる。醤油で煮しめた豆みたいな、馥郁とした香り。 墨汁の匂いも。
 タンニンは柔らかだが、酸は強い。ひっかかりがなく、すいすい飲める。重みはない。
 メドックというよりは、サンテミリオンかな?と思ってしまうような、優しさ。 もちろん、本来マルゴーも優しいワインであることは承知の上だが、これはちょっと違うような。
 入手価格は\1,989(本体価格1,895円+消費税94円)。フルボトル換算で4,000円弱。 決して内容は悪くはないんだけど、値段を考えると、もうちょっと何か欲しい。 
<評定:D>

2004年9月6日  ROUGE 
VAQUEYRAS "VIEUX CLOCHER" 2001 / ARNOUX & FILS
ヴァケイラス "ヴュー・クロシェ" / アルヌー・エ・フィス
COTES DU RHONE地方、VAQUEYRAS地区、AC:VAQUEYRAS

Arnoux Vaqueyras 02  我々ファンは、どこまでも選手を応援します!

 労組日本プロ野球選手会の古田敦也会長らが球団合併差し止めを求めていた問題で、 東京高裁は、申し立てを却下した東京地裁の決定を支持し、即時抗告を棄却した。
 選手会側は、ついにストの実行へと踏み出すことになる。
 もちろん、ストをすることが目的なのではなく、経営者側に、 とにかく話のテーブルに着くことを求めるという姿勢だ。
 実際にストを決行すれば、ファンの野球離れを促進しかねない、という意見もあるが、 私はそうは思わない。
 我々ファンや、選手たちの意向を無視し、話し合いの機会すら持とうとしない横暴かつアンフェアなやり方に対して、 今こそはっきりと意志を示すべきである。
 スト決行もやむなしと判断した古田会長の英断を、私はファンの一人として強く支持する。 プロ野球界の将来のために、毅然とした態度で臨んで欲しい。 そのためにしばらく試合が見られないような事態になったとしても、我々はどこまでも応援する。

 本日のワインは、当日記では初登場のAOC。ローヌのいかにも力強そうなワイン。
 色は特別濃いという感じではなく、軽めのACローヌのような印象。 香りは甘酸っぱく、かつ、スパイシー。
 まず、チョコのような甘味が口中いっぱいに広がり、黒コショウ的な炸裂する感じと、血のような味わいも。 想像していた以上にワイルドで、奔放なワイン。
 入手価格\1,689(本体価格1,609円+消費税80円)。成城石井梅田店にて。
 個性豊かな点は評価できるが、それでももう少しエレガントさというか、綺麗さが欲しい。
<評定:D>

2004年9月8日  BLANC 
REUILLY 2003 / CLAUDE LAFOND
ルイィ / クロード・ラフォン
VAL DE LOIRE地方、CENTRE地区、AC:REUILLY

Claude Lafond Reuilly 03  事態を矮小化する詭弁にだまされるな。文化の堅持という視点に立て。

 注目のプロ野球オーナー会議で、近鉄とオリックスの合併が承認された。
 予想された事態とはいえ、これでいよいよ選手会がストに踏み切るかどうか、という点に興味は移る。
 選手会の主張は、(1)両球団の合併の1年間凍結、(2)新規参入球団への加盟料等の撤廃、(3)ドラフト制度の抜本改革、(4)放映権料の一括管理などである。 そしてなによりも、オーナー側に対し、協議のテーブルについて欲しい、ということだ。ストが目的でないことは言うまでもない。
 本日時点の結論としては、「もうひと組」の合併は進展しておらず、来期はセ6・パ5の11球団で2リーグということらしいが、 今後に含みも持たせている。
 オーナー側の主張として、「当初から、球団減少後も選手の雇用は守るということを明言しているのに、 選手が合併を反対すること自体おかしい。ストをする意味がわからない」というものがある。
 しかし、その主張こそ、おかしい。経営権の侵害だなどという主張もあたらない。
 雇用が守られても、試合に出られなければ意味がない。 わかりやすく言えば、12球団なら1軍のスタメン出場選手は9×12=108人だが、11球団になれば9×11=99人だ。 試合に出られない選手は、当然年俸カットとなるだろう。仮に一軍登録選手を増やすという策を取ったとしても、 一度に試合に出られる選手数は、野球そのもののルールを変えない限りは、変わらないのだ。 だから単に「雇用を守る」というのは、子供じみた詭弁に過ぎない。
 もし、試合に出ようが出まいが、今の年俸は保証すると言うのなら、そもそも経費の削減にはならないから、合併そのものが無意味となる。 合併のメリットを出すためには、リーグとして報酬総額のカットしかないのだ。
 こんなバカオーナー連中の話など、聞く価値もない。しかし、私がもっと腹を立てたのは、次のような世論である。
「世間の多くの会社は、リストラ、リストラで、皆、大きな痛みに耐えている。 プロ野球選手は、高い年俸をもらっておいて、いったい何様のつもりだ」というような意見だ。
 あなたが年収500万円のサラリーマンだとして、一方、古田選手が年俸3億円もらっている その差は、端的に言って実力の差である。悔しかったら3億円稼いでから言ってみろ。
(無論、普通の勤め人が健康なら55歳とか60歳まで 働けるのに対して、プロ野球選手は、どんなにがんばっても40代前半までである。それを勘案した上で生涯賃金を比較しなくてはならないが)
 あなたの会社が突然同業他社と合併することになりました。全員の雇用は守られます。それで、万々歳か?
 弱い方の企業出身者は、出世の道が絶たれる。結果として生涯賃金は削減される。そういう未来が来るのは、火を見るより明らかだ。 野球は9人でやるというルールは、一般企業でも同じことなのだ。そういうことに気づかないで、 ただやっかみだけで選手会の対応を批判する一般人は、幼稚としか言いようがない。
 私は、ストは決して良いことではないと思うけれども、野球文化を守るために、そして、議論の席に着こうともせず 将来の1リーグ制に向かって突っ走る老害どもの目を開かせるために、選手会が苦しい選択をするのならば、 その姿勢を支持する。もちろん、新規参入を認めるような結論が引き出せれば、最高であるが。

 さて、今日のワインは、またまた当日記初登場のAOC。ロワールはルイィの白。
 液色は極めて淡いイエローグリーン。レモンやライムのような鋭い柑橘香と、ビニールかセルロイドのようなケミカルな香り。 香りは随分細身。
 ところが、味には幾分かふくらみがある。マヨネーズみたいな酸とともに、果実っぽい甘味。 鋭いのか優しいのかよくわからない、不思議な味わい。
 入手価格\2,625(本体価格2,500円+消費税125円)。阪神百貨店にて。
 う〜ん。どうなんでしょう。気が強いかと思えば、結構情に厚かったりする女子のように、 扱いにくいことこの上ない。だけど、面白い。そういう位置付けのワインですな。
 今日もまた、ワインよりも野球の話題が中心となってしまった。今一番の関心事なので、 当日記読者の皆様には、ご理解いただけるものと思う。別に、ご理解いただかなくても、かまわないが。
<評定:C−>

2004年9月10日  ROUGE 
BOURGOGNE 2001 LES BONS BATONS / PHILIPPE LECLERC
ブルゴーニュ レ・ボン・バトン / フィリップ・ルクレール
BOURGOGNE地方、AC:BOURGOGNE

Leclerc Bourgogne Les Bons Batons 01  徹底的に、戦え。

 10日開かれたプロ野球協議・交渉委員会の結論として、とりあえず今週末(11,12日)のストが回避された。 しかし、まだ予断を許さない状況であることに変わりない。結論が1週間先送りされた格好だ。
 委員会では、
(1)近鉄・オリックスの合併延期の可能性について、6:6での交流試合の効果等を具体的に分析して回答する (2)加盟料、参加料を撤廃して保証金制度を導入し、球団の新規参入がしやすいような方策を積極的に検討する (3)来期はセリーグ6球団以上、パリーグ5球団以上を維持することを確約する
 などが決定された。
 実に日本的で、あいまいな結論。ジイサン連中のこんな詭弁に、だまされてはいけない。
 結局言っていることは、とりあえず今年は、第2の合併だけはないよ、ということだけである。 ダイエーがああいう状況である以上、もう今年は時間が足りないということなのだろう。 のらりくらりと、最後は自分たちの思う方向に持ってゆけると確信しているようにさえ見える。
 TVを見ていて印象的だったのは、選手会の古田会長が、求められた握手を拒否したシーンだ。 その表情は、「何を言っとるんや、このおっさん」てな感じだった。
 スト回避を決定した選手会に対して、中途半端だという印象を持ったファンも少なくないだろう。 だが私は、古田会長以下、選手会の下した決断を全面的に支持する。 ファンを第一に考えてくれているからこそ、安易にストはせず、しかし決して妥協はしない。 その姿勢に、改めて敬意を表したい。
「ストは、ファンに一番迷惑がかかる」などという、球団オーナーや社長連中に、言いたい。 少なくとも1ファンである私は、ストが決行されても迷惑とか残念などとはまったく思わない。一番迷惑を掛けてるのは、 あんたらジイサン連中だ。なぜそんなことがわからないのか。
 それにつけても、元検事長(コミッショナー)さんよ。あんたの存在は不要であることが証明されました。 もう出てこなくていいから。

 さて、こちら関西では、まだまだ暑い日が続いているのだが、今夜の我が家のメニューはビーフシチューだった。 そこで普通考えると、ブルゴーニュってのは、まああれなんだが(って、何なんだ?)、このルクレールをご存知の方なら、 頷いてくれると思う。
 ボトルをよく見ると少し汚れていて、キャップシールを外すと、液漏れが確認された。さてどうか。
 色はブルゴーニュらしく綺麗なルビーで、おかしいところはない。香りもプラムやいちごなど、甘酸っぱく可憐。
 だが、味わいに力がない。タンニンはやわらかく、それなりに飲める。普通の安ブルなら、こんなものかと思うが、これはルクレールである。 魂が抜き取られてしまったかのようだ。まるで、成人して更正して、真面目に会社勤めなんかしちゃってる元族みたいだ。 ちくわみたいに、真ん中が空洞。
 入手価格\2,730(本体価格2,600円+消費税130円)。Enoteca大阪店にて。
 残念だけれども、評価は差し控えます。
<評定差し控え>

2004年9月11日  BLANC 
BOURGOGNE CHARDONNAY 2000 / DOMAINE RENE MONNIER
ブルゴーニュ シャルドネ / ルネ・モニエ
BOURGOGNE地方、AC:BOURGOGNE

Rene Monnier Bourgogne Chardonnay 00  大衆迎合とは何か。

 昨日も書いたが、プロ野球のストライキはいちおう回避された。
 選手会の決定に対し、色んな反響がある。「中途半端に妥協せず、ストをすべきた」「これで経営者側が姿勢を変えるとは思えない」 「いや、スト回避は当然だ」「そもそも選手がストを言い出すなんて、とんでもない」などなど。
 TVを見ていたら、江川卓氏が、選手会の態度にも反省点があるとして、次のような主張をしていた。
 (1)近鉄・オリックスの合併延期ばかりにこだわらないで、合併後の選手の完全雇用を守るべきことのほうを、争点にすべきだ。 (2)選手にとってプレー以上に大切なことはない。シーズン中にストを持ち出すのではなく、 今シーズンを終えてから来期のストを楯に戦う方がよかった。
 しかし、私の感覚は、ちょっと違う。
 労組として完全雇用を守る主張は大切だが、バファローズを残したいという姿勢を崩すべきではないと私は思う。
 赤字解消のため経営者がリストラするのは当然で、情緒的にチームを残せという主張は無責任だという世論もあるが、 そういう人に私は言いたい。経営の中身の開示もしないで、本当に経営努力をしているのかもわからない状態で、 安易に合併を選ぶのは、単に経営の放棄に過ぎない。まして、資金力も意欲もある企業が買収に名乗りを上げているのに、 完全無視を決め込むなど、本当に経営危機に対処する意欲があるとは到底思えない。
 江川氏の2つめの論点にしても、今、選手が行動を起こさないと、それこそオーナー陣の思うつぼで、 気づいたら来期1リーグが決定していた、なんて事態になりかねない。シーズン中に行動を起こすことに問題があるのは重々承知のこと。 もはや理想論で対処できる時期ではない。
 ナベツネ氏が再三、「大衆迎合的なことをして世論を味方につけようとしてもダメだ」みたいな発言をしていたが、 そのお抱え新聞のY紙でも、「高給取りがストなんて、世論の賛同を得られない」という論調を展開しているようだ。
 これらの姿勢に私が真っ向から反対するのは、最近の世情では、こういった「権力に刃向かうヤツはけしからん」 という主張(Y紙やS紙がお得意)こそが、大衆を魅了する物言いになっているという事実があるからだ。 つまり、「高い給料をもらっておいて、経営者の苦労も知らないで、偉そうにストを言い出すとはけしからん」 という類の主張こそが、昨今では、大衆迎合そのものなのだ。
 この点に注意しておかないと、世情はますます全体主義的になる。私の大きな危機感は、まさにそこにあるのだ。
 何度でも言う。立場とか体制とか、そんな空虚なものを振りかざすのではなく、経営がたいへんならばその内情をすべて開示し、 資金力と意欲と発想力のある新興企業に経営権を売却するなど、現実的な方策をとるべきだ。「わけのわからん企業に、 結局数年で球団を手放されては困る」などという正論めいたことをほざく人もあるが、老舗企業だろうが、結局経営に失敗した会社が そんなことを言う権利はない。新しい者を入れてかき回されたくないという姿勢こそが、球界全体を腐らせるのだ。

 さて、今日はなんと当日記でもめずらしいことなのだが、2日続けて残念な報告をしなくてはならない。 昨日に続き、今日も開けたワインが「・・・?」だったのだ。
 柑橘系のフレッシュさが少しはあるものの、香りは苔むす日陰のジメジメ感や、濡れ雑巾みたいな感じ。 味にもコクはなく、上滑りする酸だけ。口中にだんだんと蒸れた感じが蓄積してゆく。
 買ってきてすぐに冷蔵庫で保管していたから、いつどこでどうなったものかはわからないが、とても残念。
 入手価格\2,100(本体価格2,000円+消費税100円)。いかりスーパーJR大阪店にて。
 よくあることなので、仕方ないとは思う。でも、この残った液体、どうやって処理しよう・・。

 ・・で、料理用にでもと思ったのだが、先日も同じようなwineを料理に使ったらとても不味かったからと、 妻にも拒絶されてしまった。
<評定不能>

2004年9月13日  ROUGE 
FEOTTO DELLO JATO SANGIOVESE 2002 / SICILIA(I.G.T.)
フェオット・デッロ・ヤト サンジョヴェーゼ / シチリア
イタリア、SICILIA州

Feotto dello Jato Sangiovese 02  ついに100日達成!

 当サイトの連続更新記録が、ついに100日に達した。 6月6日から本日までの100日間連続無欠勤である。当日記と 「ビール・発泡酒・チューハイの部屋」との合わせ技ではあるが。
 こんなことに挑戦しても何の得もないが、そもそもHPとは自己満足そのものである。 唯一うれしいことといえば、おそらく日課のように訪問してくださる方が増え、 最近では訪問者数が、1週平均4,500人ほど(年換算で約23万人。レンタルサーバーの統計による。 但し、同サーバー上で もう一つ運営しているサイトが4割程度を占めるので、 実際には2,700人/週、14万人/年 程度と推測される)になったこと。(*注)
 私をよく知る人たちからは、よくそんな時間があるね、と言われる。時間はあるのではなく、作るものです。 とカッコつけて答えるのだが、普通の人と生活パターンが違うからに過ぎない。
 毎日夜中の3,4時頃まで起きている。私がフリーライターという自由業だから(うそ。自由業はホントだが)できること。 どんなに仕事が忙しくたって、寝る時間を削ればいい。さすがに翌朝7時に起きなきゃいけないって時は、2時には寝るが。
 日中でも、ネタをみつけたら手帳にメモったり、パソコン起動して書き込んだりしている。そういう毎日だ。

(*注)ここでいう訪問者とは、サイト全体への訪問者数であり、 トップページを介さず、検索エンジンなどからコンテンツへ直接入ってきた人の数も含む。 トップページのカウンター数のみを訪問数と定義するならば、最新統計で1週あたり約1,000人強である。
 様々な場所から多くのメールをいただけるようになったこともうれしい。 最も近くは、同じ最寄り駅在住の方。最も遠くはニューヨークの方だ。
 皆さん恐る恐るメールをくださり、お返事するととても喜んでいただける。よほど私が恐い人間だとお思いなのか?
 まるで芸能人からファンレターの返事が返ってきたかのように感激してくださる方もある。 こんなオッサンからメールもらって、うれしいですか?と聞き返したくなる。
 私も他人のHPをROMっていた頃は、サイト運営者にメールを出すなんて、なんだか敷居が高く感じたものだが、 今になってわかることは、「いつも見てます」という一言が、運営者としてこの上ない喜びだということ。
 こんなワインが良かったよ、というメールなど、お気軽に送ってくださいね。 ついでに現物も送ってくださいね。 って、住所は公開してないが。
 但し、お前の話はウザい、って類のメールは不要。二度と見に来なければいいだけだからね。
 100日達成したので、これでもう思い残すことはない。この際、365日連続を目標にすべきか?とも思ったが、 目標を掲げたら石にかじりついてでも達成してしまう自分の性格を知っているので、やめておく。

 閑話休題。
 ここ最近、定期的に購入しているenotecaのchoiceという月替わりのセット。 今月も12種で15,750円(但し、そのうち1つはチーズで、wineは11種)。その1本目。
 このwine、実は同じヴィンテージが5月にも登場している
 液色は濃く、いかにも温暖な地のもの。 プラムのような甘酸っぱさに、いかにもサンジョヴェーゼな、スミレ香。飲み込んだ後には、ブルーベリーとカシスの中間みたいな、 青黒っぽいベリー香が漂う。ジューシーで、ややドロッと感がある。
 5月のときのコメントを読み返してみたが、もっとずっしりどっしりした感じ。 私の味覚の変化か、はたまたボトル差か。今日の方が、若々しくって、いい感じ。
<評定:C>

2004年9月14日  BLANC 
ENATE CHARDONNAY-234 2003 / SOMONTANO(D.O.)
エナーテ シャルドネ・ドス・トレス・クワトロ / ソモンターノ
スペイン、SOMONTANO地方

Enate Chardonnay-234 03  世情の変化を憂う。

 今日のニュースには、少なからず驚かされた。
 3年前、大阪の小学校で児童殺傷事件を起こした死刑囚に、本日死刑が執行されたと大きく報道されたことだ。
 事件から3年余、確定判決から1年未満という早さもさることながら、こんなに大々的に執行が報道されるとは。
 数年前までは、執行日や死刑囚名が明確に報道されることはなかったし、そもそも歴代の法務大臣の中には、 自分の任期中に執行命令を出すことを避けた人も少なくないと聞く。
 犯行の事実に疑いがないこと、本人にしょく罪の意志が見られないことに加え、被害者家族の感情を斟酌してのこととは思う。 しかし、少々気がかりなこともある。
 より深く被害者家族の感情を慮れば、犯行に対して悔い改める気持ちを引き出すために、もう少し時間を置いてもよかったのではないか、 という意見もある。だが、たとえ反省の弁が聞かれたとしても、被害者家族にとって、それがいったい何になろう。 私が気にするのは、そういった点ではない。社会一般に対する影響力にである。
「凶悪犯罪を犯した人間は、一刻も早く消すべきである。それが社会正義だ。」そういった世論が構築されてしまうことに、 私は大いなる危機感を覚える。
 件の犯人を擁護すべき点など皆無であることは言うまでもないが、そのことと、「こんなにひどいヤツは素早く消されて当然」 という類の主張を混同してはならない。社会が狭量な正義感に燃え始めると、時代は隘路(あいろ)に迷い込む。
 今回の報道の根底には、はみ出し者の末期を皆で見届けて溜飲を下げようという、 今の時代の残虐さが存在しているように思えてならない。
 誤解のないように再度言うが、私にも犯罪者を擁護しようなどという気持ちは毛頭ない。だからこそ、 憎悪感情を増幅させて社会的コンセンサスにまで高めては絶対にいけないのだと、釘を刺さずにはおれないのだ。
 こういう件を取り上げて、社会正義などという言葉を持ち出す政治家や学者には、要注意である。

 さて、12種15,750円セットの2本目は、スペインの白。
 色は淡いグリーンで、軽めの印象。黄色い花やクリームのようなやさしい香り。グラスを回すとオレンジのような柑橘香が前に出てくる。
 若干凡庸な香りの印象に比べて、味は結構引き締まっている。キュンとした酸。 甘味は適度。アフターに白粉(ベビーパウダー?)的でコスメっぽいフレーバー。
 ブラインドでセパージュを当ててくださいと言われたら、絶対に当たらない自信がある(どんな自信だ)。 なんでこれがシャルドネなんだ?強いて言えば、アルゼンチンのトロンテスが、こんな感じだったような。
 とはいえ、気候風土によってどうにでも変わってしまうのが、シャルドネなんだと、改めて認識。
 単体での通常価格は、\1,680(本体価格1,600円+消費税80円)。だらっとした感じでありながら、 決してぼやけてはいない不思議なシャルドネ。値段に比べて損はない。

 本日で、連続更新記録は101日となる。まだまだ元気です。
<評定:C>

2004年9月17日  ROUGE 
PIEMONTE GRIGNOLINO (D.O.C.) 2003 / TENUTA CARRETTA
ピエモンテ・グリニョリーノ / テヌータ・カレッタ
イタリア、PIEMONTE州

Tenuta Carretta Piemonte Grignolino 03  今私は、安堵している。

 プロ野球選手会が、ついにスト突入を決めた。
 時間を大幅に延長して行われた協議・交渉委員会。選手会側が要求していた近鉄・オリックスの合併延期はできないと蹴散らされ、 新球団の参入についても、経営者側は、誠意を持って対応すると言いながら来年は無理だとして、選手会の要望を突っぱねた。
 選手会が妥協をせず、自分たちの姿勢を貫いてくれたことに、私はホッとした。
 交流試合をした場合の収支について報告するという話も、合併をしたほうが良いのだという、経営者側が初めから決めていた結論 が繰り返されただけで、誠意のかけらも見えなかった。まるで、自分たちにタテつくなんて十年早い、と言わんばかりだった。
 それにつけても、腹が立ったのは、今日の交渉決裂の経緯に関する経営者側の説明だ。 「新規参入についても誠意を持って対応するという提案をしたが、選手会側に正式に拒絶された」というような物言い。 瀬戸山サンよ。そんなに自分たちの方が立場が上だと言いたいのか? そんなむちゃくちゃな、自分たちの責任をすべて 相手に転嫁するような薄汚い言い回しまで使って、あんたは恥ずかしくないんかい。ええかげんにせえや。
 あんたたちは、本当に野球を愛してるのか?と聞いてみたい。
 子供の頃、友達数人が集まれば、必ず河川敷で草野球をしていた。 日が暮れてボールがほとんど見えなくなっても無心にバットを振り、ボールを追いかけていた。 少なくとも私は、そういう少年時代を過ごしてきた。そういう野球に対する愛情を、オーナー連中は持っているんだろうか。
 TVに生出演した選手会の古田会長が、ファンからの励ましのFAXに感極まって、男泣きしていた(CX系「すぽると」)。 その姿を見て、今こそ我々ファンが一丸となって、選手会を支えてゆかなければと、改めて、強く思った。
 古田さん、僕たちはどこまでもあなたがたの戦いを支持します。 沈痛な面持ちで、我々ファンに対し、スト突入に関して謝罪されたその誠意。胸が熱くなりました。
「何千万も何億も給料をもらっておいて、何がストか。我々庶民は試合だけが楽しみなんだ」というような発言をするファンもいた。 だが、そういう人に言いたい。もうファンをやめて頂いて結構だと。金輪際、球場になんか来なくて結構だと。 そんなピントのずれた、近視眼的な、被害者根性丸出しのようなオッサンは、野球ファンをやめてくれ。
 今回のことで、コミッショナーは辞任するという。実は「すぽると」の中で爆弾発言があって、 「選手会は労組ではなくスト権はないから、経営者は損害賠償ができる」旨の通知を各球団首脳に送って唆した張本人は、 根来氏だという。真偽は定かではないが、もしホントだとすると、根来氏(元検事)はとても法律家などと呼べる手合いではないと言わざるを得ない。
 既に東京高裁も、交渉を拒絶してきた経営者側の行為に対して、不当労働行為になりかねないと警告を発している。 法を無視してまで自分たちの空っぽな優位性を保とうとしている経営者たちは、もう、見苦しいとしか言いようがない。
 改めて私は、選手会の決定を全面的に支持することを表明したい。ストで離れるようなファンは、初めから真のファンではないのだ。

 さて、重苦しい雰囲気の中、今日開けたワインは、12種15,750円セットの3本目。
 色は、肩すかしを食らったように、薄い。ボージョレではないか?と思うほど。 香りは、ツンとしたセメダインみたいなインパクトに、若干血のニュアンス。随分細身な印象。
 だが、味わいは意外とふくよかで、軽めの甘さがふわっと広がる。それでいて、酸の鋭さもあって、悪く言うとアンバランス。 でも良く言うと、意外性があって面白い。
 可憐な外見に、ちょっとしたひとひねり。悪くないね。
 単体での通常価格は、\1,890(本体価格1,800円+消費税90円)。面白いけど、この値段からすると、あと一押し欲しい気も。
<評定:C−>

2004年9月18日  BLANC 
NORTON CHARDONNAY RESERVE 2002 / BODEGA NORTON
ノートン シャルドネ・リザーヴ / ボデガ・ノートン
アルゼンチン、MENDOZA

Norton Chardonnay 02  明るい明日を考える契機にしたい。

 プロ野球初のストライキによって、試合のない週末を迎えた。
 ファン以外の人たちには、どうでもいいことかもしれない。でも、我々野球ファンにとっては、 今日は、新たな歴史の始まりの日だ。
 2日間のストによる損害額がいくら、というような批判もあるが、もっと先を見たいと思う。
 もし、選手会が立ち上がらなかったらどうなっていたかを考えると、ぞっとする。 オーナー連中の勝手な構想に押し切られ、来期から1リーグになっていたかもしれない。 だから、選手会の苦渋の選択には、大きな意味がある。
 経営者側が、来期からの新規参入を何が何でも認めたくないのは、 12球団に戻ってしまえば1リーグ制が遠のいてしまうからだ。今からでは間に合わない、というのは、 下手な言い訳にすぎない。
 ライブドアや楽天が参入し、新しいビジネスモデルを野球界に持ち込んでくれたら、 きっと面白い展開になるに違いない。
 ネットで試合を中継する。ファンが増えれば広告収入も増える。ネット観戦に例えばマイレージ制を導入して、 マイル数によって球団グッズやチケットをプレゼントする。 株式をファンが持ち、株主にはチケットの優先予約権を与える。もちろん業績によって配当も増える。 チケットはネット販売し、売れ残りそうな席はネットオークションにかける・・。
 色んなアイディアで、収益を増やすことは可能なはずだ。
 そもそも球団の赤字は、球場に足を運ばないファンの責任だ、という意見がある。私は、それは違うと思う。 時間とお金が無尽蔵にあれば、ファンは誰だって毎日球場で試合を見たい。しかし、そんなことができる人はほとんどいない。 それこそ庶民は皆、つましく忙しい毎日の中で、どうにかがんばって試合を見ているのである。
 経営側の努力不足を棚に上げて、ファンのせいだとするのはお門違い。たとえ球場がガラガラでも、 収益の上がるビジネスモデルを確立することは不可能ではないと思う。 しかも、ネットでファンが増えれば、球場に足を運ぶ人も増えるに違いない。
 そういったことを、考えてゆかなければいけない。そのために、球界に新しい血を入れることには、 大きな意義がある。
 経営者側の一方的な暴力に屈せず、選手会は、明日の球界のために、頑張って欲しい。

 さて、12種15,750円セットの4本目は、アルゼンチンのシャルドネ。
 濃いめのレモンイエロー。レモンのような鋭い柑橘香のほか、クルミみたいなナッティな感じ。 口に含めば、鋭い酸の背後にやさしい甘味が。後味には、かすかにクリームのような感じ。
 パワーはあまりなく、どちらかと言えば細身。アルゼンチンのシャルドネと言えば、私の印象では、 これまで樽香ブンブンみたいな感じのものが多かったような気がするが、こういう細身のものもいい。
 単体での通常価格は、\1,680(本体価格1,600円+消費税80円)。 もしこれが1,000円ワインならかなりうれしいが、この値段では、もう一息。
<評定:C−>

2004年9月21日  ROUGE 
FRIMAIO CHIANTI CLASSICO (D.O.C.G.) 2001 / POGGIO ROMITA
フリマイオ キャンティ・クラッシコ / ポッジオ・ロミータ
イタリア、TOSCANA州

Frimaio Chianti Classico 01  小泉サン、それはないよ。

 プロ野球各球団の経営者側の会議である実行委員会が開かれた。
 来期に向けて問題山積の状況で、明日から再開される選手会との協議・交渉委員会に向け、経営者側の意見調整 を図る場だ。
 球団の新規参入に関しては、新たに設けられる保証金を25億円とし、入会金は5億円とするなどと決められたようだが、 肝心の来期の参入を認めるか否かという点の結論は出されていない。
 また、選手会が18・19日に行ったストの代替試合を行うか否かについては、後の日程を考え、パは明日中に結論を出すとし、 セは引き続き検討を行うとした。
 思うに、代替試合など、「する」と決めればそれでいいことなのに、こんなことすら即断できない不甲斐なさ。 遅くなればなるほど、日程的にきつくなるのは火を見るより明らか。 プレーオフ進出のかかっているロッテ・瀬戸山代表が率先して「やりましょう」と言っていたのが、何とも印象的。 いかに皆、自分のことしか考えてないかってこと。
 ところで、17日の協議・交渉委員会の途中、球団側だけの話し合いで、オリックスの小泉社長が、 「新規球団がセに行けばいい。巨人がパへ」などと発言していたという。
 オリックスにしてみれば、自分たちが犠牲になって経営不振の近鉄を救済する代わりに、 西武の堤氏や巨人のナベツネ氏の主導でもう一つの合併を成功させてもらい、めでたく1リーグというシナリオを 信じていたのに、思ってもみなかった選手会の反発(+世論)によって2リーグ維持が濃厚となってしまったのだから、 こうなれば巨人にパに来てもらうことしか、浮かばれる道はない、と考えているのだろう。 それこそ二階に上がって梯子を外された気分なのだろう。
 昨日、大リーグで始球式を行った小泉首相が、日本のプロ野球界について、「新規のチームがどんどん入って、 盛り上げてもらいたい」などと語っていた。
 自分たちの目先のことしか考えない青波・小泉氏よりも、ここはノーテンキな自民・小泉氏の発言を支持したい。
 それにつけても、こんな暗い球界を率先して明るくしてくれているのは、北海道日本ハムの新庄選手だ。 連日の劇的なホームラン。こういう素晴らしい選手が、球界を支え、地域球団に繁栄をもたらすのだ。

 さて、12種15,750円セットの5本目は、キャンティ・クラッシコ。
 色は濃縮ブドウジュースみたいに、どろっとして濃い紫で、縁まで均一。 香りは、漢方薬、梅、若干の動物臭。
 口に含むと酸がはじけ、かなりのタンニンとともに口中を引き締めてゆく。甘味はそれほど感じない。 黒っぽい果実味と、タバコのようなアフターフレーバーが、品格を感じさせる。
 単体での通常価格は、\1,995(本体価格1,900円+消費税95円)。普通の安ワインの域は脱しているので、 十分納得。でも、もう少し熟成するかな?という印象。
<評定:C>

2004年9月23日  BLANC 
MONTES ALPHA CHARDONNAY 2002 / MONTES S.A.
モンテス・アルファ シャルドネ / モンテス
チリ、DO:CASABLANCA VALLEY

Montes Alpha Chardonnay 02  今日は2題。

 その1: ひとまずよかった。


 今週末のプロ野球のストは回避された。
 近鉄・オリックスの合併は覆らなかったが、来期に向け、球団の新規参入が可能となるよう、 迅速に審査を行うことが確約され、また審査の過程も透明性を確保するなどの合意がなされた。
 まずは我々ファンも一安心といったところだが、今後気がかりなのは、 審査はしたけれども参入は認めないなどという事態が起こらないかどうかである。
 急展開で合意に至った背景には、巨人とオリックスの180度ともいえる方向転換があったという。 「球界の繁栄のためには球団数を減らすべき」との主張をしていたオリックス・小泉社長が、 一転して選手会側に歩み寄った真意はわからない。ファンの声に従わざるを得なかったということなら誠に喜ばしい限りだ。 しかし、Jリーグのチームを経営している楽天が名乗りを上げたことで、雲行きが変わったことは間違いない。 その楽天が急遽、本拠を仙台にと方針転換したのは、まさに勝算があってのことだろう。
 それにつけても球界のお偉いさん連中は、そんなにホリエモンが気にくわないんだろうか・・。
 ともあれ今後も目が離せない球界だ。

 その2: はぁあ〜〜???

 東京都で、中学生以下の性行為を禁止する条例を制定する動きがあるらしい。
 教育委員会の国旗・国歌問題もそうだが、ついに墜ちるところまで墜ちたか、の感がある。
 そういうこと、ルールで決める問題ですか??
 こんな馬鹿げたことを真顔で言い出す連中ってのは、きっと単細胞で、幸薄い人生を送ってるんだろうね。 ルールで縛れば青少年が「正しい」方向に行くのだと真剣に思ってるとしたら、とんだお笑いぐさだ。
 こんな発想ができる御仁というのは、性を汚らわしいものと思ってるんだろう。それはつまり、 その人自身が汚らわしい行動をしているということの自己証明に他ならない。
 多分、10代の頃に、真剣に恋をし、破れ、そして、やっと成就するというような経験をしてないんだね。 そうとしか思えない。ご愁傷さま。でも、そんな狭い世界観で若者を縛ることは、決してよい方向に行かないばかりか、 事態はますますあなた方の思っている方向とは逆の方向に動きますよ。なんでそんなこともわからないのかねえ。
 こういう不純な発想をする幼稚な大人が、世の中をギスギスしたものにしてるんだ。 このままシンタロウ都政が続くと、そのうち、女性は結婚するまで性交渉をしてはならない、 なんて条例が作られかねないぞ。間違いないっ。
 バカな大人がのさばると、そのうち、前途洋々のティーンエージャーも、 独身女性も、みんな東京からいなくなってしまいますから・・残念!!
 東京とっきょきょきょきゃきょきゅ斬り!! (説明不要と思うが、ギター侍ね)

 さて、本日のワインは、12種15,750円セットの6本目。 なんと今年になって4回目の登場。いくら好きだといっても少々多すぎやしないかい? って感じだけれども、enotecaさんがセットに入れてくれてるので、買ってるだけ(ところで今、「おおすぎ」と 入力して変換したら、真っ先に「大杉」が出て来た。"ねらー"か? ATOK17は・・)。
 色は濃いめのイエロー。はじけるナッツの香りがまずあり、それを包み込むようにハチミツやミルク。 少々緑っぽくもあるので、レンゲ畑のようでもある(わかりにくいか、この表現)。
 決して弱くはない酸のアタックよりも、広がる生クリームのような甘味が勝る。ぽってりとして、豊潤。 でも、気品はある。飲み込んだ後には、カスタードの後味。
 単体での通常価格は、\2,079(本体価格1,980円+消費税99円)。もう飲み慣れたとはいえ、 安定した品質は信頼を裏切らない。これがあと500円安かったら何も言うことはないが、 この値段だと、あまり歓迎しない人もあるだろう。
<評定:C>

2004年9月25日  BLANC 
BOURGOGNE CHARDONNAY 2002 / HENRI MEURGEY
ブルゴーニュ シャルドネ / アンリ・ムルギィ
BOURGOGNE地方、AC:BOURGOGNE

Henri Meurgey Bourgogne 02  仙台対決の裏には何がある?

 プロ野球への新規参入を表明しているライブドアと楽天が、 ともに仙台を本拠とすると発表し、早くも場外対決の様相である。
 仙台を先に指名していたライブドアにしてみれば、なぜわざわざ同じ所に?と、解せない思いだろう。 場外ではなく試合で対決したいというホリエモンの発言は、よくわかる。
 楽天社長・三木谷氏のこの行動には、どうも裏があるように思えてならない。
 べつに私はライブドアびいきではないし、どちらが参入するにせよ、いいチームを作ってくれれば良いと思うだけだが、 その筋でもまことしやかに言われているように、楽天の行動は、ライブドアつぶしのように見える。
 ライバル企業を制したいという思いも楽天にはあるだろうが、三木谷氏を操っているのは、実はプロ野球界内部の勢力ではないか。
 既存球団のジイサン連中は、皆、ライブドア堀江氏に対して、生理的嫌悪感を持っている。 そこに表れた楽天。サッカーチームの経営という実績もあるし、何よりこちらの社長は、大げさなパフォーマンスよりも、 日本的根回しのできるヒト。どうせ参入を許さざるを得ないとするなら、ミキタニくんのほうがまし。 年寄りがそう考えるのは当然だろう。
「勝算がなければ名乗りを上げない」と言っている三木谷氏。どんな密約があるのかはわからないが、 あいかわらず密室で事が進んでいるとしたら、プロ野球界の改革は危ういと言わざるを得ない。
 とはいえ、頭の固い連中を丸め込むには、Tシャツ姿で破天荒な行動をするよりも、 まずは古いしきたりに従うふりをしたほうが効果的。そういう汚い手は、私は好きではないけれども、 やはり楽天のほうが上手(うわて)だということなのだろうか。
 もし、楽天が参入する結果となっても、くれぐれも旧弊に飲み込まれないようにお願いしたい。

 さて、本日登場は、セットものからしばし離れて、単品入手のACブル白。
 色は淡いイエローグリーン。普通のシャルドネ。しかし、香りを嗅いで、あれっと思う。 日陰の芝生のようなじめっとした香り。ナッツ香もあるが、弱い。オレンジ的柑橘香も、強くない。
 口に含んでみると、やっぱりおかしい。酸が鋭く、線が細い。なんとなく生臭い風味。
 入手価格は\2,625(本体価格2,500円+消費税125円)。enoteca大阪店にて。
 今年はなんだか、こういったものに当たる回数が多い気がする。9月だけでも、 既にこれが3本目(10日11日にもあった)。
 こんなところにも猛暑の影響が出ているのか?
 買ってきてすぐ冷蔵庫に入れて保管していたので、流通経路の問題だと思うのだが。
<評定不能>

2004年9月26日  ROUGE 
NORTON CABERNET SAUVIGNON BARREL SELECT 2002 / BODEGA NORTON
ノートン カベルネ・ソーヴィニヨン バレル・セレクト / ノートン
アルゼンチン、MENDOZA

Norton Cabernet 02  昨日の書き方は、甘かった。

 私もまだまだ甘いなあ、と自分を戒めて、仙台対決の話を引き続き。
 今日、TVを見ていたら、政治評論家の三宅久之氏が、相変わらずの典型的ジジイ発言をしていた。 ライブドアの堀江社長について、 「Tシャツで出てくるなんて、社会人としての基本がなってない。けしからん。 あんな会社の参入を認めるわけにはいかんでしょう」と。
 いくらナベツネ氏と旧知の仲であるからといって、あまりにも期待通りの態度には、私も笑ってしまった。
 楽天の出現が意味することは、球界の体質は全然変わっていなくて、頭の固いジジイ連中が描いたシナリオどおりに、 密室で事が進んでいるということ。さすがにファンの反対を押し切って1リーグ移行はできなかったが、 そんなところで引き下がるつもりはなく、新規参入させるにしても、自分たちのしきたりに従ってくる人間を入れてやろうと。
 ホリエはわけのわからん異星人だが、ミキタニは我々の顔も立てるし、仁義を知ってる。 ここはひとつ仙台に行ってもらって、ホリエを潰してもらおう。オレたちの言うとおりにすれば、 入れてやるぞ、ミキタニ君。色んな話を聞いていると、やはり真相はそんなところらしい (と、あくまでも噂の域を出ないけれども)。だとすれば、結論はもう決まっている。
 堀江氏の攻撃を淡々とかわし、多くを語らない三木谷氏を見ていると、まるで裏金をもらっている政治家に見える。 汚いぞ、その態度。
 まあ、三木谷氏のほうがジイサン連中よりきっと上手だろうから、参入を果たしたら豹変するかもしれない。 いやむしろそれを期待する。球界を引っかき回す風雲児になって欲しい。
 しかしながら、そんなやり方を、私は支持しない。もしこの噂話が本当だったならば、 私は楽天球団を応援しない。
 同じTV番組で、テリー伊藤氏が、「みんな視点が間違ってる。 どっちを参入させるかじゃなくて、実力のあるところは全部参入させて、競争させればいい」という発言をしていた。 まあ、そんな単純なわけにはいかないけれども、古い連中が参入を審査するとか、実は裏で話が進行しているとか、 そういった不透明さを一掃しない限り、球界は発展しないという意図ならば、大賛成である。

 本日のワインは、12種15,750円セットの7本目。アルゼンチンのカベルネ。
 色はグラスの向こうが見えないくらいに濃い紫。香りにも重みがあってスパイシー。 足も長く、粘着性がある。
 口の中でピリピリすると思ったら、なんとアルコール度数が14%。甘味も強く、タンニンも引っかかる。 でも、芯が通ってない感じで、へなへなっとした後味。
 素性は悪くないんだけど、のらりくらりした味わいで、なんとも評しがたい。
 単体での通常価格は、\1,575(本体価格1,500円+消費税75円)。この値段なら、まあ十分か。
<評定:C>
 


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