世論の反対を完全無視して強行採決した特定秘密保護法の成立を皮切りに、 いい気になった首相の暴走はエスカレートするばかり。正当な市民デモをテロ呼ばわりする 幹事長のアシストもあり、もう手が付けられない傍若無人ぶりだ。 この勢いで、集団的自衛権行使容認も憲法解釈の変更でやってしまおうと、 益々鼻息が荒い。

　身の回りをお友だちで固め、あげくにＮＨＫの経営委員や会長まで すべて安倍カラー。 首相は、この国を全部自分の色に染め上げるつもりらしい。

　そのＮＨＫ経営委員の一人（本業作家）が、東京都知事選の応援演説で、 他候補を汚い言葉で罵るなど、言いたい放題。 もう何でもありの様相を呈している。

　戦後最悪の独裁者の下で、この国がどんどん危険な方向に墜ちている怖さを感じる。 私は今、本当に何かアクションを起こさなければ、取り返しのつかないことになる と思う一方で、政権が暴走すればするほど、政権崩壊の日が近づいている とも感じている。

　ＮＨＫの籾井新会長が就任したその日、 会長が１０人の理事全員に、日付を空欄にした「辞表」の提出を要請したことが発覚した。

　２５日の衆議院の総務委員会に理事１０人全員が出席。 民主党の福田昭夫議員からの質問に対し、全員が辞表を提出したことを認めた。

　これはつまり、新会長がいつでも理事の全員をクビにできることを意味する。 自分の意に反するヤツは切るという意思表示である。

　安倍政権が発足してから、このようなとんでもない事態が、 どんどん進行している。言うまでもなく、籾井氏は安倍首相の息の掛かった 人間だから、政権に楯突く人間はすべて切るという意図であろう。

　ひどい、を通り越して、わかりやすいというか、安っぽいというか、 こんな所業がいつまでも許されるわけはないという印象を、世間に強く与えた出来事だ。 昨年から、こういったニュースが非常に多いので、私はそのたび強い怒りを覚え、 テレビに向かってものを投げつけたい衝動に駆られる。

　卑しくも「受信料」を徴収して組織を維持している放送局が、 こんな事態に陥ったならば、もうその存在意義は失ったというべき。 ＮＨＫは、即刻解体すべきである。

　今後、受信料支払い拒否は激増するだろうし、政権への批判は増大するに違いない。 身から出た錆とは、このことである。

　籾井氏の更迭はもちろんのこと、選んだ首相の責任も、徹底的に追求すべきである。