時事ネタコラムのページ [利酒日記別室]

2014年6月



2014年6月5日
 1日も休まなかった10年間の歩み


 当サイトは、2004年6月6日から1日も休まず毎日更新を続け、 本日でついに満10年に到達しました。

 この間、当サイトはどういう経過を辿ってきたのか。 いや、この10年間というよりは、当サイトの開設時に遡って、 これまでの歩みをまとめておきたいと思います。

 当サイトを開設したのは、2000年7月のこと。 尊敬する 安ワイン道場 のような、 日々の生活の中で飲んだ身近なワインについて、その感想を公開すると共に、 自分自身のために記録しておきたい。その思いから、ワインのテイスティング記録である 「利酒日記」のページを強力なメインとして、サイトを構築しました。 「はじめに」のページで、その背景を語っています。

 同時にスタートした「ビール・発泡酒・チューハイの部屋」は、 当初は市販品に対する自分の意見をつらつら述べるコラム的な位置づけでしたが、 特定の商品の味について端的にレビューする場へと、すぐに鞍替えしました。

 その「ビール・発泡酒・チューハイの部屋」では、当初は偶然手に取った商品などの感想を 散発的に書くだけでしたが、次第に新製品を追うようになり、気づいてみれば、 どこよりも早く、どこよりも多く、世に出回っている製品を網羅したいという 思いに駆られるように。今では大手メーカーの製品はほぼ完璧に近い形でフォローし、 他の追随を許さない掲載数であると自負しています。 また、この体制のお陰で、レビューする製品が途切れることなく、毎日更新が 可能となっています。

 私は元々欲張りなので、サイトにはあれも書きたい、これも書きたいという 気持ちが強く、他にも「珈琲主義」「葡萄酒教徒の日常茶飯事」など、 様々なページを設けてきました。しかし、 継続性と内容の充実という点において、上記2大コンテンツこそが、 当サイトの存在意義と今ではなっています。

 特に思い入れの強かった、2005年開催の愛・地球博については特別ページを設けました。 既に9年前の出来事ですが、未だにそのまま残してあります。 また、地元関西で応援している阪神タイガースについては、今も日々勝敗を追っています。 このように、分野は多岐にわたっています。

 サイト開設から14年。毎日欠かさず更新するようになってから丸10年。 これは私の性格ですが、「続ける忍耐力がある」のではなく、「やめる勇気がない」 と言ったほうがしっくり来ます。それで、泊まりがけで出かける時にはPCを持参し、 あるいは朝に当日分を更新してから出かけるようにし、日々の日課をこなしてきました。 風邪をひいて、高熱を出し、お酒どころではない日もありました。 家族に見咎められないように、こっそりと缶を開け、鈍った舌で、何とか味を探しました。 怪我をして、ズキズキと痛み、アルコールなんてホントは飲んではいけない日もありました。 自分でも、なぜここまでするのか、狂気の沙汰ではないか、と思ったものです。

 一銭にもならないどころか、お金と時間を使って、どうしてそこまでするのか。 身近な友人たちからは、そういう質問を受けることもあります。 どこか出版社にでも売り込んで、本にすればいい。そう助言してくださる方もいます。 でも私は、ただ続けることだけが目的であり、そこに何の疑問もなく、またそれ以上のことも考えてはいません。 もし、見出してくださる人がいるのなら、もっと世に広まる形に変わる可能性もゼロではないかもしれないけれど、 ビジネス指向の人がしばしば口にする「自分から売り込まなきゃ」といった姿勢は、 私が最も忌み嫌うものでもあります。 必要なら誰かが声を掛けてくれるし、声が掛からないということは、 必要とされていない証です。

 結局、自己満足に過ぎないし、何か足跡を残したいという、ささやかな願望でもあるのかもしれません。 足跡という意味なら、他にもサイトは開設しているし、 仕事関連とそこから派生する分野で色々なところに論文を発表したり、 書籍を出版したりもしています。だから、当サイトでやりたいことは、 まったく仕事とは関連のない世界で別の自分を表現したい、居場所を作りたいということ、 なのかもしれません。

 連続10年を達成し、もうあまり肩肘を張らなくてもいいかと感じています。 もっと気楽にやれればいいのだけれど、でもやっぱり、これからもまるで仕事と同じように、 絶対に欠かさず日々継続するという姿勢を変えることはできないかもしれない。 なぜなら、続けることは苦痛ではなく、既に快感になっているから。

 多くの方から「毎日楽しみにしています」というお声を頻繁にいただき、 この上ない喜びを感じています。願うことは、私の率直な意見、レビューが、 「買ってみよう、試してみよう」という気持ちを喚起し、 「おいしかった」の輪を広げることにつながり、メーカーさんの売上にも貢献できること。 また、時に商品に苦言を呈することで、少しでもお酒文化、嗜好品文化の 進展に寄与することができたら、申し分ありません。

 これからも独自の視点で率直に「味」を表現してゆきます。 皆様の応援に、心から感謝申し上げます。

2014年6月5日
K氏の葡萄酒的日常 WEBマスターK 敬白


2014年6月15日
 統計を悪用した、素人騙し手法


 しんぶん赤旗 というのを知っている人はそんなに多くないかもしれないが、 日本共産党の機関誌である。昨今の右傾化したこの国で、特にネット上などでは 悪の権化のように言われることもある。

 もちろん、政党の発行する機関誌であるから、 党の主張を正面から書いているのだが、それは当然のことと言っていい。


 読売新聞 というのを知らない人はいないと思うが、 日本最大の発行部数を誇る全国紙である。

 読売新聞社という民間の報道機関が発行するものであるから、政党の機関誌などとは違い、 いわばジャーナリスト精神に基づいて、誰か特定の主張を代表するものでは ないはずの新聞である。それだけに、 多くの国民から信頼を寄せられ、たくさん売れているのだと思う。

 その読売新聞社と系列の日本テレビを含むNNNが今般、集団的自衛権に関する世論調査を 行った。

 日本テレビなどで報道されたその調査結果は、 「必要最小限度であれば集団的自衛権の行使を認めることについて、支持すると答えた人が 5割にのぼる」というものであり、これが大々的に報道されていた。

 「安倍総理は、政府の有識者会議の報告を受けて、政府与党で検討をすすめています。 あなたは、国民の生命・財産や国の安全を守るため、 必要最小限であれば、集団的自衛権の行使を認めることを、支持しますか、支持しませんか?」
 という質問に対し、「支持する」と答えた人が49.9%いたというのだ。 ちなみに「支持しない」は33.5%、「わからない、答えない」は16.6%であった。

 同調査をもう少し詳細にみると、 「集団的自衛権の行使を認めるよう憲法解釈を見直すこと」については、 「支持する」が33.5%、「支持しない」が47.5%で、実は2択では支持しない意見のほうが多かった。

 参考URL:
日本テレビ世論調査


 このような世論調査というものは、その手法の中身について、 一般人にはあまりなじみがないかもしれない。だから多くの人は、 報道された結果だけを見て、その"ムード"を受け入れてしまいがちである。

 世論調査などの社会調査を行うにあたって、最も慎むべきことは、 調査者が特定の意図を持って、ある特定の結果に導くような調査方法をとることである。 これは、統計学を勉強すると、真っ先にと言っていいくらい、 やってはいけないこととして教科書に書かれていることである。

 つまり、ある政策などが「支持されている」という結論を導きたいがために、 そこに誘導するような質問を設けて、調査を行うことは、 最もやってはいけない、いわば卑怯な手口と言えるものである。

 集団的自衛権の行使容認に関しては、 報道機関によって「行使容認を支持する/支持しない」の2択で調査を行っている社がある一方で、 「行使容認を支持する/必要最小限度であれば行使容認を支持する/支持しない」 の3択で調査を行っている社もある。

 たとえばこんな設例を考えてみて欲しい。

 「あなたは他人に嘘をつくことは良いことだと思いますか?」 という質問に対し、
 1.良いことである
 2.重病の告知など、告げないほうがいいと思った場合には、嘘をついたほうが良い
 3.いかなる場合であっても、嘘をつくことは良くない

 という3択であった場合、3を選ぶ人はそんなに多くはないのではないか。 そして、1と2を合わせて、「嘘をついても良い」と答えた人の比率が高かったのだと、 そう結論づけることだってできる。

 そんな騙しのような手法なんて、と思った方も多いだろうが、 今回のNNNの世論調査は、この程度の安っぽい手法で作り上げられているのだ。

 いやしくも日本を代表する大マスコミが、 こんなあからさまな素人騙しの手法(しかし、統計学的には許されざる手法)で、 世論調査を行い、大々的に報じている。 こんな卑怯な手口を使ってまで、 集団的自衛権の行使容認を正当化したいのが、読売グループなのである。

 読売新聞は、自民党の広報誌だと、はっきり謳うべきだ。

 代表者と安倍首相が蜜月であることは、皆が知っていることでもあるし。


2014年6月21日
 このオヤジだけが特別じゃない。こういう手合いはどこにでもいる。


 東京都議会の一般質問で、晩婚化や妊娠出産に関する都の政策を求める塩村文夏都議の質問中に、 「お前が早く結婚すればいいんじゃないか」「子供が産めないのか」といったヤジを浴びせられた問題が、 大きな話題となっている。

 報道では自民党の席のほうから聞こえたということだが、 当の自民党は発言者を特定しないまま、幕引きを図ろうとしているらしい。

 塩村議員のtwitterによれば、ご本人は発言の主が誰であるのかほぼ分かっているとのことだが、 発言者は一刻も早く自ら名乗り出るべきだ。

 「ヤジは議場の華」などという言い回しもあるらしいが、 議場であってもヤジなんてのはいい大人のすることではない。 まして、このような人権侵害にあたる発言は、どんな場所であっても 決して許されることではない。

 昨今、社会的弱者などを踏みにじって恥じることのない安倍政権の台頭で、 こういう勘違いオヤジがますます勘違いを増幅させている。 こういったセクハラ発言をしたくてたまらないオヤジが、そこかしこにいる。 私は、同じ世代の人間として、こういう輩を最も許し難いと思っている。

 さすがに自民党内部からも、批判の声が上がっている。 当然のことである。発言者は潔く名乗り出て、議員辞職すべきだ。



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