時事ネタコラムのページ [利酒日記別室]

2012年2月


2012年2月15日
 だから、京都は・・・。


 JR東海が建設を予定している「リニア中央新幹線」の名古屋と大阪の間の停車駅について、 奈良市周辺に設置というJRの計画に、京都市が噛みついている。

 いわく、一国全体の経済効果を考えたら、京都を素通りするなど考えられない、ということらしい。

 部外者ではあるが、同じ関西の大阪在住者として、また一鉄道ファンとしても、これは黙ってはいられない。

 そもそもJRの構想としては、リニアは東海道新幹線を補完するいわばバイパス路線であり、 同じ所を通す考えはないとのこと。その主旨もさることながら、 素人考えとしても、既存の新幹線とは別の都市を通した方が、新たな需要を掘り起こす効果も期待できるから、 私は奈良ルートが当然と考えていた。

 そこへ、「なぜ京都を通らないのか」発言である。

 一関西人として、敵を作ることをいとわずにあえて書こうと思うが、 京都が疎ましく思われている原因の一端が、まさにここに表れている。

 私は個人的に、京都に知り合いが少なからずいるけれども、はっきり言わせてもらう。

 京都人の発想は、まさに中華思想。自分たちが中心であることが、当然のような発言をする。 あまりにも傲慢、不遜ではないか。

 しかも駅の建設費用を地元に求めるとしていた方針をJRが転換し、 自社が全額負担すると表明した矢先のことであり、厚かましいにも程がある。 「京都と奈良は在来線でわずかの時間だから(京都を通しても大差はない)」 と京都市長が発言しているが、それならば奈良を通しても同じことではないか。 奈良が不便になるわけでないなら京都を通して当然と言わんばかりのその発想自体が、 手前勝手な論理だ。

 既に黙っていても観光客の押し寄せる京都に、リニアまで呼び込む必要性などない。 名古屋と大阪を直線的に結べば当然三重・奈良を通過するルートなのであり、 わざわざ迂回して京都を通した東海道新幹線と並行させる必要はない。 予定どおり奈良ルートで進めるべきだと思う。

 ちなみに、終点の大阪市のターミナルをJRが計画している新大阪ではなく、大阪駅にすべきであると 大阪市長が主張しているが、これもとんでもないことである。詳細はまた別の機会に述べたいと思うが、 私は予定どおり、新大阪駅にすべきであると思う。


2012年2月24日
 憲法を踏みにじってもどこ吹く風のトンデモ政治家 (いや、憲法がおキライだから)


 大阪維新の会についてはこのページで度々話題にしてきているけれども、 橋下氏が大阪市長に就いてから、その暴走ぶりに拍車がかかっている。

 私にとっては毎日1つは必ずというくらい、彼らの所行に腹の立つことがあるのだが、 もうなんだか一々書くのも面倒くさくなっている。いや、思い出すだけで反吐が出そうなくらいに 気分が悪くなるので、もうどうでもいいや、という気すらしている。

 でも、と、思い直した。

 そういった思考停止状態の人間を多くつくり出すことが彼らの本当の狙いなのであり、 そこにまんまと引っかかるわけにはいかない。声を上げ続けなければいけないのだ。


 大阪市が全職員を対象にアンケート調査を実施した問題で、大阪府中央労働委員会は 「不当労働行為の恐れがある」として、調査の中止を市長に勧告した。これを受け、 市特別顧問の弁護士を中心とする調査チームは、調査の凍結を発表した。

 これは当然の措置だと思っていたところへ、今度は、その調査とは別に、 市職員が送受信した業務用のメールを極秘に調査していたことが発覚した。

 「思想調査ではない。そんないやらしいことはしない」と市長は言うが、 この一連の行為は、人の懐に黙って手を突っ込むことに他ならない。 明らかに憲法19条違反である。

 ほんとにこのヒトはわかりやすいヒトである。

 スター面して人気者になり、移ろいやすい世論を味方につけた上で、自分と違う思想の持ち主を弾圧する。 気にくわないヤツを力でねじ伏せる。組合を潰すのが目的だから、 調査の内容などはどうでもよく、オレに歯向かったらどうなるか覚えておけという態度で脅し、 職員の中に「物言えば唇寒し」のムードをつくる。もうその目的は、十分に達せられている。 なんという強かさ。

 維新の会は憲法改正も打ち出しているが、それに関連して記者から「9条についてはどう考えるか」 と尋ねられた時、「持論はあるが今は言う時ではない」などと、さらっとかわしていた。 ここに、彼のずるさが凝縮されている。 自分に不利となる議論を呼びそうなことには口をつぐみ、他の耳障りの良い事で世論を引きつけ、票を集め、 民意を受けたのだから白紙委任を受けたも同然などと、とんでもないことを平気で言い出す。

 白紙委任など、ありえない。 選挙の時に、心に秘めていた政策をすべて有権者にわかりやすく説明したのか。 都合の悪い事は黙ったまま、カッコの良いことだけで票を集めたのではなかったか。 それで「民意を受けた」とは、図々しいにも程がある。

 君が代斉唱時に起立しなかった教職員に対する厳罰も、彼らのやりたかった最大のことの一つである。 悪者をつくり出し、鬱憤の貯まった思慮の浅い"民意"をひきつけるなど、彼らにとってはお手のもの。

 大阪でこれから学校の先生を目指す有能な皆さんには、大阪府内ではなく、ぜひ他府県に行って教職に就く事をお薦めする。 大阪はこれから、異論を許さない国粋維新教に染まって行く。こんなところで優秀な教師が育つはずがない。 維新を信奉し、自由を憎む軍国主義者だけが、大阪で公務員をやればいい。

 橋下氏がツイッターで次のようにつぶやいたらしい。

「世界では自らの命を落としてでも難題に立ち向かわなければならない事態が多数ある。 しかし、日本では、震災直後にあれだけ「頑張ろう日本」「頑張ろう東北」「絆」と叫ばれていたのに、 がれき処理になったら一斉に拒絶。全ては憲法9条が原因だと思っています。」

 結局、9条憎し、なのだ。都知事閣下からも好かれて当然である。

 私は、橋下氏が大阪へのがれき受け入れに積極的な姿勢を見せた点だけは高く評価するが、 それに反対する意見は9条のせいだという物言いは、あほらしすぎる。理屈にも何もなっていない。 結局、自分と意見の合わないヤツはすべて敵という彼の思想が、端的に表れている。 9条だけでなく、19条も変えたいんだろうなあ。

 人の痛みを知り、助け合う心は、こんな恐怖政治からは絶対に生まれない。 力で他者を蹴落とす事を奨励する維新政治こそが、 がれきを拒否するようなわがままを助長しているのだ。

 人を思いやる気持ちは、自由と寛容の中からしか生まれない。維新政治とは180度違う。

 冷淡で、狭量で、好戦的で、危険な国にしてはならない。 「改革」連呼にも辟易するが、こんなものは断じて改革ではない。私はこれからも声を上げ続けて行く。


2012年2月28日
 朗報


 久しぶりに、かなりうれしいことがあった。

 中3の息子が小学生の時に仲良くしていた同級生で、進学先が分かれてしまったために、 疎遠になってしまった子がいる。 小学生ながら独学でHTMLを学び、自分のホームページを作っていたような聡明な子だ。

 6年生の時、彼は中学受験で国立大附属にチャレンジしたのだが叶わず、地元の公立中学に進んだ。 成績がたいへん良かった子だけに、大きな挫折感を味わったに違いない。 彼のお父さんは、「高校受験で大逆転すればいい」と言って、励ましたそうだ。

 そして3年。

 彼が、全国的に名をはせる私立高校に合格したと聞いた。

 私は、それを知って、涙が出そうなくらいにうれしかった(いや、実際ウルッときた)。よくやってくれた。 よく頑張ってくれたと。べつに、名門校だからすごいということではない。 思春期の子が自分で目標を設定し、それを見事にクリアしたということが、 子を持つ親の立場として、純粋にうれしいのだ。よその子のことなのに、祝杯を上げてしまったくらいだ。

 ウチの息子や友達が私立中学に進んだのを横目で見て、彼は多分、秘めたる気持ちを力に変え、 頑張ったのだと思う。その心の内を思うと、彼のこれからの大活躍を願わずにはいられない。

 このことで、ウチの息子も何かを感じてくれればいいのだが。 今春から高校だというのに、自分がこの先どの道に進みたいのか、何をしたいのかわからないなどと言っている息子が。

 でも、父親のこんな思いは、口に出すべきことではないだろう。

 親としてできることは、ただ自分の今の仕事を精一杯、まじめにやることだけだろう。 そして、我が子のどんな選択も柔軟に受け入れる心の準備をしておくことだけなのだろうと、思う。



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