時事ネタコラムのページ [利酒日記別室]

2009年2月


2009年2月25日
 日本は良い国だと言ったら、怒られた


 今日のタイトルは、最近よくTVでもそのお姿を見るようになった、 田母神俊雄・前航空幕僚長の言葉である。

 TVでの発言とかを見ていると、 とても実直だし、ユーモラスな部分もあって、 番組の素材としては、見ていて非常に面白い人であると思う。
 だが私は、上記の発言が、どうしても理解できない。

 「日本は侵略国家ではない」という発言が、どうして、 「日本は良い国だ」と言ったことになるのか。

 主語を国家ではなく、一人の人間に置き換えてみよう。

 「私は人を傷つけたことがありません。 決して人に嫌われるようなことをしない人間です。」

 このような人を、「良い人だ」と思うだろうか?
 私は思わない。そのようなことを言う人間を、私は嫌いである。

 「私は人を傷つけたことがあるし、いつも迷惑を掛けている人間です。 自分でも気づかないところで、他人に嫌われているかもしれません。」
 私が親友と呼べる人たちは皆、このようなメンタリティを持っている人だ。

 「各人の発言が、意図しないところで人を傷つけているかもしれないことは、 万人に共通のことで、それをいちいち反省する必要はない。 自分だけがへりくだる必要はない。お互い様なのだから。」
 そう反論したい人もいるだろう。 だが、そういう反論にこそ、私はとても違和感を感じるのである。

 自分の発言や行為によって、他者を傷つけてしまう可能性のあることは、 たとえそれが万人に共通のことだとしても、たとえそれが無意識下の行為だとしても、 私が存在するだけで誰かを苦しめているかもしれないという事実を、 十字架として背負い続ける人間でありたい。これは私の人生のテーマである。

 自分を正当化するような行為は、「誇り」でもなんでもない。 自分たちがいかに愚かであるかを自覚し、他者の過ちには寛容であること。 それが、平和の精神だと思うのだが。


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