時事ネタコラムのページ [利酒日記別室]

2017年09月


2017年9月23日
 自己保身しか考えていない首相がついに暴挙へ


 安倍政権が、臨時国会を28日に召集する旨、与野党に通達したと報じられた。 これについて菅官房長官は、「野党からの招集要求を受け、国民生活に関わる内外の課題に対応するために招集する」 と説明したらしいが、法案提出の予定は一切ないという。 それはつまり、招集した国会の冒頭で、首相は衆議院を解散するつもりだからである。

 野党4党が憲法の規定に基づき臨時国会を開くよう要求していたのに、それを無視し続け、 3か月以上が経ってようやく応じるかと見せかけて、結局何の審議も行わないということ。

 冒頭解散するための国会召集に何の意味があるのかと記者に問われると、官房長官は、 「国際的には北朝鮮問題、国内においては自然災害。色々な問題があることも事実ではないでしょうか」 と述べたという。相変わらずこの人は、木で鼻を括ったような態度で意味不明な言葉を白々しく言う。 解散総選挙が、それらへの対応を遅らせることになるというのに。

 今解散に踏み切る理由は、@内閣支持率の持ち直し、A民進党のゴタゴタ、B小池新党の準備不足 などだと言われているが、最大の理由は、いわゆるモリカケ問題の追及から逃げたいということだろう。 報道等で自身に不利な情報がどんどん出て来て、首相は、臨時国会で少しでも追及を受けると、 とんでもない事態になるということがわかっているのだ。 だから、国会審議を完全拒否して、冒頭解散するしか道がないのだ。

 そう考えると、表向きの上記3つの理由など副次的なもので、たとえ議席を減らそうが、 今解散することが最もダメージを小さくする唯一の方法なのだ。 さらに、文科省が大学認可の結論を出す前に解散してしまいたいという思惑もあるだろう (そのために文科省の結論を10月まで先送りさせたと言われている)。

 疑惑に対して、国民の前で丁寧に説明すると言いながら、結局まともな説明などまったくしてこなかったし、 する気もないということがはっきりした。それは当然だろう、説明などそもそもできないからだ。

 ここまで政治を私物化し、国民を愚弄する政権があっただろうか。 様々な疑惑が発覚してからの一連の対応や、官房長官をはじめとする、人をバカにしたような話し方を見ていると、 本当に腹が立つ。戦後史上最悪の政権だと私は思う。

 今多額の税金を使って選挙をすることには怒りを禁じ得ないとしても、 選択の機会が与えられるのだから、明確な意思表示をしたい。 この期に及んで、他に選択肢がないからという理由で与党を勝たせるような、 そこまで落ちぶれた国でないことを願うばかりだ。

2017年9月27日
 国難って、何?


 国難突破解散、だという。

 森友・加計問題についての説明が不十分と考える国民が大多数という中で、 一切の質疑を拒否して臨時国会の冒頭で解散するのはなぜかとの記者の問いかけに対し、 今この国に降りかかる国難は待ったなしだからだと答えた首相。

 ではその「国難」とは何かと問われた際の首相の答えに、思わず吹き出してしまった。 言うに事欠いて「少子高齢化」だという。

 消費税を10%に増税する際の増税分の使い道について、 従来は増税分約5兆円のうち4兆円程度を借金返済に充て、1兆円を社会保障に充てる予定だったものを変更し、 2兆円程度を幼児教育無償化等に充てるという。

 「税こそ民主主義。使い道を見直す大きな決断をする以上、直ちに国民に信を問わなければならない」 とのご託宣だが、これほどウソと身勝手な理屈に満ちた説明もないだろう。

 今始まったわけではない少子高齢化を突如持ち出してきたのは単なるお笑いぐさだが、 これに隠れたウソや欺瞞を指摘すれば、いくつも出てくる。

1. 消費税の使い道を変えるからその是非を問うという屁理屈は、 増税延期するからその是非を問うという前回の解散と同じ手口だが、 こういうことは、まさに国会で議論すべきことではないのか。

2. 消費税を8%に上げるとき、当初は増税分の全額を社会保障に充てるとの説明だったのに、 財政再建がぜひとも必要だからということで、後に国民の信を問うことなく勝手に使途変更したはずである。 つまり、勝手に裏切った過去はないものにして、今またドヤ顔で「教育に充てる」と言い出しただけのこと。

3. そもそも支持率が高いときには社会保障などには見向きもしないくせに、 票が欲しいときだけ急にこのようなリベラル寄りの政策を打ち出してみせるのは現政権の常套手段であるが、 その通りに実行した試しなどないこと。

4. あれだけ国民の反対が多かった安保関連法や共謀罪法については国民の信を問うことなく、 特に後者については、委員会採決を省略した中間報告という形で本会議に送るという反則技まで繰り出して強行採決したくせに、 今どうしても解散したいから耳障りの良い、理由にもならない理由を持ち出したとしか思えない。

5. モリカケ問題を追及されたくないから、質問や攻撃を一切受けないためには冒頭解散しかないというのは、 誰の目にも明らかなのに、選挙戦を通じて説明していく、相当厳しい戦いになるなどと、 この期に及んでも白々しいことを平然と言い放っている。 選挙期間中に与野党直接対決の場面がないのは明らかであるし、報道も抑制的になることをわかっているからこその解散であって、 逃げ以外の何物でもない。

6. 現在の国難の一つとして北朝鮮問題があると言えるが、だとしたら、こんなときに選挙などやっている場合ではないはず。 その北朝鮮問題にしても、他国首脳とは違って、ただ一人米国大統領を煽るような発言を繰り返している。

7. これまでの経済政策が奏功して景気が良いから、予定どおり増税を断行するとも説明していたが、 現在の景気は、@出口戦略などまったく考えていない、政府と一体となった日銀の史上初めての無節操な金融緩和による円安誘導で、 あからさまに輸出産業を支え続けていること、AGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の投資比率を勝手に変更し、 株式市場への年金資金の兆単位の大量投入による「株価操作」などに起因する見かけ上の活況であって、 末端の国民にはその恩恵は及んでいない。果たして増税断行できる状況と言えるのか。