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2013年5月


2013年5月25日
 維新の思想に戦慄


 日本維新の会共同代表で大阪市長の橋下徹氏が、 一連の従軍慰安婦についての発言をめぐって各方面から厳しい批判を受けている。

 「慰安婦制度は当時必要だったと言っているだけで、自分が必要と思うなどとは発言していない」 といったような、苦しい言い訳を繰り返しているが、実にこの人らしいと言わざるを得ない。

 いつもは、自分が不利になる前に、自分のペースに巻き込んで言いくるめるという姿勢だが、 形勢が不利になると、見定めた敵を罵倒し、会話を一方的に断ち切る。 それでも収まらない場合や、自分が完全に間違っていた場合には、 およそ非論理的な屁理屈をこねくり回す。

 今回は、その最後のステージまで到達してしまったわけだ。 マスコミが自分の真意とは違う報道をしたとか、 果ては日本語の読解力がないとか言い訳をくりかえし、見苦しいことこの上ない。

 元慰安婦の方々と面会したいと言っていたが、政治利用されたくないと、断られてしまった。 当然の結果であろう。

 そもそも、軍人の性欲処理に慰安婦が必要だとする発想は、石原慎太郎共同代表の価値観とまったく同じで、 女性をモノとして見るがごとき許されざる発想である。 彼らの根本思想がはっきりと表れている。自分が必要と思ったわけではないというのは、 言い訳に過ぎない。こんな発想が出てくることそれ自体が、非人間的である。 強制連行があったか否か、などということは、問題の本質ではない。 万一連れ去りのような事実がなかったとしても、そのように追い込んだことが既にして犯罪なのだ。

 維新は、米国に誤解をされないように、慰安婦を sex slave と訳されることを阻止しなければならないとも発言しており、 こういった小手先の言葉遊びで責任逃れをしようとする姿勢は、安倍首相とも通ずるものがある。

 ところで、元慰安婦の方々との面談が中止になったことについて、 日本維新の会所属の中山成彬衆議院議員が、自身のツイッターに 「橋下氏に強制連行の中身を鋭く追及されるのをおそれたか?化けの皮がはがれるところだったのに残念」 と投稿したらしい。

 この記事を読み、私は絶句し、戦慄した。

 国会議員としての資質云々という以前の問題として、 このような男を、人間と呼ぶべきではない。



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