ビール・発泡酒・チューハイの部屋

No.321〜340


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2004年9月7日 
No.321 サントリーチューハイ ダブル搾り 桃ダブル 白桃&黄桃

ダブル搾り 桃ダブル  ああ、そうか。まだ出てなかったのか。と気づかされたような製品。 サントリーは以前から桃味チューハイが得意なので、満を持して大御所登場という感じか。
 缶を開けた瞬間の香りは、さすがおいしそうである。天然の桃というより、 人工っぽい香りなのに、だからこそいい香り。桃の魅力が強調されている。
 ただ、その期待感も、一口含んだ瞬間に急速に萎える。甘いのだ。実に、甘いのだ。"甘ったるい"というほどではないので、 余計にこの中途半端さが気にかかる。
 以前の製品、たとえば「清涼感」とか「青春チューハイ」で感じたみずみずしい驚きは、 既に過去のものとなった。ダブル搾りのイメージを貫くためには、 果汁の濃厚さが必要だというコンセプト上の問題はよくわかるのだが、これはフルーティというよりもただ濃いだけ。
 モモ果汁8%、アルコール分5%。原材料は、桃、ウオツカ、ピーチリキュール、糖類、酸味料、香料、炭酸ガス含有。
 このダブル搾りは、これまで取り上げたものとしては、レモングレフルオレンジ葡萄とあるが、 いずれも傑出した魅力には欠ける。本格指向なのか中途半端なのかわからないこのキャラクターは、 いったいいつまで続くのか。


2004年9月9日 
No.322 キリンチューハイ 氷結 グリーンアップル

氷結グリーンアップル  リンゴではなく青リンゴを選んだところに、氷結らしさを出そうという意気込みが感じられる。
 何しろ他社のリンゴ味チューハイは、かなり甘いものが多い。糖類や香料不使用の メルシャン本搾りチューハイですら、ほんわかした味わいだ。 そこで、氷結らしくスキッとした感じにしようと思えば、青リンゴという選択はナイスである。
 さて、中身。
 香りはいかにも酸味がきつそうだが、青リンゴというよりは、紅玉(最近、見ないね。実物は)。
 炭酸のぴりぴり感と相まって、酸がシャープな味わいを作る。口中に少しひりひり感が残るほどである。
 人工的な味ではあるけど、イメージどおりのものを意識的に作ったという点では評価できる。 もちろん2年前に出たアップル・ヌーボーとはだいぶ違う。
 果汁3.5%、アルコール分5%。原材料は、りんご果汁、ウォッカ、糖類、酸味料、香料、酸化防止剤(ビタミンC)。
 例えば居酒屋でビールをたくさん飲んだ後の口直しにこれを飲んだらいい感じ。そんな味だ。


2004年9月12日 
No.323 酔茶(よいちゃ)チューハイ / キリン

酔茶チューハイ  500mlのペットボトルに入っている。パッケージを一目見ただけだと、 確実に緑茶か烏龍茶だと思ってしまう。「これはお酒です」の文字もあるが、目立たない。 そのうちデザイン変更を余儀なくされるんじゃないだろうか、と心配になる(キリンは氷結の例もあるしね)。
 麦焼酎を使った玄米緑茶チューハイ。
「麦焼酎と玄米緑茶のうまみがいきた、香ばしくすっきりした味わいの玄米緑茶チューハイです。 無糖・無着色・無炭酸」と書いてある。
 深緑にやや褐色が入った液色。濃い緑茶といった風情。はじける玄米の香りがなんとも香ばしく、 深みがある。これ、ほんとに酒なのか??
 口に含むと、焼酎の上品な甘味が広がる。緑茶の苦味と柔らかなアルコール感がうまく溶け合っている。 そして鼻腔のあたりには、炒った玄米の香ばしさが漂う。
 思わず、旨い、と唸る。
 正直言って、飲むまではキワモノ的に思っていた。こんなに絶妙な作りとは思わなかった。
 強い酒が売れず、ロー・アルコール全盛。その中でもチューハイは今やスター的存在。 そこに、健康イメージをかぶせれば、鬼に金棒。
 アルコール分5%。原材料は、焼酎乙類(麦焼酎)、ウォッカ、緑茶、玄米、香料、酸化防止剤(ビタミンC)。
 ウォッカを使ってるところに技巧を感じるが(焼酎だけだとくせが強くなっちゃうしね)、 何より驚くのが、「製造者・キリンビバレッジ株式会社」ってとこ(ちなみに販売者が麒麟麦酒株式会社)。
 今やグループ企業挙げての総力戦ってのは珍しいことじゃないけども、「生茶」でヒットを飛ばしたソフトドリンク部門 のノウハウを積極的に活用ということか。
 この商品、たぶん、中高年の女性に一番受けるんじゃないかな。500mlってのは、普段酒を飲み慣れない女性が飲み干すのには きついかもしれないけど、そのためのペットボトルなんだな。無炭酸だし、2、3日に分けて飲んでもへっちゃら。
 実によく考えられてるぞ、この商品。あっぱれ、である。


2004年9月15日 
No.324 サントリーチューハイ ダブル搾り 林檎ダブル 赤リンゴ&青リンゴ

ダブル搾り 林檎ダブル  まだまだ頑張るこのシリーズ。今度はリンゴ。赤リンゴ&青リンゴというのは、 確かグリコにそんなジュースがあったような。味も自ずと想像されるというもの。
 まず香りだが、想像をかなり超えるような、いやらしく強烈かつ人工的なもの。 必要以上にツンと匂い立つ感じ。味の最初のインパクトも、炭酸と酸味が相まってぴりっと強い。 こんなにシャープなものを予想していなかったので、ある意味驚く。
 ぼやけたものの多いリンゴ味チューハイの中では、とてもシャープな部類。 と、ここまで書いて、先日の氷結グリーンアップルを思い出した。ほぼ同じような感想だった。 そうか、これはキリンへの挑戦状だったのだな。というか、同じ土俵でおこぼれをもらおうという姑息な戦術か。
 アルコール分5%。リンゴ果汁7%。原材料は、リンゴ、ウオツカ、シードル、糖類、 酸味料、香料、炭酸ガス含有。
 最近の缶チューハイ市場は、キャラクターの近いところでのつばぜり合いといった感が否めないが、 そもそもチューハイのバリエーションなどたかが知れているから、 商品としての奇抜なアイディアとか、面白い売り方とか、何か抜きん出たものがないと、 ロングセラーになるのは難しいと思う。そのあたりの厳しさは、サントリーが一番身にしみてわかっているはず。


2004年9月16日 
No.325 ドライクーラー ゴールド・アップル / アサヒ

ドライクーラー ゴールド・アップル  ちょっとしたリンゴチューハイバトルである。
 キリン氷結グリーンアップルサントリーダブル搾り林檎ダブル と、最近チューハイの世界は、リンゴ味の新製品が目白押し。 これまで甘いものが多かっただけに、各社シャープな味わいを出そうと努力しているようだ。
 さて、昨日新発売のこの製品はどうだろう。
 まず香りを嗅いだ瞬間、キリン氷結グリーンアップルにとても似ているなあと思う。 但しこれはグリーンアップルではなく、ゴールドアップルなのだが。
 味わいは、このシリーズ共通のとても淡泊で素っ気ないもの。素っ気ないというと否定的な響きだが、 リンゴ味でこのスッキリ感は特筆もの。いくら飲んでも甘ったるさを感じず、香りにもいやみがなく、 すべてにおいてそつがない。もちろんこのあっさり感は、人工甘味料に負うところが大きいのだろう。
 果汁2.4%、アルコール分5%。原材料は、ウオッカ、ワイン、ブランデー、リンゴ果汁、 ホップ抽出物、リンゴ抽出物、果糖、酸味料、香料、甘味料(スクラロース)。 糖質50%オフ、ホップポリフェノール配合。 製造者ニッカウヰスキー株式会社、販売者アサヒビール株式会社。
 ここまで3社のリンゴフレーバーを比べた結果では、この製品に最高点を与えたいと私は思う。 氷結も「らしい」作りで、このドライクーラーも同じく「らしい」作りだが、 リンゴを使っての完成度という観点から、こちらに軍配を上げたい。
 まったく甘ったるさがないので、このシリーズのコンセプトである食事の邪魔をしないという点もクリアしているし、 ビール代わりにごくごく飲むこともできる。
 ちなみにゴールドアップルではなく、ゴールデンアップルだったら、昔のファンタみたいで良かったのにね・・。


2004年9月19日 
No.326 ドライクーラー ホワイト・グレープ / アサヒ

ドライクーラー ホワイト・グレープ  ドライクーラーの新製品。今度は、ホワイト・グレープ。
 缶のデザインがシャープでよい。白というかアイボリーを基調として、黒とシルバー。そこに、 緑色のぶどうのイラスト。商品特性をうまく伝えるデザインといえる。
 香りは他社のぶどうもの(例えば、キリン氷結シャルドネ・スパークリングなど)に似て、 優しく甘いマスカットフレーバー。
 味は当然あっさり系だが、きっちりとぶどうが前面に出て来てふんわりした甘さだが、ピリッとした炭酸が 引き締める。後味スッキリで、飲み飽きない。
 果汁3.5%、アルコール分5%。原材料は、ウオッカ、ワイン、ブランデー、ブドウ果汁、 ホップ抽出物、リンゴ抽出物、果糖、酸味料、香料、甘味料(スクラロース)。 糖質50%オフ、ホップポリフェノール配合。 製造者ニッカウヰスキー株式会社、販売者アサヒビール株式会社。
 このドライクーラー、最初のレモングレフルが出たときは、 「ああ、またやっちゃったよ」的がっかり感があったものだが、 今回の新製品2種で、大きく挽回したと思う。この調子で、アサヒらしさを前面に出して戦って欲しい。


2004年9月20日 
No.327 本搾りチューハイ バレンシアオレンジ / メルシャン

本搾りチューハイ バレンシアオレンジ  この製品、缶を見ただけでは、これまでの本搾りオレンジ と見間違う。よく見れば、緑文字で VALENCIA ORANGE とあり、新製品だとわかる。
 オレンジチューハイは、各社とも苦戦しており、決定打がないので、それだけに本搾りには期待がかかる。
 さて、中身は?
 まず香りだが、まさに今オレンジを搾ったかのように酸がはじけ、みかんの皮のような苦そうな香りが伴う。
 味も酸が強く、苦味を伴ってシャープ。甘味の弱いオレンジを使ったんだろうな、という感じ。 ただそのことが、これまでのオレンジチューハイとはまったく違った世界を作っている。
 シリーズに共通の、糖類、香料、着色料不使用。
 果汁はなんと50%! アルコール分4%。原材料は、オレンジ果汁、ウオツカ。
 ついにオレンジチューハイの真打ち登場。そう宣言したいと思う。


2004年9月22日 
No.328 カロリ。アセロラ / サントリー

サントリー カロリ。アセロラ  健康系チューハイ・カロリ。から新製品。
 アセロラチューハイというのは、私の知る限り、これまでタカラ・スキッシュくらいしかなかった。 が、なかなか良いチョイスだと思う。
 香りはアセロラというより、もう少し尖りがなく、チェリーのような感じ。 香りからは雑味が感じられず、実にスッキリ。
 味は確かに、アセロラ。チェリーやクランベリーよりもシャープで、収斂性のある酸。 甘味料の甘味を、酸がうまくマスクしている。酸っぱい飲物が苦手な人には、勧められない。 また、薬臭いと感じる人もあるかも知れない。
 果汁2.5%、アルコール分4%。原材料は、アセロラ、ウオツカ、糖類、酸味料、香料、甘味料(アセスルファムK、 スクラロース)、炭酸ガス含有。
 アサヒ・ドライクーラーを見ていても思うが、最近各社とも、人工甘味料の薄ら甘さは鋭い酸でマスクしたほうがよい と気づき始めたかのようだ。このカロリ。も、当初の製品はスッキリというよりも薄ら甘い感じだったのだが、 このアセロラでは、うまく隠すことに成功している。
 カロリ。史上、最高点をあげてもいいと思う。
 それにしても、製品名に「カロリ。」と句点(。)が入るので、文章がとっても読みづらくなるなあ。


2004年9月24日 
No.329 フルーツブルワリー アップル / アサヒ

フルーツブルワリー・アップル  ついに一昨日、全国発売となり、わが関西でも入手可能となった。 しかし、東京で爆発的人気という噂も聞かない。はたしてどんなもんだろうか。
 液色や泡立ちを見る限り、普通の発泡酒と何ら変わるところはない。 ビールより明らかに薄い感じ。
 香りを嗅ぐと発泡酒臭さはあまりなく、その代わり、やんわりとした甘い香りが感じられる。多分、フルーツ由来のものだろう。
 アサヒだから当然、スッキリ系なのだな、と思いきや、 口に入れた瞬間ぶっ飛んだ。とっても甘酸っぱいじゃないか。 アップルだとわかっていても、あまりそうは思わないから、もし中身を明かされずに飲んだら、 絶対にリンゴだとは答えないと思う。もっとベリー系の甘酸っぱさだ。
 この酸味、少し表現は悪いが、腐敗しかけの果実みたいな味。
 果汁と麦汁を同時発酵(synchronize-brew)という。発泡酒ベースのカクテルかと思っていたが、そうじゃなかった。 味わいからすると、甘いリンゴジュースの中に発泡酒をブレンドしたような感じだ。
 一世を風靡していない理由がわかったような気がする・・。
 アルコール分4%。原材料は、麦芽、ホップ、スターチ、りんご果汁。
 ところでこの製品、発売日にコンビニでみつけたのだが、2本セットでしか売っていなくて、 アップルとラズベリーをそれぞれ2本ずつ買ってしまった・・。ということで、ラズベリーは後日。


2004年9月27日 
No.330 フルーツブルワリー ラズベリー / アサヒ

フルーツブルワリー・ラズベリー  正直あんまり気乗りがしないけど、1種だけ取り上げてもう1つは取りやめというわけにもいかないので、 先日に引き続き、今日はラズベリーを。
 グラスに注ぐと色はとてもきれいな赤。泡もピンクで美しい。
 アップルと同じように香りはおとなしめ。 発泡酒臭さはほとんどなく、いちごジャムのような甘いベリー香。
 口の中に甘味が広がり、果実味とともになぜか米飯のようなアミノ酸的味わいが。 爽やかというのでもなく、甘ったるいというわけでもなく、どうにもつかみ所のない、 褒めるところのない出来映え。
 アップルに比べれば、こちらのほうがまだビールっぽい味が感じられる。 しかし、これを喜んで飲む層というのは、酒好きでは絶対にないし、 酒の弱い人たちでもない。人と違うもの、新奇なものをファッションとして飲みたいという 一部の若者に限られると思う。ということは、残念ながら絶対に長続きしないと断言できる。
 アルコール分4%。原材料は、麦芽、ホップ、スターチ、ラズベリー果汁、糖類。
 2種とも残念な結果に終わった。ベルギーのクリークなどとも違うし、なんとも評しがたい中途半端さ。 かわいそうだけど、これは売れません。


2004年9月28日 
No.331 シングルメイド アップル / サッポロ

シングルメイド・アップル  確かこれは関西先行発売だったと思う。だから、他地域の方はまだご存じないであろう。 わが関西でも、発売日は9月29日なのだが、例によって本日28日夜、コンビニでゲットした。
 最近、チューハイや発泡酒の新製品が相次いでいるが、これは果汁から作った発泡性果実酒だ。 特にこれはりんごだから、この分野の先駆者はニッカ・シードル。 必然的に比べてしまうことになる。
 液色はまさにスパークリングワイン。香りは、ツンと酸が立ったリンゴ香。
 甘味は極力抑え込まれ、酸味主体のスッキリした飲み心地。 飲み込んだ後にも変な甘味とかが残らない。
 秋の夜長、ワイングラスに注いで優雅に楽しむのもよいが、 真夏の風呂上がりに缶のままごくごく飲んでもおいしい。食事のお供にも良さそう。
 とても汎用性の高い果実酒。予想以上の実力に驚いた。
 アルコール分5.5%未満。香料、炭酸ガス含有。
 ニッカ・シードル(ドライ)よりもこっちのほうがよりシャープだが、 残念ながら味わいに深みはない。その点を除けば、及第点。


2004年9月29日 
No.332 シングルメイド グレープフルーツ / サッポロ

シングルメイド・グレープフルーツ  昨日に引き続きシングルメイドの今度はグレープフルーツ。
 濁っているのかと思いきや、液色は透明で、アップルよりもさらに薄い白ワイン風。 100%グレープフルーツジュースの香りをかなり強調したような香り。ライムのような感じも伴う。
 甘くないということは当然承知の上で口に入れたが、予想以上に甘味がなく、 極めて強い酸が味の中心。ライムっぽさというか、化粧品臭さみたいな感じが残るが、 それ以上にヒリヒリする酸がいつまでも残る。
 味の系統が何かに似ていると思ったら、サントリー・グレフルのどうしようもないほどの甘さをきれいさっぱり取り除くと、 ちょうどこんな感じになりそう。どちらもグレープフルーツ果汁を発酵して造ったお酒だから、似ていて当然なのだが。
 アルコール分5.5%未満。香料、炭酸ガス含有。
 フルーティでありながらこのシャープさは、大人の味わいと言える。
 それにしても、これ、何で関西先行発売なのだろう。東京のほうがより受けそうだけれども。


2004年9月30日 
No.333 タカラCANチューハイ スキッシュ ダブルミックス バーモント りんご&はちみつ

スキッシュ WMIX バーモント  いかにもメジャー商品にはなれそうもない、WMIXの季節限定品。 りんごとはちみつでバーモントである。
 缶を開けると、果汁含有量の少ないりんごジュースみたいに、ツンとした香りが立つ。 それとともに、はちみつの甘さも。
 口に含んだ瞬間に、その2つの味わいが、見事に溶け合って広がる。 酸も強いけれども、はちみつの甘い味わいもはっきりとあり、それでいて後に甘ったるさを残さない。 炭酸も強く、確かに甘いのに爽やかな飲み口。不思議なバランス。
 シリーズに共通の「クリアな炭ろ過水使用」だとのことである。それがどれだけ味に影響しているのか定かではないが、 よいイメージを与えていることは確か。
 アルコール分5%、果汁5%。原材料は、りんご果汁、はちみつ、りんご酢、スピリッツ、高果糖液糖、 酸味料、香料。
 タカラ製品のクオリティの高さは、当サイトでは以前から幾度となく強調している。 もっと売れていいはず。例えばキリン氷結のように、時代を動かす大きなうねりにまでなり得ないのは、 ひとえに販売チャネルの問題であろう。とても残念だ。
 例えば、近年のソフトドリンク業界におけるコカコーラ社をみれば、このあたりの問題が、よくわかる。
 いまや、炭酸飲料だけでなく、コーヒーや、緑茶分野まで、同社は市場を席巻している。これは、品質が評価されたのでは決してなく、 以前から既にして業界の雄だったから不得意分野でも市場を押さえることができたにすぎない。 そして、その力が、実力のある下請け業者を引き寄せることにも成功し、 名だけでなく実力も着実につけ、本当によい製品を出せるまでになった。
 こういう、強者がますます勝つ業界構造、私は大嫌いである。なんとかせねば、と思う。 でも、昨今の、弱者が無条件で虐げられる世情では、正論を言っても無視されるだけ。
 私が無心にタカラを応援するのは、こういう背景があるからに他ならない。 がんばれ、宝酒造。


2004年10月1日 
No.334 タカラCANチューハイ バランスプラス 赤ぶどう

バランスプラス 赤ぶどう  さて、昨日に引き続いてタカラ製品。
 せっかく昨日ほめておいた後で恐縮だが、タカラの製品ってのは、どうもこう垢抜けないものが多い。 たとえ中身が優れていたとしても、見た目にアピールしないパッケージってのは、どうにも損をしている。 そういう類に、これは分類される。
 缶を開けた最初の香りは、甘いグレープキャンディ。角がなく、ただ優しい。
 口に含むと、炭酸が炸裂。この刺激は心地よい。が、 アルコール飲料ではなく、グレープ・スカッシュ?ってな感じがする。 アルコール感が全然なく、ひたすらシャープで爽快。ただ、甘みが平板で、間抜けた感じで、いかにも人工甘味料。
 そして、少し気になるのが、タンニン分(渋味)の引っかかり。わざと強化しているのかな。
 アルコール分5%、果汁3%。原材料は、ぶどう、ブルーベリー、ラズベリー、スピリッツ、 水溶性食物繊維、糖類、酸味料、グルコン酸K、乳酸Ca、ブドウ種子抽出物、香料、 塩化Mg、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)。ポリフェノール52mg、ミネラル(Ca/K/Mg)。 糖質80%オフ。カロリー40%オフ。
 原材料を見ると、ベリーミックスといった感じで、ぶどうだけでこの味わいが造られているのではないことがわかる。
 これは、系統としては、サントリーカロリ。に近いが、今さらの感は否めない。
 ひっそりとコンビニの片隅で売られているのをみつけたものだが、脚光を浴びないまま消えてゆきそうな商品。残念。


2004年10月3日 
No.335 タカラCANチューハイ バランスプラス ルビーグレープフルーツ

バランスプラス ルビーグレープフルーツ  タカラ・バランスプラスの今度はルビーグレープフルーツ。
 香りはフレッシュで、甘い。確かに普通のグレープフルーツではなく、ルビーだ。 味は、香りの優しさに比べて、シャープ。甘味が抑え込まれているせいだ。
 赤ぶどうと比べると、こちらのほうが酸がある分だけ、人工甘味料の中途半端さがマスクされている。 きりっとして、後味もスキッとして、爽快だ。まあ、味わいのようなものを求めることはできないのだが。
 アルコール分5%、果汁3%。原材料は、グレープフルーツ、スピリッツ、水溶性食物繊維、糖類、香料、酸味料、 アミノ酸(アラニン、アルギニン、バリン、ロイシン、イソロイシン)、グルコン酸K、乳酸Ca、 塩化Mg、甘味料(スクラロース)。アミノ酸700mg、ミネラル(Ca/K/Mg)。糖質80%オフ。カロリー40%オフ。
 アルコール感が全然ないので、ジュース代わりにごくごく飲める。


2004年10月6日 
No.336 オーガニック100 ピルスナータイプ / サッポロ

オーガニック100  9月29日に発売されたサッポロの新製品。最近流行のワンウエイ小瓶入り。
 香りに派手さはなく、抑制の利いたホップの香り。泡立ちは繊細だが、あまり持続しない。
 口の中にかなり強い、しかし表面的な苦味を感じる。重みはなく、表層的で、 ピルスナーといっても、いかにも日本的な味。
 変なえぐみとかはなく、後味はすっきりしているので、ぐいぐい飲めてしまう。 この一本気な味わいを好ましく思う人は、ファンになるだろう。 そういうわかりやすい製品。もっと中身が詰まっていてもいいかな?とも思えるストレートさだ。
 裏ラベルに、 「澄んだ黄金色・しっかりとしたボディとのどごしの良さが特徴のピルスナーを、 ドイツ産有機栽培原料100%でつくりました。」との説明が。
 原材料:有機麦芽、有機ホップ。アルコール分約5%。
 ところでこれ、わざわざ「ピルスナータイプ」と名付けているのは、 12月に同じオーガニック100の「ウインナータイプ」が発売されるからである。 その時にはまた当然、当サイトで取り上げる予定である。


2004年10月8日 
No.337 白麒麟 / キリン

白麒麟  確か2001年から毎年冬季限定で発売されている発泡酒。リニューアルしたとのことで、早速試す。
 グラスに注いでいるときの香りは、悪くない。軽快なホップの香りが心地よいと感じるほど。 随分品質が向上したなあという第一印象。ただ、見た目には泡のきめが細かすぎ、ちりちりした感じなので、 明らかにビールとは違う。液色は濃いめ。
 口に運ぶと、最初のインパクトに結構厚みがあって、苦味もずしっとくる。だが、その後の伸びというか、 ボディが薄く、やっぱり発泡酒だとわかる。
 とはいえ、RICH TASTEという名前に違わぬ品質を備えた発泡酒だと思う。 昨年までのこの製品のクオリティを考えれば、かなりの実力アップだと言っていい。
 アルコール分5,5%。原材料:麦芽、ホップ、大麦、米、コーン、スターチ、糖類。
 よくぞここまで来たものだという一種の感慨もある。しかし、景気の回復とともに、 発泡酒市場も今後、大きな発展性は見込めないのでは?
 これまでは、不景気の救世主のように温かく迎えられた発泡酒だったが、 今後は日本も所得の階層化(イヤな言葉だが、現実はその方向へ向かっている) が進むにつれ、我慢してまで発泡酒を飲まなくても良い層はビールに回帰するから、 基本的に発泡酒しか飲むことのできない層だけがユーザーとして残ることになるだろう。
 もちろん、「発泡酒しか飲めない」というのは大げさな表現。毎日飲んでいたのを1日おきにするとか、 2本を1本にするとかすればビールも飲めるだろうが、そこまで考えず、ただ毎日漫然と 「発泡酒しか飲まない」層、言いかえれば「発泡酒に慣れてしまった層」が発泡酒市場を支えてゆくことになる。 言うまでもなく、味にこだわりがなく、より良い製品を探求しようという意欲も乏しいので、 そういうユーザーに支えられた商品の市場は、じり貧にならざるを得ない。
 これが、今後の発泡酒市場に対する私の見方だ。


2004年10月10日 
No.338 シングルメイド レモン / サッポロ

シングルメイド レモン  アップルグレフルと取り上げたシングルメイドだが、レモンが残っていた。
 まず香りだが、何というか重々しく、内にこもった柑橘香。変に華やかな感じにはしていないところに 好感が持てる。
 一口含むと、予想に違わぬ酸の鋭さ。思わず「酸っぱ〜い」と叫んでしまうほど。 甘味はかなり抑え込まれているので、酸だけが際立つ。これが狙いなんだろう。
 私はレモンの酸は好きなので、かなり好印象だが、柑橘の酸が苦手な人にはお勧めしない。 ソフトドリンクも含めて缶入り飲料でここまで酸っぱいのは珍しい。 こういう個性は良いと思う。
 3種類飲んでみて、どれも甘くなく、シャープで、大人の味わいに仕上がっている。 前にも書いたが、なぜこれを関西から先行発売したのか謎である。
 アルコール分5.5%未満。香料、炭酸ガス含有。


2004年10月12日 
No.339 タカラCANチューハイ バランスプラス ふじりんご

バランスプラス ふじりんご  これまで、赤ぶどうルビーグレープフルーツと取り上げたが、 バランスプラスは3種(今のところ)あって、残る1種がこれ。
 香りは人工香料を使った、ありきたりなりんごジュースのよう。 口当たりは思いのほかスキッとして、強めの炭酸も爽快。甘味は抑えられているが、りんごの密のようなほのかな甘さが ふんわりと広がる。
 飲み進んでも口の中が甘ったるくなることはないが、反面、"いかにも"な人工甘味料がうにゃっと口中に残る。 これは、この製品に限らず、糖質オフチューハイの宿命だが、どうしてもこの最後の薄ら甘さが気になってしまう。 ルビーグレープフルーツの時に書いたが、もっと酸が強ければ、うまくマスクできるのに、 りんごフレーバーではどうしても限界がある。
 アルコール分5%、果汁3%。原材料は、りんご、りんご酢、スピリッツ、水溶性食物繊維、糖類、香料、酸味料、 グルコン酸K、乳酸Ca、塩化Mg、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)。 食物繊維5.2g、ミネラル(Ca/K/Mg)。糖質80%オフ。カロリー40%オフ。
 3種の中では、これが一番ありきたりな商品かな。


2004年10月15日 
No.340 タカラCANチューハイ スキッシュ ダブルミックス マスカット&ライチ

スキッシュ WMIX マスカット&ライチ  タカラスキッシュWMIXから出ている季節限定品は、マスカット&ライチ。ライチフレーバーというと、 どうしても甘そうなイメージがつきまとうが、はたしてどうだろう。
 まず香りは、ライチの甘い雰囲気が良く出ているが、押しつけがましくなく、 透明感がある。ぶどうっぽさは感じない。 確か、昔のグリコ・キスミントガムに、こんな感じのフレーバーがあったような(ライチミント?だったかな?)。
 口に入れると、予想以上にシャープで驚く。さすがはスキッシュ。 炭酸の刺激が良く効いていて、ライチの甘さはあまりなく、ほのかに香るのはマスカットの抑えられた甘さ。
 飲み進んでも、ぜんぜん甘ったるくならない。とてもキレがよい。
 アルコール分5%、果汁4%。原材料は、マスカット果汁、ライチ果汁、スピリッツ、高果糖液糖、酸味料、香料。
 実は今日、あまり甘いものは飲みたくないなあと考えながら開けたのだが、これならもう1本飲んでもいい。


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