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2014年4月



2014年4月8日
 市場原理主義者にきいてみたい


 公営事業は非効率だから、何でも民営化すればいいといった 単細胞的な議論がこの十年来、横行している現状に、閉口している。

 競争に任せたからといって、すべてがうまく行くわけではないのは、 随所で実証済だというのに。

 その端的な例が、今般いよいよサポートが終了する Windows XP(OS)だ。

 Microsoftの言い分は、「これまで再三にわたってXPを使い続ける危険性を告知し、 最新OSへの乗り換えサポートも行ってきているのだから、 それでも乗り換えないという人は、危険にさらされたとしても自己責任だ」 といったもので、およそユーザーのことを親身になって考える姿勢など感じられない。

 そもそも消費者の支持によって発展してきた営利企業が発売する一商品であるのに、 まるで行政が提供するサービスみたいに、「お前らのニーズに合わせて提供してやっている」 といわんばかりの姿勢は、大いなる勘違いと言わざるを得ない。

 競合相手がいないからこうなるのだ、と、市場原理主義者は言うのだろうが、 大事なことは、市場の自由競争に任せた結果がこの現状だということ。 自由競争させたところで、PC関連の市場のように "Winner takes all" の市場にあっては、 先に場を押さえた者が、このように我が物顔で振る舞う結果となる。

 もし公営企業ならば、卑しくも市民の税金で運営されているという最後の義務感があるから、 なんとか市民の利益を護ろうとする行動をとるものだが、 利益追求を旨とする営利企業が市場を独占してしまうと、 「効率性や儲けを追求して何が悪い?」といった傍若無人な行動に出るから、たちが悪い。

 今回のWindows XP サポート終了にみるMicrosoftの非常識な行動を、 市場原理主義者たちはいったいどう正当化してみせるのだろうか。

 まさか、「イヤなら使うな」なんて、暴言を吐いたりはしませんよね?



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