時事ネタコラムのページ [利酒日記別室]

2009年12月


2009年12月24日
 Merry Christmas


 「何がクリスマスだって? こっちはクルシミマスだ」  「サンタクロースが来るって?  もうサンザン苦労スルってんだ」  などと古典的なオヤジギャグを夜更けにふと思い出してしまう 今日この頃、皆様いかがお過ごしですか。と、どこかの有名ブログみたいな書き出しで始めてみる。

 今年は本当に経済環境が厳しいというのが、私の周りの人たちの共通した意見。 実際、私がシガナイ経営者になって以来、今年が一番きつい年であった。

 こんな年の瀬に、文字通り日本を代表するお金持ちの方の金銭スキャンダルが話題となっている。 元公設第1秘書が在宅起訴、元政策秘書が略式起訴されたが、 首相本人は不起訴となった。

 なんでも、閣僚を起訴するためには内閣総理大臣の同意がいるとのことで、 だから総理本人を起訴することは事実上できない、という理屈らしい。理屈にもなっていないが。

 「私は知らなかった」との上申書を提出したから、関与していなかっただろうと推定されるとのことだが、 「知らなかったら許されるのか!」と突っ込まれること必定である。

 一般国民に置き換えてみれば、「振り込まれているのを知らなかった」あるいは 「貸与を受けていると思っていた」けれど、 いやそれは贈与に当たるんですよと指摘されたので、「それなら税金を払います」という話である。

 もちろん首相本人の責任は免れないが、それでは野党自民党が言うように、 今すぐ辞任すべき、あるいは、解散して国民の信を問えという話かというと、 私はそうは思わない。 裏金を着服したとか、使途が不明瞭というようなケースではない。

 私のようなシガナイ自由業者でも、ウン十万円の報酬が振り込まれるのを、 いつ振り込まれるんだろう?と、気にしていたら、実は先月末に既に入っていた、 気づかなかった、 なんてことがあったくらい(ついこの間の実話です)だから、 それを1,000倍くらいにすると、鳩山さんクラスになるんでしょう。 まあ、決して許されることでないのは、再度言っておくけれども・・。

 せっかく政権交代して、色々とつくり替えようと、奮闘している最中である。 率直に謝罪し、払うべき税金は払って、職務を全うしてほしい。 ご本人は、もし「辞任せよ」という国民の声が高まったら、真摯に受け止めなくてはいけない とも話している。まさにそうすべき時がきたら、自身で判断するということなのだろう。 それでいいと思う。

 首相に指導力がない、本当の権力者は小沢幹事長だ、といった声があり、 自民党の舛添議員が、今自民党に必要なのは小沢さん以上の独裁者だなんて発言していて、 それが党執行部批判だということで、物議を醸している。

 私が以前から違和感を抱いているのは、「政治には強力なリーダーシップがいる」とか、 「国を強く導いてくれる人に首相になってほしい」といった声が多いこと。 私はそれにはまったく反対である。 上に立つ者が強大な権力をもつと、ろくな事にならないのは、歴史が証明している。 トップはいっそのこと、デクノボーでいいのである。

 まさにおぼっちゃまで人の良すぎる鳩山首相は、周りに気を遣いすぎているようにも見えるが、 もし小沢さんが首相にでもなったら、小泉政権の二の舞も考えられる。 安倍政権時代も含めて、数にモノを言わせて 悪法をどんどん成立させていったあの時代のような悪夢は、もう見たくない。

 これは私自身の人生観に寄るところが大きいのだが、 人の意見も聞かずに自分のやりたいことをドンドン進め、 それでいてパッと見はジェントルに見えるコイズミ某みたいな男が、一番キライなんである。 それよりも、周りを気にしすぎてなかなか決断できないような人のほうが、 圧倒的に好きだ。 異論を封殺し、ヒーロー気取りで自分の信念を貫いて行動するのがリーダーシップだというのなら、 私はいつまでも優柔不断な人間でありたいとオモフ。

 ミンナニデクノボートヨバレ
 ホメラレモセズ
 クニモサレズ

 そういう人を、私は尊敬する。私もそうありたい。

2009年12月31日
 2010年への提言 −さらに多様性を認め合う社会へ−


 2009年最大のニュースは、タイガーウッズの・・いえいえ、 のりピーの・・No No、なんといっても政権交代ではないだろうか。

 私は特定の団体を支持するという発想がないので、 過去も現在も民主党支持者ではないが、現政権は支持する。 前政権を支持していなかったことは、当コラムを読んでいただいている方には、 おわかりのことと思うが。

 特定の価値観、特定の政治信条、特定の歴史認識・・だけを正しいものと主張する人に対しては、 どうしても反発してしまう。だから、自公政権下での「郵政改革騒動」や、「美しい国物語」 には非常に危機感を抱いていた。まずはそこから脱却したことを、喜びたい。

 民主党は寄せ集めだから、意見がバラバラだと非難する声があるが、 バラバラだからこそ健全ではないか。

 現政権で、国民新党の亀井大臣が暴走していることに対して、 同党がべつに多くの有権者の票を得たわけではないのに、亀井さんは勘違いしているのではないか? といった意見をよく聞くけれども、少数政党だから黙っていろという声こそ、 少数意見を封殺しようとする危険な発想である。

 亀井氏の問題は、彼が小党の代表者だからではなく、一閣僚としての立場を、 時に逸脱するような言動を行う点にある。だからそれは、与党内で民主党対国民新党という、 力関係をわきまえていないといったことでは断じてなく、内閣における役割分担の問題なのだ。 連立政権という意味では、3党は対等であるべきだ。 "数合わせ"などといって批判する人は、単に国民新党や社民党が嫌いなだけだろう。

 政権交代して良かったと思うのは、 これまでの「強者の論理」から軌道修正がなされていること。 当コラムで常に主張してきたが、これまで「自己責任」と称して、 弱い者を踏みにじっても素知らぬ顔を決め込むような、 非人間的な価値観がはびこっていたことは、この数年間の最大の不幸であった。

 自己責任とうそぶき、自分は自分の努力で勝ち組に入ったなどと主張するのは、 最悪の恥知らずである。どんな人でも、明日はどうなるかわからない。 もちろん、自分もそうなるかもしれないからという理由ではなく、 どんな立場、境遇の人をも認め、支え合う社会が、理想である。

 近年は不景気だから人が皆イライラしていると言われることも多いが、 皆が苛立っていることの原因の一つに、排斥し合う人間関係というものがあるように、 思えてならない。

 排斥し合う社会から、認め合い許し合う社会へ。

 私のこういった主張には、あからさまに嫌悪感を抱く人々がネット上には多いようだが、 きっと人から無条件に認められ、許されたことがない淋しい人たちなのだろう。 あなたが好き、あなたを認めると言われて、気分の悪い人はいないはず。

 そういう温かい人間関係、当たり前の人間関係に、回帰したいと切に願う。
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 1年間当サイトをご覧くださいまして、ありがとうございました。 2009年は、2000日連続更新も達成いたしました。今後どこまで続くかは未知数ですが、 2010年も気長にお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。



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