利酒日記

2002年5月


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2002年5月5日  ROUGE
LAGAR VELHO 1995 / DOURO(D.O.C.)
ラガール・ヴェーリョ / ドウロ
ポルトガル、DOURO

 12本11,000円で購入したうちの1本。単体価格は\1,000。
 濃さはないが、やや褐色がかった赤紫で、適度に熟成感がある。少し生臭さを伴い、ゴムのような香りもあるので、 軽めのブルゴーニュのような印象。口当たりはほんのり甘く、酸が豊かなので、ブルゴーニュというより、もう少し温かい地域で育てたピノ・ノワール のようでもある。重みやふくらみはない。繊細で、落ち着きがある。小さな巨人といったら言い過ぎだろうか。ヴィンテージのわりに幼く、 若そうでいてある種老成している。"とっちゃん坊や"のようなワイン。
<評定:C+>

2002年5月6日  ROUGE
RIOJA (D.O.C.) CRIANZA 1996 / AZABACHE
リオハ・クリアンサ / アサバチェ
スペイン、RIOJA

 赤ばかり12本15,000円で購入したうちの1本。単体価格は\1,500。
 色はやや褐色に傾きかけているが、青みもある。樽由来のヴァニラ香がとても豊かで、魅惑的な香り。 香りのなめらかさは、クリームやヨーグルトのようですらある。味わいも香りの印象そのまま。 尖りがなく、適度に酸があって、ジューシー。余韻も深く、心地よい。とてもグラマラスなワイン。 それほど期待していなかっただけに、驚いた。
 今日は、4家族合同のバーベキューに持参して真っ昼間から飲んだのだが、夜にもっとじっくりと飲みたいワインであった。 肉に合っていたことは言うまでもないが。
<評定:A>

2002年5月11日  BLANC
DYNASTY MEDIUM DRY
ダイナスティ・ミディアム・ドライ
中国、TIANJIN(天津市)

 赤白取り混ぜて12本11,000円で購入したうちの1本。単体価格は\780。当日記初登場の中国ワイン。
 色はやや緑がかっているものの、意外にもしっかりしている。香りは、ライチのような感じと、 まるでニガウリとかアボカドのような深緑で硬い皮の匂いを直接嗅いだようなグリーンな印象がある。 その意味では、一面ゲヴュルツ的であり、また一面ソーヴィニヨン的でもある。 奥のほうにムスクのような感じもあり、その段階で初めて、ミュスカのワインであることがわかる(エチケットにMuscat grapesの文字あり)。
 味わいは湿った緑っぽさが強く、あまり質の高くないソーヴィニヨンを思わせる。後味にも湿っぽさとセルロイドのようなニュアンス。 酸が結構強いので、すっきりはしている。
 造り手名が、"The Sino-French joint venture Dynasty winery Ltd."とあるので、フランスの技術が入っている模様。 表エチケットは英語表記だが、裏面には中国語がある。「王朝半干白葡萄酒」とあるが、半干とは、medium dryであろう。 「配料:100%鮮葡萄汁、微量抗気化剤」とは面白い。
 初体験の中国だったが、この安い値段でこの品質は何らの不足もないし、これだけ楽しませてもらえて十分だと思う。 積極的に人に薦める気にもならないのだけれど。
<評定:C>

2002年5月13日  ROUGE
MOILLARD PINOT NOIR "LA CAJOLE" 1999 / VIN DE PAYS D'OC
モワラール ピノ・ノワール "ラ・カジョル" / ヴァン・ド・ペイ・ドック
VIN DE PAYS

 透明感のあるルビー色だが、かすかにレンガ色に傾きかけている。香りは甘酸っぱくフルーティで陽気な印象と、 確かにピノであると思わせるゴム的香り。南仏らしいと思いつつ口に含むと、味わいは予想に反しシャープ。 端正な酸の広がりと、抑制の効いた後味。パワーこそないものの、決してたるんだ印象はない。 柔らかでありながら、きりっとしたところもあるワイン。
 数ヶ月前に購入したまま開ける機会のなかったもの。正確な購入価格は忘れたが、1,000円弱だったと思う。 今日の夕食、マグロのヅケ丼に合うだろうとチョイスしたものだが、見事にマッチ。 また、切干大根にも、べったら漬け(関西ではなじみがないかもしれないが、白くて甘い東京風たくあん)にもよく合っていた。
<評定:B>

2002年5月16日  BLANC
KENWOOD VINTAGE WHITE 2000
ケンウッド・ヴィンテージ・ホワイト
アメリカ、CALIFORNIA州、SONOMA

 淡いレモンイエロー。香りは、おとなしめの柑橘系と、奥のほうに白い花のような香り。極めて奥ゆかしい。 味わいもおとなしく、酸も甘味も苦味も、すべて控えめ。バランスは取れているので、非常に飲みやすい。 が、とりたてて誉められる点もないので、及第点をあげられるかどうか、微妙なところと言える。
 カリフォルニアの白にしては、自己主張が強くなく、面白みに掛ける。アンバランスいいから、もっとブワーッとした感じのほうが、 カリフォルニアらしくていいと思う。これを嫌いと言う人は少ないと思うのだが、積極的に賞賛する声もないであろう凡庸なワイン。
 12本11,000円にてネットで購入したうちの1本。単体価格は、\1,390。ややがっかり。
<評定:C−>

2002年5月19日  ROUGE
MOULIN D'ISSAN 1998 / BORDEAUX SUPERIEUR
ムーラン・ディッサン / ボルドー・スペリュール
BORDEAUX地方、AC:BORDEAUX SUPERIEUR

 気がつけば本当に久々のフランスAOCものの赤。ネットで赤ばかり12本15,000円で購入したうちの1本。単体価格は、\1,690。
 やや青みは残すもののヴィンテージのわりにはどっしり感が感じられるガーネット。 土のような落ち着いた香りがあり、期待感は上々。口当たりは柔らかく、タンニンもこなれた印象。 すっきり端正で、ひっかかりがない。後味の若干の粉っぽさも好印象。
 久しぶりに、飲むというよりゆっくり味わえるワインだ。この値段でも十分ボルドーを実感できる。
<評定:B>

2002年5月25日  BLANC
MUSCADET SEVRE ET MAINE SUR LIE 2000 LE SOLEIL NANTAIS / GUILBAUD FRERES
ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ・シュール・リー ル・ソレイユ・ナンテ / ギルボー・フレール
VAL DE LOIRE地方、PAYS NANTAIS地区、AC:MUSCADET SEVRE ET MAINE

 12本11,000円にて購入したうちの1本。単体価格は\990。当日記では、以前に1999年ヴィンテージが登場している。
 色はほとんど無色といってよいほど。香りは乾いた芝生のような緑っぽさがあり、柑橘香はあまり感じない。 ミュスカデらしく酸のキレがよく、すきっとしているが、後味にまでグリーンな感じがあり、爽快感を少し邪魔している。 が、トータルとしてのクオリティに不満はない。スカスカで水っぽいものよりは、数段いい。値段に見合っている。
<評定:C>

2002年5月26日  ROUGE
GLASS MOUNTAIN MERLOT 1998 / MARKHAM VINEYARDS / CALIFORNIA
グラス・マウンテン メルロー / マーカム / カリフォルニア
アメリカ、CALIFORNIA州

 12本15,000円で購入したうちの1本。単体価格は、\1,748。
 色はやや赤みが強く、ほどほどの濃さ。最初の香りをかいだ瞬間に、高級ワインの風格を感じる。 樽の豊かなヴァニラ香に満ち、若干コーヒーのような焦げた感じもあり、へヴィーでゴージャス。 味わいは、ほろっと丸く、口に含んでから飲み干した後までカスタードにも似た樽香が支配。 じんわり甘味が残るのは、いかにもカリフォルニア。これを嫌う向きもあろうが(実は私もあまり好きとは言えないが)、 この甘味こそ個性といえる。ただ、このワインは甘味があっても冗長な感じはまったくなく、 豊かな酸とタンニンが、まとめ役になっていて、バランスがよい。久々、納得のカリフォルニア。
<評定:A>

2002年5月30日  ROUGE
ILE LA FORGE SYRAH 2000 / VIN DE PAYS D'OC
イル・ラ・フォルジュ シラー / ヴァン・ド・ペイ・ドック
VIN DE PAYS

 グラスの底が見えないくらい濃い色。アルコール感に満ちた芳醇な香り。プルーンやドライフルーツのような 甘酸っぱい香りが広がり、華やか。味わいは重く、甘酸っぱく、タンニンは力強い。しっかりした甘味の奥に、 血のような鉄分があり、インクのような化学物質的後味。 シラーらしいスパーシーさはあまりなく、ひたすら陽気で、太陽をたっぷり浴びたぶどうを思わせる。
 12本11,000円で購入したうちの1本。単体価格は、\1,090。値段に対し、申し分のない個性。 夏に向かって、こういうタイプはあまり歓迎されないのかもしれないが、脂分の多い食事には、こういう力強さがぜひとも欲しい。 かなり粗暴ではあるけれども。
<評定:C+>



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