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2007年3月


2007年3月30日
 道徳に点数を付けようとする愚かさ

 政府の教育再生会議が、学校での「道徳」の時間を教科に格上げするよう、提言するらしい。
 決して先祖返りなどではない、と説明しているらしいが、安倍内閣の一連の復古趣味の一環としか、私には思えない。

 どうやって道徳を点数付けするのか。そもそも道徳なんてものは、 教師や親が、自らの生き様をもって伝えるもので、教室で教えるようなものではない。 ましてや成績付けするなんて、言語道断である。

 私は以前から一貫して主張しているのだが、いわゆる偏差値教育は、決して悪いことではない。 たかが学校の成績である。偏差値反対派が主張するように、偏差値が高いからといって幸せな人生が送れるわけではないし、 ましてや人間の価値が計れるわけでもない。単に学校での勉強の成果を比べているだけである。
 偏差値反対派が言う「学力ではなく人間性で評価せよ」なんてことになったら、 そっちのほうがよっぽど危険である。学力は否定されてもたかが学力だが、 人間性が否定されたら、人は生きてゆけない。
 道徳を点数付けするというのも、同様の極めて愚かな行為である。
 結局、秩序で人を縛り付けたいという思惑を持った一部の人たちが、 こういう提言をするのだと思う。国の押しつける「秩序」であれば、 ただ妄信的にそれに従う人間は善で、逆らうヤツは悪ということになる。 そういう社会を望む連中が、こういったくだらないことを言い出すのだろう。
 こんな提言をしようとする連中にこそ、「道徳」に赤点を付けてやりたい。


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