利酒日記 kikizakenikki

2006年3月


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2006年3月1日 ROUGE 
CHATEAU LES BOUYSSES / CAHORS
シャトー・レ・ブイス / カオール
VINTAGE: 2000
Ch. les Bouysses 00 FRANCE
フランス
地方: SUD OUEST
南西地方
地区: CAHORS
カオール
AOC: CAHORS
カオール
生産者: CH. LES BOUYSSES 輸入者: −
review
 今日のワインはいただきもの。

 色はこのAOCらしく、かなり深い。しかしエッジは薄紫というかピンク。
 黒い果実の香りの上に、黒コショウが振りかけられている感じ。くっきり、はっきり、スパイシーだが、 はなやかに香り立つタイプではない。
 味は果実味が豊かで、ガシッとしたタンニンが口中全体を締める。 しかし決して粗野なのではなく、エレガントなコクを感じる。
 値段は不明だが、AOCからして2,000円台くらいだろう。それを前提にすると、 相当いい線いっている。
評定: B 価格 購入店: いただきもの
2006年3月4日 BLANC 
POUILLY-FUME / DOMAINE PAUL CORNEAU
プイィ・フュメ / ドメーヌ・パウル・コルノー
VINTAGE: 2004
Paul Corneau Ppuilly-Fume 04 FRANCE
フランス
地方: VAL DE LOIRE
ロワール
地区: CENTRE
中央
AOC: POUILLY-FUME
プイィ・フュメ
生産者: DOM. PAUL CORNEAU 輸入者: (株)アンフィニー
review
 私がまだWINEをよく知らない頃(じゃあ今はよく知ってるのか?とツッこまないように)、 一度飲んでとても記憶に残り、のめり込むきっかけとなったAOCである。 ちょっと地味だが。

 色は淡いイエローグリーン。クリームや白い花の香りがあり、可憐でありながら適度なふくらみを持つ。 グラスを回すとソーヴィニヨンらしいハーブ香が際立ち、春の草原のよう。
 味は酸のアタックがしっかりしているのに、蜜の甘さがある。では、ふくよかなタイプなのかといえば、 無理に力の入ったところは全然なく、楚々として可憐な味わい。あくまでも自然で、透きとおっている。
 当日記では時々WINEを女性に喩えて表現するが、こういう素晴らしいWINEに出会ったときは、 明確なイメージが沸く。
 身長165cmくらいで背筋がピンと伸び、スタイルが良く、力強い瞳には明確な意志を感じ、 仕事はバリバリこなすのに、髪を振り乱すイメージではなく、エレガントな気品を備えている。
 あの、決して私の好みを書いているんじゃなくて、あくまでもこのWINEのイメージですからね。
 それにしても素晴らしいWINE。2,000円台でこの内容は、絶賛の一言。4,000円払ってもいい。
 シャルドネ好きには、「何これ、水っぽいじゃん」なんて言われかねないけど、ソーヴィニヨン好きには きっとご賛同いただけるに違いない。私は両方好きだけどね。
評定: AA 価格 2,688円(本体価格2,560円+消費税128円) 購入店: 阪神百貨店本店(大阪市北区)
2006年3月5日 ROUGE 
CHATEAU CAMENSAC (GRAND CRU CLASSE) / HAUT-MEDOC
シャトー・カマンサック(グラン・クリュ・クラッセ/第5級)/ オー・メドック
VINTAGE: 1998
Ch.Camensac 98 FRANCE
フランス
地方: BORDEAUX
ボルドー
地区: HAUT-MEDOC
オー・メドック
AOC: HAUT-MEDOC
オー・メドック
生産者: CH. CAMENSAC 輸入者: サントリー(株)
review
 このワイン、昨年夏、"ラベル不良"を理由に安売りされていたもの。 その時3本購入し、1本はすぐに飲み、1本はセラーに保管し、もう1本は部屋で常温保管。 これはセラーに保管していたもの。ホントはもうちょっと置いて変化を見ようと思っていたのだが、 他に手軽に飲める在庫がなかったので、今日開けた。そもそもそんなに熟成の期待できるワインでもないし。

 色は赤黒といった感じ。香りは黒い果実、土、炭。
 軽やかな味わいで甘味がほんのりあるが、タンニン分は少々引っかかる。余韻はほどほど。
 思った通り、前回飲んだときと変わっていない。入手価格からすれば上出来だが、 本来はもうちょっと高いはずなので、ややもの足りない内容。
評定: C- 価格 2,079円(本体価格1,980円+消費税98円) 購入店: e-shopping wine(ネット)
2006年3月9日 ROUGE 
LE HAUT-MEDOC DE GISCOURS / HAUT-MEDOC
ル・オー・メドック・ド・ジスクール / オー・メドック
VINTAGE: 1998
Le Haut-Medoc de Giscours 98 FRANCE
フランス
地方: BORDEAUX
ボルドー
地区: HAUT-MEDOC
オー・メドック
AOC: HAUT-MEDOC
オー・メドック
生産者: CH. GISCOURS 輸入者: エノテカ(株)
review
 Ch.ジスクールというのは3級格付けとしては必ずしも評価が高くないが、 サード的位置づけのこのワイン(造り手は、サードワインとは言っていないようだ)は、 最近すこぶる評価が高い。私はこれまで何度か飲んでいるが、今回も2,000円という値段で見つけて、即買いした。

 色はちょうどいい感じのガーネット色で、光にかざすとエッジは若干オレンジ。
 黒い果実の香りとともに、トリュフのようなニュアンス+墨汁の香り。そこにスパイスを振りかけ、樽のバニラでお化粧。 なかなか堂々とした香りだ。
 アタックは柔らかく、甘味すら感じるふくよかさで、ちょうどよい飲み頃。 タンニンにもそこそこ力があって、いい感じ。果実の凝縮感には欠けるが、 そこまで望んだら望みすぎだろう。端正で、柔らかく、好感の持てる味わい。 兄貴分のAOCマルゴーを思わせる、懐の深いメルローの味わいが中心。
 たとえて言うなら、ユニクロで買った上下しめて4千円也の服を、とってもおしゃれに着こなしている 団地住まいの若奥さんみたいなワイン。 単にカジュアルなだけか?と思えば、そこはかとない気品やセンスを感じさせる。
 じゃあパーティドレスを着せたら見違えるような美人に変身するのか?といえば、 そうとも言えない。
 気軽に近づいたら、結構奥深いことを思い知らされる。しかもこの値段で・・。 というところが、このワインの人気の秘訣なんだろう。
 ジスクールさん、高級路線はやめて、 このクラスに注力した方が、儲かるんじゃないの?と言いたくなる。
評定: A+ 価格 2,100円(本体価格2,000円+消費税100円) 購入店: 阪神百貨店本店(大阪市北区)
2006年3月12日 BLANC 
CHATEAU CAMUS / GRAVES
シャトー・カミュ / グラーヴ
VINTAGE: 2003
Ch. Camus 03 FRANCE
フランス
地方: BORDEAUX
ボルドー
地区: GRAVES
グラーヴ
AOC: GRAVES
グラーヴ
生産者: VIGNOBLES LARRIAUT 輸入者: (株)ミレジム
review
 普通、特価品というのは大々的に売られているものだが、これは売場の片隅でこっそりと「特価」のシールが貼られ、 置かれていたもの。何か理由があるんだろうな、と思いながらも興味本位でget。

 色は淡いイエローグリーン。香りはまるでボーヌのシャルドネみたいに、 ナッツの香りと、ヨーグルト的ミルキーさが併存。なかなか面白い。グラーヴにしては相当なパワーを感じる。
 味もオイリーで、ねっとり感があるが、ソーヴィニヨンらしいハーブ香が、ちょっと湿っぽい。 飲み進めると、甘味が栗の甘露煮みたいで、過熟な感じ。
 このヴィンテージでこの味というのは、もしかすると流通過程で高温にさらされたのではないかと想像する。 保管に難があったから、安売りしてしまえ、ということだったのか。
 真偽はわからないけれども、もしこれが完全なる健康体だったら、相当にイイ線いってるワインだろう。 しかしこれ、100%病身とも言いづらいから、 これを安く売るのは、まあ許されるのだろう。たとえて言えば、動脈硬化にはなってないけど高脂血症ですよ、みたいな。
評定: 差し控え 価格 1,785円(本体価格1,700円+消費税85円) 購入店: 阪神百貨店本店(大阪市北区)
2006年3月13日 ROUGE 
BOURGOGNE / MEO-CAMUZET
ブルゴーニュ / メオ・カミュゼ
VINTAGE: 2002
Meo-Camuzet Bourgogne 02 FRANCE
フランス
地方: BOURGOGNE
ブルゴーニュ
地区:
 
AOC: BOURGOGNE
ブルゴーニュ
生産者: MEO-CAMUZET FRERE ET SOEURS 輸入者: (株)ワールドフーズ
review
 ブルゴーニュの魅力の一つは、同じAOCでもピンキリだという点にもあるかもしれない。 数多(あまた)の造り手がひしめき合い、造り手による実力の差も激しい。 有名どころのワインを、高い値段で買うというのが最も間違いない選択だろうが、 日々飲むとなれば、一般庶民にそれはできない。たまに数千円が、いいところ。
 今日のワインは、ACブルにして、4千円也。Meo-Camuzetのネゴシアンものだ。

 色は深いルビー。透過性は高いが、やや黒っぽい。この液体の落ち着いた輝きが、何とも言えぬ気品を見せる。
 ツンと立った赤い果実の甘酸っぱい香りが印象的。皮革やゴムのニュアンスも。
 味も、フランボワーズのタルトをほおばったような甘酸っぱさ。果実の凝縮感は今ひとつだが、 そのぶん愛らしく、ふんわりとした甘味も身の丈に合って良い。タンニンも柔らかい。透きとおって、 繊細で、とっても柔らかな酒質。この美しさには惚れ惚れする。

 洗いざらしのTシャツとコットンパンツ姿なのに、そこはかとない気品を漂わせる美女。 とっても素敵なのだけど、何かが足りない。そう、足りないのは熱情のようなものだ。 もうひとつグッとくるものがない。そういうワインだ。
 確かにおいしい。とってもおいしい。できるなら毎日最低でもこんなものを飲みたいけれど、 4千円という値段では、絶賛するわけにはいかない。ブランド代が600円くらい入ってる感じ。
評定: C- 価格 4,200円(本体価格4,000円+消費税200円) 購入店: 阪神百貨店本店(大阪市北区)
2006年3月14日 BLANC DOUX 
CARMES DE RIEUSSEC / SAUTERNES
カルム・ド・リューセック / ソーテルヌ
VINTAGE: 2002
Calmes de Rieussec 02 FRANCE
フランス
地方: BORDEAUX
ボルドー
地区: SAUTERNES
ソーテルヌ
AOC: SAUTERNES
ソーテルヌ
生産者: CH. RIEUSSEC 輸入者: サントリー(株)
review
 White Dayにつき、いちおうWifeのために買ってきたChocolate Cakeを結局自分も食べる。これは最初から予定されていたこと。
 というわけで、このワインはほぼ1年くらい前に入手しておきながら、昨年のXmasや誕生日や今年のValentineにはたまたま開ける機会がなく、 今日まで冷蔵庫に眠っていたもの。 ネットで買ったCh.リューセックのセカンドだ。

 色はやや淡いあめ色。アプリコットのシロップ漬けのような香りにはほどほどに凝縮感があるが、 やはり単調さは否めない。
 第一投を口に放り込んだ印象は、「むむっ。意外にも重たい」。シロップの甘味に、適度にジューシーさが加わって、 濃密さ半分・爽やかさ半分。オレンジっぽい可憐な酸と、やわらかな苦味。 だが、さすがにリューセックと思わせる余韻の長い甘味がかなり続く。
 貴腐は1日で1本飲みきることはなかなか難しいが、これだけしっかりしていれば、数日間残しておいても味的には全然大丈夫だろう。
 安いからといって決して侮れないワインであった。
評定: B 価格 2,980円(本体価格2,839円+消費税141円) 購入店: e-shopping wine(ネット)
2006年3月17日 ROUGE 
CHATEAU D'ARMAILHAC (GRAND CRU CLASSE) / PAUILLAC
シャトー・ダルマイヤック(グラン・クリュ・クラッセ/第5級)/ ポイヤック
VINTAGE: 2002
Ch.Darmailhac 02 FRANCE
フランス
地方: BORDEAUX
ボルドー
地区: HAUT-MEDOC
オー・メドック
AOC: PAUILLAC
ポイヤック
生産者: BARONNE PHILIPPINE DE ROTHSCHILD 輸入者: エノテカ(株)
review
 格付ものにしては気軽に飲める部類なので、ダルマイヤックは結構私の好みである(気軽といっても普通に4千円するのだが)。 実は1年ほど前にセールで購入し、セラーでお休みになっていたもの。 今日はまったく普通の日だが、開けることにしよう。

 外観は、黒い!&青い! カシスの凝縮した香りと、やや閉じ気味の動物臭と、チョコレートの甘さ。 エスプレッソのような焦げ臭も心地よい。
 口に含むと、タンニンは当然のごとくまだ堅いが、ふんわりとした甘味があって、ほどほどにつややか。 飲み進めるほどに渋みが引っかかるのは致し方ないところ。さすがに余韻は長く、後を引く味わい。 グラスを重ねても全然酔わない感じがするのは、良いお酒の証。

 当日記では私の個人的嗜好は極力排除し、客観評価を心がけてはいるが、 やっぱり私はポイヤックが好きなんだということを、素直に告白せざるを得ない。 焦げ焦げの風味が口中に広がると、幸せだ。とはいえ、凝縮感に欠けるのが、このワインの限界。
 格付けとかはともかく、こういう手頃でかゆいところに手が届くワインは、長く愛される。 払ったお金に対して、十分お釣りが来る。
評定: B 価格 3,990円(本体価格3,800円+消費税190円) 購入店: 阪神百貨店本店(大阪市北区)
2006年3月21日 BLANC 
CHATEAU MERCIAN 甲州きいろ香 / メルシャン勝沼ワイナリー
シャトー・メルシャン 甲州きいろ香 / メルシャン勝沼ワイナリー
VINTAGE: 2005
メルシャン甲州きいろ香05 JAPAN
日本
地方: 山梨県
山梨県
地区: 甲州市勝沼町
甲州市勝沼町
AOC:
 
生産者: メルシャン(株) 輸入者: 
review
 日本の野球選手が最高に頑張った日には、日本のワインを開けましょう。ネットで、 私が信頼を置いている酒店「飛騨の酒屋 いまい」 から購入したもの。

 色はごくごく淡く、ほんのりグリーン。香りは黄色い花、はっさく、二十世紀梨、バナナ、砂糖菓子など。 奥ゆかしく、清澄な香りだ。
 口に含むと酸のアタックが想像以上に強く、キリッとして、爽やか。バナナのような甘さが口いっぱいに広がるが、 酸がそれによく拮抗し、気高い味わいを保っている。ミネラル分も豊かで、実に味わい深い。 花の香りの余韻は繊細で、押しつけがましくない。

 ワインを中途半端にかじった人間は、つい「国産ワインなんて」という罠に陥ってしまう。私も恥ずかしながら ずっとそういう傾向にあったことを、素直に告白しなくてはならない。だが、そんな先入観を鮮やかに打ち砕いてくれたのは、 メルシャンかもしれない。同じChateau MercianのJ-Fineシリーズには、ほんとに感心させられたものだ。
 偉大なワインを生む欧州系のぶどうとは違って、日本古来の甲州種。 しかも大手メーカーの造る量産ワイン。そうやって軽んじて臨んではいけない。 一昔前ならば、平気で5千円くらいの値がつけられていたような内容だと思う。その意味でも、メルシャンさん万歳!なワイン。
「きいろ香」の名前は、 このワインがボルドー大学デュブルデュー教授の研究室とのプロジェクトによって生まれたもので、 同研究室の富永敬俊博士の著書「きいろの香り」に由来するという。 このワインのもつ奥ゆかしくも華やかな黄色い花の香りに、実にふさわしい、素晴らしいネーミングだ。 和紙のテクスチャーをもつエチケット(ラベル)もとてもよい。
 もし私がフランスに知人がいて、何か土産を持参するとすれば、このワインを持ってゆきたい。 これぞ日本のテロワールが生んだ、大和撫子ワインだ。どうだ、ブルゴーニュでもボルドーでもロワールでも、こんなものは造れないだろう、と。
 絶賛、としか、言いようがない。
評定: AA+ 価格 2,415円(本体価格2,300円+消費税115円) 購入店: 飛騨の酒屋 いまい(楽天)
2006年3月23日 BLANC 
GAILLAC / DOMAINE DES FABRES
ガイヤック / ドメーヌ・デ・ファブル
VINTAGE: 2004
Dom.des Fabres Gaillac 04 FRANCE
フランス
地方: SUD-OUEST
南西地方
地区: GAILLAC
ガイヤック
AOC: GAILLAC
ガイヤック
生産者: FRAICHEUR PERLEE 輸入者: (株)アンフィニー
review
 売場で試飲をして、納得のうえ購入したもの。自分でも知らなかったが、当日記ではこのAOCは初登場のようである。

 色は淡いイエロー。レモンのシャープな香り+少し石油っぽさも。
 ピリッとした口当たりで、酸がとても若々しいが、ミネラル分も豊富。 伸びやかで、滋味にあふれ、すっきりくっきりした青りんごのような味わい。後に残るグレープフルーツ的な苦味もよい。
 ブラインド・テイスティングしたら、私は迷わずミュスカデ・シュールリーと答える。 シャープでキリッとしているのに、味わい深い。そんなところがそっくりだ。
 この価格帯としては、すばらしいクオリティだと思う。
評定: B 価格 1,848円(本体価格1,760円+消費税88円) 購入店: 阪神百貨店本店(大阪市北区)
2006年3月25日 ROUGE 
MARQUES DE CASA CONCHA MERLOT / CONCHA Y TORO
マルケス・デ・カーサ・コンチャ メルロー / コンチャ・イ・トロ
VINTAGE: 2003
Marques de Casa Concha Merlot 02 CHILE
チリ
地方: RAPEL VALLEY
ラペル・ヴァレー
地区: PEUMO
ペウモ
DO: PEUMO
ペウモ
生産者: CONCHA Y TORO 輸入者: メルシャン(株)
review
 チリのメジャーどころコンチャ・イ・トロを代表すると言ってもいいマルケス・デ・カーサ・コンチャ。 実は私は初体験。期待を持って臨む。

 色はほぼ黒と言ってもいいくらい。やや青みがかった深い紫。グラスの向こうがまるで見えない。
 香りはチョコレート、プルーン、杉、ユーカリのような揮発性。その強さに圧倒される。
 口に含むと、まるでどろっとしているような舌触り。タンニンが幾重にもがっしりとスクラムを組んでおり、 アルコールのホットな甘味と、黒果実の塊みたいな味わいのパワフルさ。舌の上、唇の裏、頬の裏にびっしりタンニンが付着して、 粉っぽい。甘味だけでなく酸もしっかりとして、全方位的にふくよかな体格。
 チリだ。いかにもチリなのだけれど、ここまでがっしりしてると、メルローなのか、 カベルネなのか、なんだかよくわからない。ブラインドで当てる自信が全くない。とはいえ、 筋骨隆々というよりは豊満な肉付きであるところに、メルローらしさが現れていると言えるだろうか。
 ボルドースタイルに仕上げようなんて色気がまったく感じられないところが、実に潔い。飲む価値は十分にある。
評定: B 価格 1,880円(本体価格1,791円+消費税89円) 購入店: e-shopping wine(ネット)
2006年3月29日 BLANC 
CHABLIS / ROUX PERE & FILS
シャブリ / ルー・ペール・エ・フィス
VINTAGE: 2004
Roux Pere & Fils Chablis 04 FRANCE
フランス
地方: BOURGOGNE
ブルゴーニュ
地区: CHABLIS
シャブリ
AOC: CHABLIS
シャブリ
生産者: ROUX PERE & FILS 輸入者: (株)アンフィニー
review
 外観は淡いイエロー・グリーン。強くはないが、レモンのような鋭い柑橘香がある。ひかえめな印象。
 酸のアタックは当然強いが、甘味すら感じるほどふくよかさがある。ミネラルも豊かで、 塩辛いと言えるくらいだが、じんわりと味わい深い。その塩気が余韻として残る。
 ACシャブリらしいキリリとした飲み口を持ちながら、適度なふくらみのある綺麗なワイン。 和食には幅広く合いそう。

 普段、シャブリを飲もうと思うのは、とにかく甘味はいらない、すっきり感が欲しいという時に選ぶことが多いのだが、 単にすっきりしているだけでなく、こんなふうに味わい深いと、なお嬉しい。
評定: C+ 価格 2,394円(本体価格2,280円+消費税114円) 購入店: 阪神百貨店本店(大阪市北区)
2006年3月31日 ROUGE 
ONA SYRAH / ANAKENA
オナ シラー / アナケナ
VINTAGE: 2004
Anakena Ona Syrah 04 CHILE
チリ
地方: RAPEL VALLEY
ラペル・ヴァレー
地区:
 
DO: RAPEL VALLEY
ラペル・ヴァレー
生産者: ANAKENA 輸入者: 中部貿易(株)
review
 以前に飲んで、その圧倒的コスト・パフォーマンスに驚いたアナケナ。 今回もまた以前と同じe-shopping wineから購入したが、このオナ・シリーズはプレステージクラスということらしい。

 外観はぶどう100%果汁のように、ごく深い紫色。青みがかなり強い。粘着性が強く、アルコール度数の高さが伺える。
 香りは黒や青のベリー香に、若干皮革っぽさが加わる。スパイシーな香りも。凝縮感があり、しっとり、どっしりした印象。
 味は果実がぎゅっと詰まって丸みがあり、はっきり「甘い」と感じる。少し内にこもった感じもなくはないが、 そこが柔らかな印象を与えてもいる。タンニンは粗暴ではないものの、少しまとわりつく感じがある。

 とてもニューワールドらしいあっけらかんとした個性が魅力。この値段ならば、かなりのお買い得感がある。
評定: B 価格 1,780円(本体価格1,696円+消費税84円) 購入店: e-shopping wine(ネット)

本日までで・・・今月合計13本/今年合計41本/当日記累計856本



[当日記における評価基準]

 絶対評価ではなく、支払う価格に対して内容が見合っているかどうかの評定です。 例えば1,000円のwineなら、ちょうど1,000円の価値あるものがC。同様に5,000円のwineなら、 ちょうど5,000円の価値あるものがCです。

 A = 特質すべき個性。価格に比し、極めて優れたクオリティ。(とってもお買得)
 B = 非凡な特徴があり、価格を上回るクオリティ。(お買得)
 C = 概ね価格に見合ったクオリティ。(価格相当)
 D = 凡庸で特徴に欠ける。価格に比し、やや劣る。(少しもの足りない)
 E = 価格に比し、著しく劣るクオリティ。(買い損)

 なお、各ランクよりやや上回るものに+、やや下回るものに−を付けています。例えばC+とは、 若干価格を上回るクオリティを表します。また、通常の評価枠を超えた素晴らしいものにはAAランクを付与しています。

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