利酒日記 kikizakenikki

2006年12月


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2006年12月2日 ROUGE 
SAINT-AMOUR / GILLES DE LAMOIRE
サン・タムール / ジル・ド・ラモワール
VINTAGE: 2004
Gilles de Lamoire St-Amour 04 FRANCE
フランス
地方: BOURGOGNE
ブルゴーニュ
地区: BEAUJOLAIS
ボージョレ
AOC: SAINT-AMOUR
サン・タムール
生産者: GILLES DE LAMOIRE 輸入者: エノテカ(株)
review
 Wine Shop ENOTECA から購入したセットの4種目。クリュ・ボージョレのひとつであるサン・タムールAOCだ。

 色は暗赤色。ざくろのようなイメージ。 香りはいちごのピチピチ感があって、若く、甘いニュアンス。
 口に含むと、酸のアタックがいきいき、キュンっとした感じ。心躍るような酸っぱさとでも言えばいいか。 タンニンはシルキー。ひっかかりがなく、ふんわり赤い果実のフレーバーが広がる。

 エチケット(ラベル)のデザインは、 SAINT-AMOUR(聖なる愛)の名にふさわしいというか、ちょっとやり過ぎの感あり。 クリスマスとかバレンタインなどのイベントを意識しているであろうことは、容易に想像できる。
 とはいえ、その名にふさわしい、胸がキュンとなるような若々しい内容のワインだ。
評定: B 価格通常価格1,785円(本体価格1,700円+消費税85円) 購入店: エノテカ大阪店(大阪市北区)
2006年12月9日 ROUGE 
VOSNE-ROMANEE "AU-DESSUS DE LA RIVIERE" / FREDERIC MAGNIEN
ヴォーヌ・ロマネ "オー・ドゥスュ・ド・ラ・リヴィエール" / フレデリック・マニャン
VINTAGE: 2002
F.Magnien Vosne-Romanee 04 FRANCE
フランス
地方: BOURGOGNE
ブルゴーニュ
地区: COTE DE NUITS
コート・ド・ニュイ
AOC: VOSNE-ROMANEE
ヴォーヌ・ロマネ
生産者: FREDERIC MAGNIEN 輸入者: ヴーヴ・クリコジャパン(株)
review
 寒い季節になったので、少し良さそうなワインを、と思い、これを開けた。

 色はかすかに黒みがかったルビー。 エッジは少しオレンジっぽくなっている。
 香りはラズベリー、皮革、乾いた土、すりリンゴなどを感じる。 また、イメージとしてはバラの花のように、少し青臭さを伴ったフラワリーな香りも。
 酸がキリッとしながら、ふんわり甘味があり、 赤色系果実の凝縮感がある。そう、押しつぶしたら赤い果汁が出てきそうなイメージだ。
 とても妖艶で奥深い味わいに、魅了される。 このAOCとしてはやや分厚すぎるのかもしれないが。

 やっぱりピノはいい。久々にそう実感した。
 通常価格5,000円以上らしいが、セールでこの値段。 本来の値段を前提とすれば評価はC+だが、今回の入手価格3,990円を前提とするなら、 軽くB評価になる。
評定: C+ 価格3,990円(本体価格3,800円+消費税190円) 購入店: 成城石井阪急三番街店(大阪市北区)
2006年12月12日 BLANC 
甲州2006 / 新巻葡萄酒
こうしゅう2006 / あらまきぶどうしゅ
VINTAGE: 2006
新巻葡萄酒 甲州2006 JAPAN
日本
地方: 山梨県
山梨県
地区: 笛吹市一宮町新巻
笛吹市一宮町新巻
AOC:
 
生産者: 新巻葡萄酒(株) 輸入者:
review
 国産ヌーヴォーという触れ込みで売られていたもの。 地元山梨で収穫された甲州種を使った今年の新酒だ。

 色は極めて淡いグリーン。香りはリンゴ、あるいは梨などのシャープな感じに、 黄色い花や白粉(おしろい)みたいな華やかさが加わる。甲州種らしい。
 アタックは柔らかく、バナナのような甘味が豊富だが、 酸も適度に活きている。全体としては甘味の方が目立ち、やや冗長な印象。 飲み続けると、その甘味が少し鼻につく。
 もちろん、この洗練されていない感じがこのワインの個性だといえる。 でももうちょっと気高さというか、緊張感が欲しい気がする。

 なお、写真でエチケット(ラベル)の端がクシュクシュになっているのは、 私が冷蔵庫のポケットに不用意に入れたためである。
評定: C- 価格1,290円(本体価格1,229円+消費税61円) 購入店: 成城石井阪急三番街店(大阪市北区)
2006年12月17日 ROUGE 
BEAUJOLAIS VILLAGES NOUVEAU 2006 NON FILTRE / MANOIR DU CARRA
ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー 2006 ノン・フィルトレ / マノワール・デュ・カラ
VINTAGE: 2006
Carra Beaujolais Villages Nouveau 06 FRANCE
フランス
地方: BOURGOGNE
ブルゴーニュ
地区: BEAUJOLAIS
ボージョレ
AOC: BEAUJOLAIS VILLAGES
ボージョレ・ヴィラージュ
生産者: MANOIR DU CARRA 輸入者: (株)成城石井
review
 今年5本目のボージョレ・ヌーヴォー。

 色はかなり深いが、青みも強く、ヌーヴォーらしい。 香りもいちごのような可憐な感じとともに、もわっとくるアルコール感がある。
 ジャムのような凝縮した果実味と、かなり強いタンニンを感じる。 酸も豊かで、全方位的に充実度の高い味わいだが、それだけにエレガントさには欠ける。 ノン・フィルターの特徴がよく出ていると思う。

 ところで今年のボージョレ・ヌーヴォーは、私が2000年に当サイトを開設して以来の ベスト・ヴィンテージだと思うのだが、売れ行きは今ひとつみたいだ。 もうかなり値崩れが起こっているのを見ても明らか。
 まれに見る良年と喧伝された03年は良く売れたようだ。 しかし私は、パワフルすぎた03よりも、06のほうがよっぽど新酒らしい美しさがあり、 かつ赤ワインらしさも兼ね備えていて素晴らしいと思うのだが、 世間の評価は違うらしい。
 というか、そもそも新酒に群がる人種(おっ、韻を踏んでるね!)というのは、 本質を見ずにムードで買わされているだけなんだね。 とするなら、以前のワインブームの時みたいに、 その辺のおばさんまでワインにスノッブさを感じて手を出すような風潮がすっかり落ち着いてしまった 今となっては、ヌーヴォーの売上が激減するのは必然なのかもしれない。
評定: C 価格2,490円(本体価格2,372円+消費税118円) 購入店: 成城石井ホワイティうめだ店(大阪市北区)
2006年12月19日 CIDRE 
CIDRE SPARKLING NOUVEAU 2006 / NIKKA
シードル スパークリングヌーヴォ 2006 / ニッカ
VINTAGE: 2006
NIKKA CIDRE SPARKLING NOUVEAU JAPAN
日本
地方:
 
地区:
 
AOC:
 
生産者: ニッカウヰスキー(株) 輸入者:
review
 10月31日の発売で、もうだいぶ経ってしまったが、ずっと入手できないでいた。 色々探し回ったが、先日ようやくコンビニで発見し、購入したもの。
 シードルはリンゴを発酵させて造ったお酒なので、厳密に言うとwineではない。しかし、 仏ノルマンディー地方のシードルも過去に当日記に収録しているし、このニッカ・シードルシリーズも同様。 といった成り行き上、ずっとこの利酒日記に収録している。

 色はごく淡く、清酒よりも薄い感じ。 香りはすりおろしたりんご、あるいはにんじんみたいな感じもあって、 野菜汁のよう。それだけナチュラルだということ。
 味もごくシンプル。酸がキュンと若々しく、 青臭さすらある。甘味は弱い。
 アルコール分2%。原材料:リンゴ、リンゴ酸、酸化防止剤(亜硫酸塩)。 「今秋収穫のリンゴ"つがる"から生まれたスパークリングヌーヴォです。 糖分、香料、着色料を一切加えていない、とれたてのリンゴの味わいをお楽しみください。」

 ご承知の方も多いと思うが、ニッカ・シードルは、添加物を加えず、炭酸も後から注入したものではなく、 発酵による二酸化炭素を封じ込めて造った正真正銘のシードル。この本格的な味わいが、こんなに安く楽しめるのだから、 とても貴重な存在だ。
評定: A 価格 265円(本体価格253円+消費税12円) 購入店: am-pm
2006年12月21日 BLANC 
CHABLIS GRAND CRU "BEAU-MONDE" / J. MOREAU ET FILS
シャブリ・グラン・クリュ "ボー・モンド" / J. モロー・エ・フィス
VINTAGE: 2001
J.Moreau Chablis Grand Cru 01 FRANCE
フランス
地方: BOURGOGNE
ブルゴーニュ
地区: CHABLIS
シャブリ
AOC: CHABLIS GRAND CRU
シャブリ・グラン・クリュ
生産者: J.MOREAU ET FILS 輸入者: 大酒販(株)
review
 DSで安売りされていたので、興味本位で買ったもの。 シャブリ特級で1,980円なんて、普通に考えれば内容は期待できない。 でも、「万に一つ、相当な掘り出し物だったらうれしいな」と思ったのも事実。 さて、どうだろう。

 色はしっかりめのイエローというか、淡い黄金色。ん?峠を過ぎてるかな?
 香りは最初かすかにフリンティな感じがあって、 その後キンカンや甘味の少ないリンゴのほか、マヨネーズみたいな感じも。 そして、少しやられちゃってるふうの、濡れ雑巾臭がかすかに。
 味は酸のアタックが結構しっかりあるし、まだ完全に峠を越えたわけではなさそう。 だが、厚みはないし、余韻は短いし、とても特級と呼べる代物ではない。

 やっぱり値段は正直。というか、この値段でも高いな。
 掘り出し物なんてないんだ、やっぱり。
評定: D 価格1,980円(本体価格1,886円+消費税94円) 購入店: 酒の楽市南吹田店(大阪府吹田市)
2006年12月23日[1] CHAMPAGNE 
VEUVE CLICQUOT PONSARDIN VINTAGE RESERVE 1996 / CHAMPAGNE
ヴーヴ・クリコ ポンサルダン ヴィンテージ・リザーヴ 1996 / シャンパーニュ
VINTAGE: 1996
Veuve Clicquot Ponsardin 96 FRANCE
フランス
地方: CHAMPAGNE
シャンパーニュ
地区:
 
AOC: CHAMPAGNE
シャンパーニュ
生産者: VEUVE CLICQUOT 輸入者: ヴーヴ・クリコジャパン(株)
review
 今年の暦では、明日のイヴは日曜なので、我が家では土曜の今夜をプレ・イヴとしてちょっとリッチに楽しむことにした。
 クリスマスらしくローストチキンのお供に選んだのが、正統派のシャンパーニュ。しかもヴィンテージ入り。

 色はかなりしっかりめのゴールド。 香りはシャンパーニュらしく、焼きたてのブリオッシュのようなきっちりとした酵母臭と、 たくわんのような熟成香を感じる。ただ、少し日影のかび臭さみたいなものがあって、 もしかするとちょっと熱にやられているかな?と思う。
 キリッとシャープな口当たり。りんご的な酸が丸みを感じさせるが、 やはり「ひね香」がかなり強く、黒蜜みたいな妙な甘さがある。

 せっかく奮発したのに、どうやら完全な健康体ではなかったようだ。 でも、シャンパーニュらしい美しさはちゃんと感じられたので、まあ良しとしよう。
評定: 差し控え 価格ハーフ3,990円(フルボトル換算7,980円) 購入店: 成城石井阪急三番街店(大阪市北区)
2006年12月23日[2] BLANC DOUX 
CHATEAU LAVILLE / SAUTERNES
シャトー・ラヴィル / ソーテルヌ
VINTAGE: 1999
Chateau Laville FRANCE
フランス
地方: BORDEAUX
ボルドー
地区: SAUTERNES
ソーテルヌ
AOC: SAUTERNES
ソーテルヌ
生産者: CH. LAVILLE 輸入者: (株)成城石井
review
 さて、今年はクリスマスケーキを今夜食べることにしたので、 それに合わせて貴腐を開けることにした。ハーフボトルを探していたところ、 たまたま成城石井でこれが売られていた。

 外観はきっちりべっこう色。香りはアプリコットのコンポート、バニラ、蜂蜜のほか、 セイロン・ウバの茶葉みたいなニュアンスも。
 口に含むと酸と甘味のバランスが良く、小振りながらきっちりソーテルヌらしい気高さがある。 ただ、奥行きはそれほどなく、スッキリさらっと喉を過ぎる。 黄桃の缶詰を食べたような余韻が、比較的長く続く。
 01年パリのコンクールで金賞(MEDAILLE D'OR)受賞との表示がある。 確かにこのクラスにしては、きっちりとまじめに造られている印象はあるが、 やはりパワー不足は否めない。
 いい貴腐が飲みたければ、もっとお金を出しなさい、ということ。まあ、この値段にしては、不足はないのだけれど。 それに、ケーキのいちごにはバッチリ合っていたので、良いチョイスだったと言える。
評定: C 価格ハーフ2,300円(フルボトル換算4,600円) 購入店: 成城石井阪急三番街店(大阪市北区)
2006年12月28日 ROUGE 
BEAUJOLAIS NOUVEAU 2006 / LOUIS MONTELLIER
ボージョレ・ヌーヴォー 2006 / ルイ・モンテリエ
VINTAGE: 2006
Louis Montellier Beaujolais Nouveau 06 FRANCE
フランス
地方: BOURGOGNE
ブルゴーニュ
地区: BEAUJOLAIS
ボージョレ
AOC: BEAUJOLAIS
ボージョレ
生産者: LOUIS MONTELLIER 輸入者: メルシャン(株)
review
 ボージョレ・ヌーヴォーは、もう今年6種目。 再三書いているが、近年まれに見る当たり年だと私は思うので、 積極的に飲んでいる。
 とは言っても、今回のものは、コンビニで 250ml入りミニチュアビンが3種セットで当初2,980円で売られていたものが、 なんと1,490円まで下がっていたので、みつけた瞬間に入手した。

 色は青みの強い紫だが、ほどほどに濃い。 若いイチゴ香とともに、インクのような感じが強く、 茹でたじゃがいもみたいなほっこり感もある。
 味は軽やかな酸と、適度な甘味と、柔らかなタンニンがバランス良く、 すいすい飲めるが、だからといって軽すぎることもない。
 本来、フルボトル換算で2,000円未満で売られる商品だと思うが、 まあこんなものだろうと思う。
評定: C 価格250ml入り3本セット1,490円 購入店: Family Mart
2006年12月30日[1] ROUGE 
BEAUJOLAIS VILLAGES NOUVEAU 2006 / LOUIS MONTELLIER
ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー 2006 / ルイ・モンテリエ
VINTAGE: 2006
Louis Montellier Beaujolais Villages Nouveau 06 FRANCE
フランス
地方: BOURGOGNE
ブルゴーニュ
地区: BEAUJOLAIS
ボージョレ
AOC: BEAUJOLAIS VILLAGES
ボージョレ・ヴィラージュ
生産者: LOUIS MONTELLIER 輸入者: メルシャン(株)
review
 今年7種目のボージョレ・ヌーヴォー。
 コンビニで買った250ml入りミニチュアビン3種セット1,490円(当初2,980円で売られていたものが大幅値下げ)。 既にACボージョレを飲んだが、今日はヴィラージュ。

 色は青みがかっており、ヴィラージュにしては薄い感じ。
 (今、「うすいかんじ」と入力して変換したら、最初に「笛吹寛二」と出た。 誰やねん?それ。ATOKさん。)

 香りは甘いイチゴ。インクのような感じもある。
 味は拍子抜けするほど軽やか。甘味は適度で、タンニンも柔らか。 ACボージョレよりも、ヘタをするとこっちのほうが軽いのでは?と思う。
 ちょっとどうしちゃったんだろう、というくらいの肩すかし。
評定: D 価格250ml入り3本セット1,490円 購入店: Family Mart
2006年12月30日[2] BLANC 
PACHERENC DU VIC-BILH SEC / DOMAINE LABRANCHE LAFFONT
パシュラン・デュ・ヴィック・ビル セック / ラブランシュ・ラフォン
VINTAGE: 2005
Labranche Laffont Pacherenc du Vic-Bilh Sec 05 FRANCE
フランス
地方: SUD-OUEST
南西地方
地区: MADIRAN
マディラン
AOC: PACHERENC DU VIC-BILH SEC
パシュラン・デュ・ヴィック・ビル セック
生産者: DOM. LABRANCHE LAFFONT 輸入者: (株)成城石井
review
 本来このAOCは極甘口の産地として有名だが、これは辛口。だからSECがついている。

 色は淡いレモンイエロー。 涼しげなレモンのような柑橘香に、少しだけ白い花や蜜のニュアンス。 グラスを回すと火薬のようなフリンティな香りが立つ。
 口に含むと、酸のアタックが猛烈に強く、思わず「酸っぱい」と思ってしまうが、 不思議にふくよかさや蜜の甘さもあって、口の中で転がしていると、 その甘味がじんわり実感できる。苦味も適度に感じられる。 やや分裂気味でありながら、色んな味の要素が同居していて面白い。
 ブラインドで飲んだら、まずこのAOCは当たるまい。 たいていの人が、あまりお目にかからないAOCだろう。 ましてこれが南西地方で造られているなんて、思いもよらない。
 コート・ド・ニュイの北のほう、あるいは高地(オート・コート・ド・ニュイ) など冷涼な気候で育ったシャルドネか?と私は一瞬思った。
 いやあ、実に面白い。
評定: A 価格2,190円(本体価格2,086円+消費税104円) 購入店: 成城石井梅田店(大阪府北区)
2006年12月31日[1] BLANC 
PETICEP CHARDONNAY / SAINT COSME
プチセップ シャルドネ / サン・コム
VINTAGE: N.V.
FRANCE
フランス
地方: LANGUEDOC
ラングドック
地区:
 
VdP: OC
オック
生産者: SAINT COSME 輸入者: (株)飯田
review
 廉価かつ高品質で有名なサン・コムのプチセップ。これまで飲んだことがなかったので、 買ってみた。今回はこのシャルドネと、ミュスカを入手。まずはシャルドネから。

 グラスに注ぐと色は淡いレモン色。 香りを嗅いだ瞬間、ん? やられた、と思う。 これは健康体ではない。ベビーパウダーや白い花の奥に、 湿った雑巾のような蒸れた匂い。
 味もまず最初に雑巾っぽさが。密の甘さもなくはないが、 まったくスカスカで、酸は弱い。
 完全に逝っているわけではないが、ほとんど瀕死に近い。
 販売店での保管状態が悪かったんだろうね。もう一つのミュスカのほうを開けるのが、憂鬱になってきた。
 こういう場合、サイトに掲載してコメントすること自体、どうしようかと迷うのだが、 自分自身の備忘のために、掲載することにした。

 気を取り直して、今日は次に、楽しみな1本を開ける。
評定: 不能 価格880円(本体価格839円+消費税41円) 購入店: LIQUOR CRODE(大阪府吹田市)
2006年12月31日[2] ROUGE 
COTEAUX DU TRICASTIN "CHATEAU DES ESTUBIERS" / M. CHAPOUTIER
コトー・デュ・トリカスタン "シャトー・デ・ゼストュビエール" / シャプティエ
VINTAGE: 2002
Coteaux du Tricastin Ch.des Estubiers 02 FRANCE
フランス
地方: RHONE
ローヌ
地区: COTEAUX DU TRICASTIN
コトー・デュ・トリカスタン
AOC: COTEAUX DU TRICASTIN
コトー・デュ・トリカスタン
生産者: M. CHAPOUTIER 輸入者: 日本リカー(株)
review
 売場でワインアドバイザーの方から、「今までこの商売をやってきて、一番感動したワイン。 ぜひ飲んでみて」と強力に勧められた。
 そして、試飲をしてみて、絶句した。高貴な香りと共に、身体に染みいるような柔らかさ。 一瞬で、購入を決めた。

 さて、家に帰って、大きなグラスでテイスティング。
 色は深いガーネットだが、やや青みが入っている。 香りはまず火薬のような炸裂した感じとともに、ほんのりなめし革のニュアンス。 その背後に懐の大きな甘い香りが控えている。
 アタックはあくまでもやさしく、丸い。しかし、凝縮した果実味があり、 フランボワーズのように甘酸っぱい。
 それでいてタンニンがしっかりしていて、まだまだ成長しそうな感じ。 伸びやかで、たおやかで、かつ、内に秘めたパワーもある。 ジューシーな余韻も長く続く。シラー主体で、これだけ繊細だなんて・・。 久々、飲んでいて夢心地になるワインに出会った。

 聞くところによると、雑誌BRUTUSの特集で、自然派ワイン・ダントツ1位に輝いたものらしい。
 そんなことはどうでもいいし、そもそも私はビオ方面にはさっぱり興味がなく、 知識も乏しい。
 でも、こんなものを飲まされたら、ただ「すごい」というほかはない。 もちろん値段を踏まえてのことだが、これが5,000円以上だったとしても、 ぜんぜんOKだと思う。この値段は驚愕だ。きっとすぐに値が上がるよ。倍くらいに。
 見つけたら、即、買うべし。
評定: AA+ 価格2,152円(本体価格2,050円+消費税102円) 購入店: 阪神百貨店本店(大阪市北区)

本日までで・・・今月合計13本/今年合計139本/当日記累計954本



[当日記における評価基準]

 絶対評価ではなく、支払う価格に対して内容が見合っているかどうかの評定です。 例えば1,000円のwineなら、ちょうど1,000円の価値あるものがC。同様に5,000円のwineなら、 ちょうど5,000円の価値あるものがCです。

 A = 特質すべき個性。価格に比し、極めて優れたクオリティ。(とってもお買得)
 B = 非凡な特徴があり、価格を上回るクオリティ。(お買得)
 C = 概ね価格に見合ったクオリティ。(価格相当)
 D = 凡庸で特徴に欠ける。価格に比し、やや劣る。(少しもの足りない)
 E = 価格に比し、著しく劣るクオリティ。(買い損)

 なお、各ランクよりやや上回るものに+、やや下回るものに−を付けています。例えばC+とは、 若干価格を上回るクオリティを表します。また、通常の評価枠を超えた素晴らしいものにはAAランクを付与しています。

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