利酒日記 kikizakenikki

2007年11月


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2007年11月4日 ROUGE
RESERVE DE LA COMTESSE / PAUILLAC
レゼルヴ・ド・ラ・コンテス / ポイヤック
VINTAGE: 2001
Reserve de la Comtesse 01 FRANCE
フランス
地方: BORDEAUX
ボルドー
地区: HAUT-MEDOC
オー・メドック
AOC: PAUILLAC
ポイヤック
生産者: CH. PICHON LONGUEVILLE COMTESSE DE LALANDE 輸入者: エノテカ(株)
review
 今日飲むのは、もう3年近く前に購入したまま、眠っていたもの。 スーパーセカンド筆頭格 Ch.ピション・ラランドのセカンドだ。セラーに入れてあったが、 エチケット(ラベル)にカビがついて少し黒くなっている。まあ、中身には全く問題はないだろうが。

 色は深いガーネットで落ち着きがある。足は非常に長い。
 黒果実の香りに、ほんのり漢方薬のような感じが混じる。そこそこ深みがある。
 味わいは、酸が豊かでまだまだ若そう。皮革や黒果実のニュアンスがあるが、 パワーは今ひとつ。タンニンはベルベットのようにすべすべ。 余韻もそこそこ長く、美しいワインだが、ボディの厚みがないところに、限界を感じる。

 当サイトトップページのサイト名バナーの背景となっている写真をご覧頂いてもおわかりのとおり、 このワインのファーストであるCh.ピション・ラランドを私はこよなく愛している。 兄貴分と弟分の落差が激しいのがこのシャトーだが、値段もはっきりと違うので、その点は良心的だと思う。
評定: B 価格 3,149円(本体価格2,999円+消費税150円) 購入店: e-shopping wine(ネット)
2007年11月12日 ROUGE
CHATEAU LES TROIS MANOIRS / MEDOC
シャトー・レ・トロワ・マノワール / メドック
VINTAGE: 2005
Ch.Les Trois Manoirs 05 FRANCE
フランス
地方: BORDEAUX
ボルドー
地区: MEDOC
メドック
AOC: MEDOC
メドック
生産者: CH. LES TROIS MANOIRS 輸入者: (株)成城石井
review
 2007年パリのコンクールで金賞受賞のワイン。 メドックだが、カベルネよりもメルローが主体とのことで、 柔らかな味わいが予想される。

 色はかなり青みの強い紫。若そうな外観。 香りは、シンプルな黒果実。まだ複雑さが出ていない。
 甘味が強く、ジューシーな口当たり。わかりやすい味。 タンニンは柔らかめで、女性的な味わいだが、 まだ少し角があって、引っかかる感じ。
 酸は穏やか。あまり突出したところのない素直なワイン。

 女性に喩えれば、地味で素直で目立たないお嬢さん。 もう少し気丈さとか、あるいは陰があるとかのほうが、 魅力が増すのに、と思ってしまう。
評定: C+ 価格 2,490円(本体価格2,372円+消費税118円) 購入店: 成城石井阪急三番街店(大阪市北区)
2007年11月15日 ROUGE
BEAUJOLAIS NOUVEAU 2007 / LOU DUMONT
ボージョレ・ヌーヴォー 2007 / ルー・デュモン
VINTAGE: 2007
Lou Dumont Beaujolais Nouveau 07 FRANCE
フランス
地方: BOURGOGNE
ブルゴーニュ
地区: BEAUJOLAIS
ボージョレ
AOC: BEAUJOLAIS
ボージョレ
生産者: LOU DUMONT 輸入者: (有)ヌーヴェル・セレクション
review
 解禁日。

 今年は何から飲もうかと、夕方5時頃デパートの売場を訪ねたところ、 「最後の1本です」と言われ、あわてて購入した。聞けば、1ケースしか入ってきてなく、 「ご存知の方は、すぐに買って行かれますね」と、店員さん。昨年がファースト・リリースだったとのこと。 ルー・デュモンがヌーヴォーを出しているとは、知らなかった。

 色は青みの強い透明感のある紫。香りは落ち着いていて、華やかさは今ひとつだが、 深いベリー香に、コショウのようなスパイシーさや、鉛筆の芯みたいな黒鉛のニュアンスも感じられる。
 味わいは、まず酸が立っており、テンションが高い。タンニンは極めて繊細。 だらけたところが一切なく、凜とした気高さがありながら、しみいるような優しさも併せ持つ。
 余韻も伸びやか。きれいな酸の極めてジューシーな後味が、何とも言えずエレガント。 ヌーヴォーらしからぬ、それでいてガメイの美しさが存分に引き出された魅惑の飲物。力に頼り切らない、 素材のもろさもそのまま表現したような清らかで感動的な作品だ。

 このルー・デュモンは、日本からブルゴーニュに渡った仲田晃司氏の立ち上げたネゴシアンで、 知る人の間では実に評価が高い。
 ヴィラージュではなくACボージョレでこの値段は、ちょっとためらわれる金額だが、 内容の素晴らしさは想像以上。

 毎年、新酒はお祭り参加のための必要経費みたいに私は考えているのだが、これは本当に 支払った以上の満足感をもたらしてくれた。なんだか来年1年も、素敵なことがありそうな、 そんな幸せをもらったような気がすると言ったら、ちょっと大げさだろうか。 ヌーヴォーでここまで感激することは、めったにない。
評定: AA+ 価格 4,305円(本体価格4,100円+消費税205円) 購入店: 阪神百貨店本店(大阪市北区)
2007年11月16日[1] ROUGE
BEAUJOLAIS-VILLAGES NOUVEAU 2007 / JOSEPH DROUHIN
ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー 2007 / ジョセフ・ドルーアン
VINTAGE: 2007
J.Drouhin Beaujolais Villages Nouveau 07 FRANCE
フランス
地方: BOURGOGNE
ブルゴーニュ
地区: BEAUJOLAIS
ボージョレ
AOC: BEAUJOLAIS VILLAGES
ボージョレ・ヴィラージュ
生産者: JOSEPH DROUHIN 輸入者: 三国ワイン(株)
review
 新酒の2本目は、昨年も飲んでいるドルーアンのヴィラージュを。

 色はしっかりめのすみれ色。香りはグレープジュースのようにぶどうっぽい雰囲気を持ちながら、 鉄っぽい感じもある。華やかさには欠け、落ち着いた印象。
 味わいは甘味が強めで、ジューシー。タンニンはやや粉っぽくざらつく感じで、 真ん中のパワーがほどほどにある。突出した要素のない中道的な味わいといえる。

 いかにも優等生的なヌーヴォーだが、それは裏返して言えば面白みがなく、 記憶にも残らないということ。 喩えて言うなら、手持ちのお金を大手都銀の普通預金に入れるようなもので、 元本割れはないけど楽しみもない。失敗したくない人にはお勧めの選択肢といえる。
 昨年と比べると、おとなしくバランスが良すぎてつまらない。
評定: C 価格 ハーフ1,890円(フルボトル換算3,780円) 購入店: 阪神百貨店本店(大阪市北区)
2007年11月16日[2] CIDRE
CIDRE SPARKLING NOUVEAU 2007 / NIKKA
シードル スパークリングヌーヴォ 2007 / ニッカ
VINTAGE: 2007
NIKKA CIDRE SPARKLING NOUVEAU 07 JAPAN
日本
地方:
 
地区:
 
AOC:
 
生産者: ニッカウヰスキー(株) 輸入者:
review
 箸休め、と言ったら造り手に失礼だが、赤ワインの合間には、こんなものを飲むのが良いだろう。

 発売は10月30日。ずっと探していたが見つからず、そのうちどこかで出会えるだろうと、 気長に待っていたら、やっとLAWSONに入荷した。

 シードルはリンゴを発酵させて造ったお酒なので、厳密に言うとwineではない。しかし、 浸漬酒やチューハイではないし、 仏ノルマンディー地方のシードルも過去に当日記に収録していることから、 ニッカ・シードルシリーズも、ずっとこの利酒日記に収録しているのだ。

 色はごく淡く、かすかに黄色っぽく色づいている程度。 すりおろしたりんごのような生臭い香り。甘味も感じさせる。
 味はまず優しい甘味が感じられ、その脇にキュンと可憐な酸が寄り添う。 こんなにふくよかだっただろうか。昨年はもう少しシャープだった記憶がある。
 アルコール分2%。原材料:リンゴ、リンゴ酸、酸化防止剤(亜硫酸塩)。 「今秋収穫のリンゴ"つがる"から生まれたスパークリングヌーヴォです。 糖分、香料、着色料を一切加えていない、とれたてのリンゴの味わいをお楽しみください。」
 原料となるリンゴの糖度などによって、味わいも変わってくるものと思う。 だからこうやって毎年出してくれることは、ボージョレ・ヌーヴォーなどと同じく、 楽しみである。
評定: A 価格 200ml入り265円(本体価格253円+消費税12円) 購入店: LAWSON
2007年11月19日 ROUGE
BEAUJOLAIS NOUVEAU 2007 / ORIVIER RAVIER
ボージョレ・ヌーヴォー 2007 / オリヴィエ・ラヴィエ
VINTAGE: 2007
O.Ravier Nouveau 07 FRANCE
フランス
地方: BOURGOGNE
ブルゴーニュ
地区: BEAUJOLAIS
ボージョレ
AOC: BEAUJOLAIS
ボージョレ
生産者: OLIVIER RAVIER 輸入者: アサヒビール(株)
review
 今年の新酒の3種め。決してたくさん出ているわけではないハーフボトル の中からこれを選んだ。

 色は青みの強い薄紫。香りは甘酸っぱいイチゴやラズベリーが中心。 新酒特有のバナナ香は感じない(今年の新酒はどれも、例年よくある、もわっとしたバナナ香が 感じられない)。
 口当たりは酸が立つが、ジューシーで甘味が豊か。 タンニンは極めて弱い。さらっとした飲み口で、後味もなめらかで、おとなしい。

 フレッシュ感がほどほど、赤ワイン的飲み応えもほどほど。 非常にソツのない仕上がりだが、裏を返せば個性に乏しい味わい。 今年の新酒は、基本的にこんな感じのものが多いのだろうか。
評定: C- 価格 ハーフ1,691円(フルボトル換算3,382円) 購入店: 阪神百貨店本店(大阪市北区)
2007年11月28日 ROUGE
DOMAINE L'AIGUELIERE / VIN DE PAYS DU MONT BAUDILE
ドメーヌ・レグリエール / ヴァン・ド・ペイ・デュ・モン・ボーディル
VINTAGE: 2003
Dom.L'Aigueliere 03 FRANCE
フランス
地方: LANGUEDOC
ラングドック
地区:
 
VdP: MONT BAUDILE
モン・ボーディル
生産者: DOM. L'AIGUELIERE 輸入者: 片岡物産(株)
review
 これまで当日記に未掲載のVdP。 エチケットの雰囲気を見て購入(いわゆるジャケ買い)したもの。

 やや褐色の入ったルビー色で、透過性が高い。 ゴム臭があり、安いピノのような感じ。セパージュはわからないが、 地方からしてグルナッシュ等が主体と思われるのだが、その割りには軽やかな印象。
 甘味が強めだが、タンニンには力がない。まろやかな味わい。 繊細というよりは、パワー不足。

 値段も中途半端で、それほど期待はしていなかったが、 もう少し何か取り柄が欲しかった。
評定: D 価格 1,890円(本体価格1,800円+消費税90円) 購入店: Ciel江坂店(大阪府吹田市)

本日までで・・・今月合計7本/今年合計92本/当日記累計1046本



[当日記における評価基準]

 絶対評価ではなく、支払う価格に対して内容が見合っているかどうかの評定です。 例えば1,000円のwineなら、ちょうど1,000円の価値あるものがC。同様に5,000円のwineなら、 ちょうど5,000円の価値あるものがCです。

 A = 特質すべき個性。価格に比し、極めて優れたクオリティ。(とってもお買得)
 B = 非凡な特徴があり、価格を上回るクオリティ。(お買得)
 C = 概ね価格に見合ったクオリティ。(価格相当)
 D = 凡庸で特徴に欠ける。価格に比し、やや劣る。(少しもの足りない)
 E = 価格に比し、著しく劣るクオリティ。(買い損)

 なお、各ランクよりやや上回るものに+、やや下回るものに−を付けています。例えばC+とは、 若干価格を上回るクオリティを表します。また、通常の評価枠を超えた素晴らしいものにはAAランクを付与しています。

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