利酒日記 kikizakenikki

2005年10月


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2005年10月4日  ROUGE 
CHATEAU VRAI CAILLOU 2002 / BORDEAUX SPERIEUR
シャトー・ヴレ・カイユー / ボルドー・スペリュール
BORDEAUX地方、AC:BORDEAUX SUPERIEUR

Ch.Vrai Caillou 02  いくら無能と思われる政治家でも、政治に関係ない私生活を非難されるいわれはないはず。

 小泉自民党の大勝利後、タナボタ当選議員達に関する話題が、ワイドショーを賑わしている。
 特に目立っているのは、「給料2,500万円ですよ」「JRは全部ただ。しかもグリーン車。グリーン車なんて今まで乗ったことないですよ」 「昔からBMに乗るのが夢だった」・・など奔放な発言でお茶の間を楽しませてくれた最年少議員だが、 過去に婚約者を孕ませて中絶を強要したあげく冷たく捨てた、なんてゴシップまで週刊誌に書かれていた。
 事の真偽はともかく、また仮に事実だとして、事の善悪はともかく、 こういう政治とは関係ないことを面白おかしく書くのは、どうかと思う。
 政治家は、政治の世界で何をやるかがすべてなのであって、私生活と仕事の内容とは無関係なはずである。
 もちろん、政治家以前の問題として、不用意な発言を繰り返したことは、一社会人としては大いに問題があることは言うまでもない。 その点は非難されても仕方ない。であるからこそ、彼の政治家としての手腕を厳しく見ていこうではないか。
 私の個人的意見を述べれば、このような半人前の社会人に4年間で1億円以上の税金を使うということほど、無駄なことはない と思っているし、国民をなめるな、とも言いたくなる。投票したのは国民じゃないかと言うかもしれないが、 こんな未熟な連中を公認していることなど、十分に知らされていなかったではないか。つまり、自民党の責任は重大なのである。
 まあ、どっちみち、この最年少議員も、「政治と料理は似ている」とのたまって失笑を買った料理研究家も、 不倫騒動が報じられた金融界出身のキャリアウーマンも、 前回民主党で落ちたからといって自民党に鞍替えしてちゃっかり当選したオネエチャンも、 お付き合いで名簿に載せたら通っちゃった商店街のオヤジも、次の選挙では絶対に落選する。 だからといって、一時の戯れと思われても困るのだが、 せいぜい国会では破天荒な振る舞いをして、新風を巻き起こして欲しい。それ以外にあなた達の議員としての存在意義などないのだから。

 さて、本題。
 いつも利用させてもらっているWine Shop Enoteca大阪店で、阪神優勝記念お楽しみ袋(中身不明)が1本1,365円で売られていた。 中身に損はないというので、早速買ってみた。出てきたのは、このボルドーだ。
 色はかなり深く、グラスの向こうが見えないほど。香りは黒い果実と皮革のイメージ。トリュフのような土っぽい感じも。 落ち着いた印象で、かなり高級感漂う。
 タンニン分が豊かで、かなり引っかかる。ただ、パワーはそれほどないし、深みも感じられない。 その分、スルスルと入っていく。
 本来の価格はおそらく2,000円以上だろう。かなりお買得だったと思う。
<評定:C>



2005年10月7日  BLANC 
IL POGGIO PIGNOLETTO DELL'EMILIA (I.G.T.) FRIZZANTE
イル・ポッジオ ピニョレット・デッレミリア フリッツァンテ
イタリア、EMILIA-ROMAGNA州

Il Poggio Pignoletto Frizzante  私は、何度も何度も主張する。

 自民党がまとめている新憲法草案の前文に、「愛国心」が盛り込まれていることが明らかになった。
「国を愛する国民の努力によって国の独立を守る」との表現が入っているらしいが、 一言、 ふざけるな と、言っておきたい。
 昔は、レンジの広さが特徴だった自民党でも、小泉政権になってからというもの、右派、タカ派が我が世の春を謳歌している。
 愛なんてものは強要されるものでは断じてない。単純に「国を愛する」なんて言う人間が、 国という実態のないものを守って、その代わりに人命をないがしろにするのだ。何かを真剣に愛したことのない寂しい人間たちが、 偉そうにこういうことを言い出すのだ。
 ホントに、 戦後最悪の内閣 である。選挙に勝ったとたんに、 大手を振ってこういう行動に出るのは、まあ予想していたこととはいえ、 あからさますぎで、悲しくなってくる。
 この内閣が続く限り、弱者(=国民の8〜9割)は踏みつぶされ、愛という名の偏った横暴がまかり通り、いさかいばかりの世の中になる。 「改革するぞ、改革するぞ」という宗教に洗脳され、危険な方向に導いてしまったのは、 他の誰でもない若年無党派層である。愚民と言われても仕方ないだろう。本当に、今の状況は、待ったなしの緊急事態だと思う。
 憲法を改正する必要性など、髪の毛ほどもない。 こんな流れを絶対に阻止したいと思うから、私は何度でも、何度でも、強く主張してゆこうと決意する。

 さて、本題。
 今日のワインは、よく見ずに購入したため開けるまで「微発泡」とは気づかなかった。 エチケットには、Frizzanteと書いてあったが、それがガス圧の低い微発泡性ワインのことだとは、恥ずかしながら知らなかったのだ。 やっぱり、体系的に試験勉強とかしたわけじゃないから、こういう知識の穴ってのは随所にある。 まあ、それが素人の限界なのだが。
 それにしても、イタリアの微発泡性ワインってやつは、普通のコルクをしてあるから、ボトルを見ただけではそれとわからない。 しかも、結構コルクが抜きにくかったりする。フリッツァンテはともかく、 もっとガス圧の高いスプマンテでも普通のコルクの場合があり、どんなに頑張っても抜けずに、結局グズグズに崩してしまった経験だってある。 こういう、消費者のことをあまり考えずアバウトなところが、いかにもイタリアなのである。
 グラスに注ぐと、サイダーのようにジュワーっと音がして、細かな気泡が控えめに立ち上る。 色は微かなイエロー。
 香りは予想以上にしっかりしたハーブ香や、蜜のニュアンスがある。
 口に含むと、結構強い炭酸ガスが刺激する。 口中に、まるでシャンパーニュみたいな旨みが広がるが、凝縮感は今ひとつ。味がぼやっと広がってゆく感じ。 甘味がほとんどないので、軽やかに爽やかに飲み進められる。
 入手価格は\1,289(本体価格1,228円+消費税61円)。成城石井阪急三番街店にて。
 普段の食事で、手軽にスッキリした泡を飲みたいと思うときに、ぴったり。この値段にしては、 十分すぎる内容。
<評定:B>



2005年10月11日  ROUGE 
CHATEAU MALARTIC-LAGRAVIERE (GRAND CRU CLASSE) 1997 / PESSAC-LEOGNAN
シャトー・マラルティック・ラグラヴィエール(グラーヴ地区特級)/ ペサック・レオニャン
BORDEAUX地方、GRAVES地区、LEOGNAN村、AC:PESSAC-LEOGNAN

Ch.Malartic-Lagraviere 97  支持者を裏切った罪は重い。

 郵政民営化法案が、衆議院を通過した。前回とは打って変わって、約200票の大量差での可決だ。
 まあ、事の良否は置くとして、選挙後の与野党勢力図を踏まえれば当たり前の結果である。 小泉チルドレンたちが、いかに知識がなく無能であったとしても、とりあえず賛成票を投じるのは政党人として普通のことである。
 問題にしたいのは、前回反対票を投じたのに、簡単に寝返ってしまった造反議員のことである。
 ニュースでも多く取り上げられていたが、造反組のマドンナ・野田聖子氏が、 「完全に敗北」したことを認め、その上で「民意に従って」賛成することにしたという、その無定見な行動は、 自身の政治生命をも左右するくらいの暴挙であると思う。
 もしかすると、首相から、「賛成に回れば正式に復党させるよ」「次の入閣も考えるよ」とニンジンをぶら下げられたのかもしれない。 だとすれば、ますます汚い。
 首相サイドとしても、野田氏を許してもう一度大臣に起用すれば、懐の深さを演じることができるし、 更には次の首相候補へ、なんてサプライズを起こせば、ますます小泉サンの株は上がる。 安倍晋三氏との不協和音が最近ささやかれているのも、そんなサプライズへの布石だったりするのかもしれない。
 事情通の言うとおり、小泉サンという人間が徹頭徹尾冷血なら、自分の評判を上げる目的だけのため、 身近な人間を容赦なくバサバサ切ってゆき、思いもよらなかった劇を演じてみせるかもしれないのだ。
 それにしても、「選挙で民意が示されたから、それに従うのが政治家の務め」 なんて言い草は、自ら政治家としての存在意義を否定するに等しい行為であり、 詭弁に過ぎない。仮に自民党での存在意義を再び示すことができたとしても、 支持者を裏切った罪は重いことを、野田氏は知るべきである。

 さて、今日のワインは、ハーフボトル。グラーヴ地区の格付ものである。
 色はやや青っぽいが深い。足が長く、粘着性がある。 香りは甘草、墨汁、樽のバニラなど、とても大柄な印象。スワリングすると、コーヒーのような焦げ臭も。
 味は甘味を感じるほどふくよかで、凝縮感があり、タンニンはうまい具合にこなれている。 おそらくちょうど飲み頃なのであろう。今ひとつパワーを感じないのは、やはりこのクラスの限界なのだろうか。
 成城石井阪急三番街店にて、入手価格は\1,669(本体価格1,590円+消費税79円)。フルボトル換算で、3,300円程度だ。
 確かに奥深さは今ひとつだが、この値段でこれだけ雄大さを見せてくれれば、まったく不足はない。お見事。
<評定:B>



2005年10月12日  BLANC 
MONTES SAUVIGNON BLANC RESERVE 2004 / MONTES S.A.
モンテス ソーヴィニヨン・ブラン リザーヴ / モンテス
チリ、DO:CASABLANCA VALLEY

Montes Sauvignon Blanc Reserve 04  毎日、毎日、耳にするニュースが、こんなにおぞましいなんて。

 最近の世の中の不気味さを語り出したら、次から次へと、止めどもなく語るべき事柄が出てくる。 そのくらい、今、この国はおかしい。病みきっていると言っていい。
 鳥取県で、人権救済条例が成立した。国の人権擁護法案を踏み台にして、それ以上におかしな事になっている。 そもそも地方自治体が、国に先んじてこんな勇み足をすることに、何の意義がある?
 政府のやっていることでも、例えば、介護福祉制度では、要介護者の自己負担は増えているし、 障がい者にも「自立」という名の下、金がないなら死ね、と言わんばかりの仕打ちを国は企てている。
 サラリーマン増税の件もそうだが、物言わぬ弱者から金をかすめ取って、反対に高収益の企業や高額所得者のごきげんだけはしっかり取って、 見かけ上の景気を良くしようと躍起になっている。

 例えば、消費税増税YESかNOかみたいな目くらましをする一方で、 所得税の課税最低限を引き下げる(=これまで非課税だった低所得者からも徴税するようにする)とか、 反対に、最高税率は低いままに据え置く(=高額所得者には増税しない)とか、 法人税率も現状維持(=企業には増税しない)とか、とにかく強者を優遇し、弱者を痛めつけるという一貫した方針である。

 まさに、自民党をぶっ壊しただけでは飽きたらず、 日本をぶっ壊そうとしているのが、今の政府の実態だ。 この恐ろしい現実こそが、「官から民へ」「小さな政府」というスローガンの実相なのだ。無駄遣いをやめるということと、 弱者の切り捨てとは、本来まったく違うことであるはずなのに、弱いものいじめをすることによって、 無駄をカットしたように演じているのが、今の政治のやり口なのだ。
 こんな実態を理解しない愚民が、コイズミ党を勝たせたのだ。その罪の深さは、計り知れない。自らの首を絞めるだけだという事実にも気づかずに。 嗚呼、なんとおぞましい世の中なのか。こんな世の中で、本当にいいんですか?そこのアナタ。

 さて、気を取り直して本題。
 Wine Shop ENOTECAから購入した11本18,900円セットの9本目は、おなじみモンテスのソーヴィニヨン。
 色は涼しげなイエローグリーン。香りは、どこからどう見ても、これはソーヴィニヨンに間違いありませんという香り。 まるで夏の草原みたいに、むせかえるような緑の香りだ。そこがまた直球勝負でいい感じ。
 味わいは、まったり、ねっとりしているかのような充実度。ソーヴィニヨンにしては甘味がはっきりとあるのだが、 かといって冗長なわけでもなく、酸味やら苦味もきちっと感じる。 甘いニュアンスを伴うハーブ香が、最後はふわーんと消えてゆく。
 単体での通常価格は、\1,470(本体価格1,400円+消費税70円)。この価格で、これ以上何を望もう、 というレベルの出来映え。明らかにボルドーの上質なソーヴィニヨンとは別物だが、 ニューワールドらしく陽気な味わいのわりに、基本もきちっと押さえている。ツボを心得ているワインと言えよう。
<評定:A>



2005年10月14日  ROUGE 
CHATEAU DE PEZ (CRU BOURGEOIS EXCEPTIONNELS) 2002 / SAINT-ESTEPHE
シャトー・ド・ペズ(クリュ・ブルジョワ・エクセプショネル)/ サンテステフ
BORDEAUX地方、HAUT-MEDOC(ST-ESTEPHE)地区、AC:ST-ESTEPHE

Ch.de Pez 02  買収に敵対的もくそもないだろう。

 阪神ファンとしては、本当は話題にしたくなかった。今は、日本シリーズに向かって皆が気持ちを高める時期。 応援に専念するのが、我らの務め。
 村上ファンドの阪神電鉄株大量取得に続き、今度は楽天によるTBS株の取得。しかも、また村上氏も参戦。 マスコミを大いに賑わしているとあっては、私もひとこと言っておこう。
 まず、会社の支配が目的であろうが、単に儲けたいだけであろうが、株式が上場されている以上、 誰がどこの株を大量取得しようが、まったく自由であるという点を確認しておこう。 だから、「買い占められたくなかったら、上場するな」という言い分は、まったく正しい。
 株式上場の大きな目的は、資金調達にあるわけだから、TBSのように既に巨大ブランド化している企業が上場を維持し、 しかも割安な株価のまま放置されていたことに、大きな問題があった。そこに目をつけられるのは当然だ。
 阪神電鉄の場合も事情は同じだが、親会社である阪神電鉄を通じて、子会社の球団をどうにかしようということになると、 話が違ってくる。球団そのものを上場することには、私は反対である。だいたい、従来からのファンと、 株を買ったからファンを始めたという連中とは、まったく違うだろう。
 選手獲得の際の裏金の問題など、プロ野球には不透明な部分があるから、 上場して市場の論理に任せた方がいいという類の発言は、 いかにも市場原理主義者の言い草である。郵便局窓口の接客態度が悪いから、民営化してサービス向上を図った方がいいという発言と、 同じレベルである。
 そもそも金の流れをきれいにしなければいけないことや、接客態度を向上すべきことは、 組織形態を変えようが変えまいが、今すぐ対応すべきことである。仕事を取るために賄賂を渡す企業人がいるように、 接客態度のものすごく悪いスーパーの店員がいるように、それらは「市場の論理」に任せればそれで解決するような問題ではない。 収益を向上すべきことも、上場企業であろうとなかろうと、同じことである。
 結局、株を売買している彼らのやっていることは、どんなにきれいごとを言おうが、金儲け以外にないのである。 買収に敵対的もくそもない。そもそも友好的な買収なんてありえないんだから。
 上場されている株を買い占めるのは自由だ。だが、数十年かけて培われてきた技術やノウハウを、 金の力だけで我がモノにしようという行為は、真っ当な経済行為であるとしても、私はまったく好きになれない。 というか、バカにするなと言いたい。
 プロ野球団などは、本来、上場企業とはまったく隔離された場所に置くべきであろう。 公共財というのなら、例えば財団法人のような形態にすべきではなかっただろうか。 そうすれば、「支配されたくなければ上場するな」などと、市場原理主義者たちに言われなくて済む。

 さて、本題へ行こう。
 Wine Shop ENOTECAから購入した11本18,900円セットの10本目は、ブルジョワ級でも最上のものの一つ。
 色は深いガーネットで、深紅に輝くと言ってもいいような、美しさ。 果実がぎゅっと凝縮したような深い香り。バニラ香あり、焦げ臭あり。まだ若いのに、土のようなニュアンスもあり、落ち着き払っている。
 タンニンは十分こなれているが、つぼみの中に色んな要素が詰め込まれているかのようで、 これが開花したらもっともっと妖艶さを見せてくれるんだろうな、と思わせる。既にしてなめらかで、 だからといって軽いとか薄いということでは決してない。
 単体での通常価格は\3,990(本体価格3,800円+消費税190円)。値段もそこそこ立派だが、 それに不足のない実力。こういうワインに出会うと、素直にうれしくなる。 これでもっと力があったら言うことはないが、 そうなると倍近い金額の出費が必要となるだろう。
<評定:B>



2005年10月15日  BLANC 
GRAVES BARONNE CHARLOTTE 2003 / BARON PHILIPPE DE ROTHSCHILD S.A.
グラーヴ バロンヌ・シャルロット / バロン・フィリップ・ド・ロートシルト
BORDEAUX地方、GRAVES地区、AC:GRAVES

Graves Baronne Charlotte 03  たかが一つの法案よりも、その裏に潜むもっと重大なこと。

 郵政民営化法がすんなりと衆参両院を通過し、成立した。たかが一つの法案が通ったことについては、 もうそれ以上何も言うことはない。問題は、この一つの法案をめぐって、この国の「今」が顕著に露呈したことだ。
「郵政民営化は改革の本丸」という意味のないスローガンを作り、 単なる一つの法案に賛成か反対かで、改革派か守旧派かのレッテルを貼り付けるという、 恐ろしく単細胞な戦術を使った首相も首相なら、そんな低脳な戦術にまんまとはめられ、 一時は「信念を通す」として反対したのにもかかわらず、選挙で自民が圧勝したとたん「民意が示された」 などという詭弁を使って簡単に寝返った造反議員たちも、同じ穴のムジナである。 こういう二元論を振りかざす輩こそ、バカの典型だからだ。
 そして、一番危ないのは、こんな茶番劇にうっとりとしてしまい、簡単に「感染」して、 「民営化病」にかかり、熱に浮かされたままコイズミ党に投票してしまった多くの国民である。
 こういうふうに、国民がモノを考えなくなったとき、 国はどんどん独善的・他罰的な方向へ行く。 「伝統・文化を大切に」とか「国の誇り」なんてスローガンが語られているのがその証拠。
 誰よりも権力志向で、弱肉強食、男尊女卑思想の強い首相が、風貌だけは穏健的、フェミニスト的だというのも、 始末が悪い。例えば「ジェンダーフリー」を躍起になって撲滅しようとしている姿を見れば、 今の自民党の正体が分かるというもの。
 真の平等と平和を愛する女性の皆さん、そして男性の皆さんも、そろそろ自民党の仮面の下のホントの顔に、 気づくべきですよ。後で泣いても知らないよ。

 さて、本題。
 今日のワインは、Baron Phillippe が出しているネゴシアンもの。
 しっかりした麦わら色。香りは、蜜のニュアンスをたたえた森林のそよ風といった感じ。 ふくよかで甘そうであると同時に、むせかえるようなグリーンの匂い+ 桐箪笥(きりたんす)のひきだしの匂い。
 味は、ハチミツの甘さと、それを支えるミネラル分。そして、最初から最後まで、緑の葉のような風味が。 まるで芝生を口に含んでしまったかのような後味。
 Wine Shop ENOTECA大阪店にて、これはセットものではなく単品で入手した。入手価格\2,940(本体価格2,800円+消費税140円)。
 買う際に、店員さんに「これ、どんなワインですか?」と尋ねたところ、「ものすごく香りにくせがあるので、 好みが分かれると思います」といった説明をされた。私が想像したのは、 グラーヴだからすっごく緑臭いんだろうなということ。ほぼ、想像どおりだった。
 これだけソーヴィニヨンらしさがきっちりと出て、個性的な内容だから、とても面白いワインだと言えるけれど、 約3,000円に値するか?というと、ちょっと、足りないかな。
 ところで写真は、冷蔵庫から出して常温にしばらく置いておいたため、エチケットが濡れておりマス。
<評定:D>



2005年10月19日  ROUGE 
CHATEAU LALANDE BORIE 2001 / SAINT-JULIEN
シャトー・ラランド・ボリー / サン・ジュリアン
BORDEAUX地方、HAUT-MEDOC地区、ST-JULIEN村、AC:ST-JULIEN

Ch.Lalande Borie 01  これは生きる姿勢の違いだな。

 17日、首相が靖国神社に参拝した。
 首相就任以来毎年参拝しているのだが、今年も公約の8月15日ではなかった。 しかも今回は本殿ではなく、 一般の参拝客と同じく拝殿で賽銭を投じる形式を取った。裁判所での相次ぐ違憲判決に配慮したためと言われているが、 そのために、今回は、参拝賛成派からも不満が出ているみたいだ。
 世論調査では、首相の靖国参拝賛成と反対が、ほぼ真っ二つ。まあ、それが健全な姿なのだと思うが、 相変わらず気になったのは、賛成派の言い分である。
 首相本人も語っていたが、「心の問題に対して他人からとやかく言って欲しくない」という理由を挙げる人が実に多い。 TVでは、新人議員に対するインタビューも行っていたが、 大阪2区から当選した、ピンクの鹿のマスコットでおなじみ川条しか議員も、 「国内の問題に対して中国や韓国がとやかく言うのは、内政干渉ですっ!」と、 独特の甘い声で語っていた。そんなむずかしい言葉、よく勉強したねー。おねえちゃん。って言ってあげたい。
 街頭インタビューでは、「私は東京裁判そのものを認めていませんからA級戦犯など存在しません。だから何も問題ありません」 と勇ましくお答えの男性がいた。認めるも認めないも、あんたその当時まだ生まれてないだろ!とツッコミたくなったが、 こういう明確な意見をお持ちの御仁はまだいい。
 私が最も嫌いなのは、「心の問題に干渉するな」とか、「むこうも外交戦術で攻撃してきてるんだから、 それに屈する必要などない」ということをしたり顔で語る連中だ。
 そういう連中にとっては、私など「反日分子」あるいは「売国奴」なんだろうが、 そういう駆け引きみたいなことを、人間関係の中で言い出す輩と、私の価値観とはまったく相容れない。 たとえそれが客観的に見て不合理なことだとしても、 相手が嫌がっている以上、その気持ちを真摯に受け止め、 一緒に解決を図ろうという努力を、私ならする。 やられたらやり返す式の思想を持つ人間は、私は大嫌いなのだ。
 なぜ、相手の気持ちを素直に聞き、話し合って問題解決しようとしないのだろう。 「一国のリーダーとして参拝は当然」と言い放ったシンゾーさん見てると、本当にむかつくんですけど・・。

 さて、本題。
 Wine Shop ENOTECA店頭で購入する際、「これはサン・ジュリアンらしいですか?」 (ポイヤックほどでないにせよ、ある程度力強さを持っているかとの意)と問う私に、 「いえ、これはかなり優しいタイプです」と、真面目に答えてくれた店員さん。 その言葉通りの内容だった。
 色はやや淡く、エッジはまだピンク色。香りはなかなかどうして、皮革のようなどっしり感がある。 樽香は強くない。
 飲むと「あれっ」と一瞬思うくらい、酸が立って、軽やか。もちろんピノのような感じではないが、 タンニンも優しいし、引っかかりなく、すいすい飲める。でも、最初に感じた重さというか、 中身の充実感はあり、決してスカスカなワインではない。
 入手価格\3,129(本体価格2,980円+消費税149円)。面白いタイプだし、ほぼ及第点だが、 あと500円くらい安いとうれしい。
<評定:C−>



2005年10月22日  SPARKLING 
ROEDERER ESTATE BRUT / ANDERSON VALLEY
ロデレール・エステート ブリュット / アンダーソン・ヴァレー
アメリカ、CALIFORNIA州

Roederer Estate Brut  首相の人柄が出た発言。

 自民党党紀委員会が、新党組9名の離党届を受理せず、除名処分とした。
 郵政民営化法案に反対票を投じ、新党を結成して選挙で自民党と対決したのだから、 処分自体は当然だと思うのだが、これに関する小泉首相の言い分に、腹が立った。
「複雑だ。特に綿貫さんとは仲が良かった。こんなことになるとは思っていなかった」 「仲の良い兄弟でも戦わなければならない場面が戦国時代からよくあった。政治というのは仲の良い悪いだけではない」 などと発言した。
 だいたいこんな事態を招いたのは、首相自身だろう。自分の掲げた政策にこだわることは、 政治家として悪いことではないけれども、その独裁的なやり方には、末恐ろしいものを感じる。 今さら複雑な心境もくそもない。
 ホントに誠実な人ならば、「自分の方針に反旗を翻したのだから、処分は当然だ」とでも言うと思うのだが、 この人はいつもこうやって、妙に人情のあるような猿芝居をして、無知な国民の好感を誘うことに余念がない。 その意地汚さに、私は虫酸が走る思いだ。
 こういう非情な首相が居座っている間は、この国はどんどん非情になり、犯罪は増え、 警察や自衛隊の権力増強が図られる。そして、改憲へと巧妙に導かれる。 それこそが、今の自民党の真の狙いなのだ。このしくみに気づかないほど国民が愚かならば、もう 軍国化への流れは止められないだろう。

 それでは今日の本題。
 Wine Shop ENOTECAから11本セットで購入した最後の1本は、カリフォルニアのスパークリング。 このロデレール・エステートは、 言うまでもなく、あのルイ・ロデレールがカリフォルニアに作ったワイナリーだ。
 まず、泡のきめ細かさ、美しさに目を奪われる。色はかなりしっかりめ。 フレッシュな柑橘香+しっかりとしたハーブ香。蜜のような甘いニュアンスも。
 口に含めば、発泡のピリピリ感に負けないキリッとした酸。その酸にさらに負けない深い旨み。 飲めば飲むほどじんわりした味わい深さに魅了される。どんどん飲み進めて、簡単に1本が空いてしまいそう。
 単体での通常価格は\3,360(本体価格3,200円+消費税160円)。 この価格で、下手なシャンパーニュよりもよっぽど充実感のある味わいは、見事と言うほかない。 期待も小さくはなかったが、その期待をさらに大きく上回る実力に脱帽。
<評定:A+>



2005年10月23日  ROUGE 
PAUILLAC DE PICHON LALANDE 2000 / PAUILLAC
ポイヤック・ド・ピション・ラランド / ポイヤック
BORDEAUX地方、HAUT-MEDOC地区、PAUILLAC村、AC:PAILLAC

Pauillac de Pichon Lalande 00  マスコミさん、いっそのこと無視したら。

 小泉首相が靖国に参拝した10月17日は、秋の例大祭初日にあたる。その次の日、超党派で作る「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」 の園児たちが、ぞろぞろと遠足に出かけた。
 思うんだが、マスコミが毎年取り上げるからいけないんであって、 いっそのことどこのメディアも完全に無視すればいい(まあ、読売や産経はやっぱり勝ち誇って報道するだろうが) 。
 もし報道されなかったとして、それでも、果たして彼らは毎年参拝するだろうか。 それほど信心深い人たちなのだろうか。たぶん、メンバーの内、相当数は、バカらしくてやめるんじゃないか。
 彼らは、マスコミが大々的に報道することを利用しているだけなのだ。アジア諸国に対して「どうだ」という誇示、 国民に対するナショナリズムの顕示。それが目的なことは明白。
 国のために命を捧げた方々に感謝の誠を捧げるなんて、格好いいこと言ってるけど、 死んだのは戦地に赴いた人たちだけじゃない。女性も子供もたくさん犠牲になったのだ。 そういったすべての人たちに報いるためには、神社くんだりにお参りに行くような安っぽいパフォーマンス でいいはずがない。それで過去を清算できるわけでは決してない。
 今を生きる隣国の人たちの反感や誤解を解くことさえできずに、何が不戦の誓いか。 人の神経を逆撫でして、何が平和の祈願か。人とのいさかいを納めることもできないような人たちに、 平和を語って欲しくない。

 さて、今日のワインは、Wine Shop ENOTECA大阪店でみつけ、あれ?こんなの出てたかな?と思い、 即購入したもの。「これ、サードですか?」と尋ねたら、「一応サード的位置づけみたいですが、サードワインとは言っていません」 とのこと。
 一応分からない方のために説明しておくと、このワインの親分(ファースト)は、 シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド。 セカンドは、レゼルヴ・ド・ラ・コンテス。ここまでは非常におなじみなのだが、 今回のワインは、私は初めて見た。最近リリースされたものらしいのだ。
 さて、中身。
 色はたいへん深く、グラスの向こう側は見えない。縁は若干青みがかったピンク色。 香りは、閉じているのかな?と一瞬思わせるほどおとなしい。カシス的黒い果実香が中心。派手さはないが、気品に満ちている。
 アタックはヴェルヴェットのように、やさしい。酸が丸く、タンニンは引っかからない。プルーンやカシスの控えめな果実味。 ほんのりとした甘味を感じる。アフターも非常に柔らかで、余韻はそれほど長くない。
 なんと言ってもあのピション・ラランドの末の弟分、2000年ヴィンテージということで、 まだ熟成するのかな?と思っていたが、要らぬ心配だった。最初からあんまりパワーのあるワインではないようだ。
 入手価格は\3,990(本体価格3,800円+消費税190円)。
 確かに血筋の良さみたいなものを感じるし、飲んでおいしいことは間違いないけれど、 この値段はどうか。もし、ピション・ラランドというブランド代が入っているとしたら、 そこまでしてサードワインを飲む必然性ってのに、若干疑問がある。 シビアに言えば、2,800円くらいが妥当じゃないだろうか。
<評定:D>



2005年10月27日  BLANC 
CHATEAU MERCIAN 甲州 Gris de Gris 2004 / メルシャン勝沼ワイナリー
シャトー・メルシャン 甲州 グリ・ド・グリ
山梨県東山梨郡勝沼町

Ch.Mercian 甲州グリ・ド・グリ 04  おめでとう千葉ロッテマリーンズ。

 プロ野球日本シリーズは、千葉ロッテが圧倒的な勢いをもって、4連勝で幕を閉じた。
 タイガースファンの私としては、もちろん悔しくてたまらないが、終わったことは次への糧として、 今は素直に覇者を讃えたいと思う。
 ロッテのバレンタイン監督は、かなり早くから阪神との頂上決戦を想定して、徹底的に阪神というチームを調べ上げていたらしい。 特に、主砲金本をいかに抑えるか、かなりの研究をしていたと聞く。
 短期決戦では、周到な用意と、その時に応じた柔軟な対応の両方が必要になるわけだが、そういった対応を、 したたかに実行した監督の勝利であろう。対して、わが岡田監督は、シーズン中の勝ちパターンに執拗にこだわるばかりで、 チームが勢いに乗るきっかけをつかむことができなかった。今回こそ、明確な宿題を残したと言える。
 ロッテは、今江選手の大活躍を見てもわかるように、選手が実にのびのびと野球をしていた。 気負いなく楽しむ選手たちが、自然体でつかみ取った勝利だと思う。こんなに破壊力のある素晴らしいチームなら、 もちろん来年も期待できる。タイガースも負けてはいられない。
 我々タイガースファンとしては、負けたことも来年につなげてくれればいいのだけれど、 セ・リーグの他の5球団からすれば、日本シリーズでこんなにふがいない戦い方しかできなかったチームにリーグ優勝を譲ったのか! と感じることだろう。タイガースナインは、ドラゴンズ、ベイスターズ、スワローズ、ジャイアンツ、カープの選手とファンの方々に対して、 謝らなければならないだろう。

 さて、今日の本題。
 久々に日本のワイン。しかも日本の固有種である甲州だ。
 色はかなりオレンジがかった淡い黄金色で、琥珀に近い。クリアタイプのりんごジュースに外観が似ているから、 香りもなんとなくそんな感じがなくはないが、どちらかといえば白桃とかオレンジみたいな香りが強い。 トカイワインをものすごく薄くしたような、どこか梅酒に似たフレーバーも感じる。若いのに不思議な熟成感や、 ひねた感じがある。
 りんごや梅に似た酸があり、口の中に適度な甘味が広がる。時間と共に、ムスクのフレーバーが出てくる。 後味に少しシェリーっぽい感じがある。
 入手価格は\2,415(本体価格2,300円+消費税115円)。 ネットで飛騨の酒屋いまいというお店から購入。 愛知や岐阜の地ビールを探していて見つけた店だ。
 ところでgrisという仏語は、英語のgray(灰色)。甲州種の果皮がやや灰色がかっていることからのネーミングであろう。 Gris de Grisとはつまり「灰色の灰色」だが、これはもちろん、シャンパーニュなどのBlanc de Blanc(白の白=白ぶどうだけでで造った白ワイン) を意識したものだと思う。甲州種で造った白ワインなら、Blanc de Grisじゃないかと、ツッコミを入れたくもなるが、 このワインの色調も、確かに甲州種の果皮みたいに、少しくすんだ感じの色だから、まあヨシとしましょう。
<評定:C−>



2005年10月29日  BLANC 
CHATEAU MERCIAN 長野 CHARDONNAY 2004 / メルシャン勝沼ワイナリー
シャトー・メルシャン 長野 シャルドネ
山梨県東山梨郡勝沼町(ぶどう産地:長野県須坂市、豊野町、高山村)

Ch.Mercian 長野シャルドネ 04  マイルドな表現にだまされてはいけない。

 自民党新憲法草案が発表された。
 私は改憲そのものに反対だから、このような動きは「滑稽至極」と切り捨てたいところだが、 少しでも多くの人にこの改憲案の危険さを知ってもらうために、特に問題の多い部分を指摘しておこう。

前文:『日本国民は、帰属する国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務を共有し・・』
 国や社会という「集団」を支え守ることが「責務」だとする思想は、集団を守るためなら時に個人の人権が踏みにじられる 危険をはらむ。個人の自由より統制が重んじられる世の中など、もってのほかだ。

第9条の2(自衛軍)第1項:『我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため・・自衛軍を保持する』
 まず、戦力不保持を定めた現行憲法9条2項を削除し、「自衛軍」という「戦力」保持を明記している。 しばしば「自衛隊は既に軍隊で、実態に合わせたほうがいい」と説明されるが、なぜ「軍」にそこまでこだわるのかといえば、 海外で武力行使をぜひしたいと、自民党議員たちが思っているからにほかならない。こんなこと、絶対に許してはならない。

第20条(信教の自由)第3項:『国及び地方公共団体は、社会的儀礼又は習俗的行為の範囲を超える宗教教育その他の宗教的活動であって、 宗教的意義を有し、特定の宗教に対する援助、助長若しくは促進又は圧迫若しくは干渉となるようなものを行ってはならない。』
 現行憲法では「いかなる宗教的活動もしてはならない」となっているのを、「社会的儀礼又は習俗的行為の範囲を超える」という条件を付けることにより、 政教分離の原則を実質上緩めようとしている。言うまでもなく「靖国参拝」が念頭にあり、アジア諸国の反発を跳ね飛ばそうとする意図がミエミエである。 平和を阻害することは明らかであり、許し難い。

第76条(裁判所と司法権)第3項:『軍事に関する裁判を行うため、法律の定めるところにより、下級裁判所として、 軍事裁判所を設置する。』
 ひそかにこんな条文が新設されているところを見ても、軍国化を進めたい自民党の意図が明らかである。こういう所を見逃してはならない。

第96条(改正)第1項:『この憲法の改正は、衆議院又は参議院の議員の発議に基づき、各議院の総議員の過半数の賛成で国会が議決し・・』
 この草案の最大の問題点は、実はここにある。現行憲法で「総議員の3分の2以上の賛成」が必要とされているのを、 「過半数=2分の1以上」に緩和するということだ。憲法を改正しやすくするとは、すなわち、一旦マイルドな憲法にしておいて、 頃合いを見て本音(もっと統制色の強いものに変える)を実行したいという魂胆だ。
 しきりに議論に上っていた「国を愛する」という表現を取り下げたり、9条1項をあえて残したのも、 国民を巧妙に煙に巻いて「とにかく憲法を変えてしまいたい」という意図である。変えてしまえば、今度は「過半数要件」によって 簡単に再改正できる。そういう長期謀略である。
「現行の3分の2要件は、むしろ国民主権が阻害される」などという学者がいるが、そんなセリフにだまされてはいけない。 憲法を改正しやすくすれば、権力が暴走し、個人が犠牲になる。容易に改正できない憲法であることが、権力の暴走を許さない ために絶対に必要である。

 憲法改正の動きと歩調を合わせ、「国民保護計画」と称した「銃後の守り」を固めるよう画策するあたりは、 明らかに戦時下体制に持ってゆきたい意図である。
 もっと恐ろしいのは、 犯罪を実行しなくとも「相談」や「共謀」しただけで罪となる「共謀罪」を新設しようという動きだ。 これは治安維持法と同様の恐ろしさを持つ。 国家権力の意向に反する行為は「犯罪」とされ、密告が日常化し、例えば私のような発言をする者は、 簡単にしょっ引かれてしまう。こんな暴挙、絶対に許してはなるまい。
 例を挙げ出すとキリがないが、こんなふうに既に権力は暴走し始めているのである。 「改革」という空虚な目くらましに愚かなまでに欺されコイズミ党を勝たせた無党派層の罪は、極めて重いと申し上げておく。

 さて、本題へ。
 今日のワインは、国産のシャルドネ。
 色は淡い麦わら。香りがかなりオイリーな雰囲気であることに驚く。それとともに、少し緑っぽい柑橘香もきっちりある。
 口中で生き生きした酸が跳ねるよう。しかもしっかりとミネラル分を感じる。桃のような甘さも。 ただ、香りの印象に比べるとスリム。そこが国産らしい特徴ではあるが。
 入手価格は\2,625(本体価格2,500円+消費税125円)。 ネットで飛騨の酒屋いまいから購入。
 正直言ってこのクラスの国産シャルドネが、ここまで複雑さを持ち、なおかつエレガントなスタイルに仕上がっているとは思っていなかった。脱帽である。
<評定:A>



評 価 基 準
A=特質すべき個性。価格に比し、極めて優れたクオリティ。
B=非凡な特徴があり、価格を上回るクオリティ。
C=概ね価格に見合ったクオリティ。
D=凡庸で特徴に欠ける。価格に比し、やや劣る。
E=価格に比し、著しく劣るクオリティ。
 なお、各ランクよりやや上回るものに+、やや下回るものに−を付けている。例えばC+とは、 若干価格を上回るクオリティを表す。また、通常の評価枠を超えた素晴らしいものにはAAランクを付与している。


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