利酒日記 kikizakenikki

2003年10月


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2003年10月2日  SPARKLING 
CASTILLO DE MONT-BLANC CAVA BRUT / CONCAVINS
カスティーヨ・デ・モン・ブラン カヴァ・ブリュット / コンカヴァン
スペイン

Castillo d Mont-Blanc Brut  景気の底離れ感が鮮明になってきたという。
 9月の日銀短観によると、大企業のみならず中小企業も景況感が改善しているとのことだが、 徹底したリストラの成果だと言えるだろう。
 最近の円高などブレーキ要因もあり、なお楽観視できないという向きもあるが、 まさしく景気は"気のもの"であるから、皆で「回復した」と思うことが重要なのかもしれない。 皆さんも、どんどん財布のひもを緩めましょう。
 しかし、景気回復パターンもまさにアメリカ型になってきた。 弱い者を容赦なく見捨てて、強い者だけが活力を取り戻し、平均値を上げてゆく。
 毎日ハローワーク通いで職が見つからず、ため息をついている多くの人たちは、 「景気回復」をどう思うだろうか。実は、これで良いほうに向かうなどと楽観してはいけない。 今の回復は、首切り後に残った社員がサービス残業によって支えているのであり、 すぐに雇用拡大に結びつくことはないと思われるからだ。企業が利益を維持したまま社員を増やすためには、 平均給与を下げるしかない(それを、ワークシェアリングという)。
 つまり、痛みを分かち合う必要があるのだが、 政府がお手本にしているアメリカを見る限り、痛み分けの方向には向かわないだろう。 虐げられている弱者の息の根を完全に止め、権力で勝ち残った少数者がますます繁栄する。 感覚的に言うと、国民の1割が殺され、8割が苦しくアップアップし、1割がこの世の春を謳歌する。 そういう社会に、この国は向かっているんですぞ。皆さん、その自覚はありますかな。

 閑話休題。
 11本19,000円セットの11本目。なかなか開ける機会のなかった泡もの。
 色はまさにシャンパンゴールド。泡は細かく、持続する。 香りに複雑さはないもののハーブや柑橘のフレッシュさが心地よい。
 甘みはなく、きりっとした飲み口。じんわり旨みが残る。
 料理の邪魔をしないので、応用範囲は広いと思う。しかも決してスカスカなわけではない。 しっかり味わいがある。
 単体での通常価格\1,400。これはすばらしい。
<評定:A>


2003年10月4日  ROUGE 
MOREY-SAINT-DENIS 1998 / DOMAINE JEAN FERY & FILS
モレ・サン・ドニ / ドメーヌ・ジャン・フェリィ・エ・フィス
BOURGOGNE地方、COTE DE NUIT地区、MOREY-ST-DENIS村、AC:MOREY-ST-DENIS

Domaine Fery Morey-St-Denis 98  少し前になるが、大阪阪神百貨店の優勝セールで購入したもの。 売場のうたい文句では、定価4,000円ということだが、1,905円で入手した。 当日記では珍しい村名クラスなので、自ずと期待がかかる。
 色はいい具合に枯れた感じで、すこしくすんだ紅。静脈血のような色。 香りはブルゴーニュらしいピノのゴム臭に、土や枯草のような感じも。
 ここまでは良かったが、味わいは実に凡庸。酸が中心で、ひっそり甘みもあるが、 パワーがまるでなく、非常に薄っぺらい。水っぽいと言ってもいい。味の複雑さもない。
 はっきり言って見かけ倒し。香りで納得しただけに、その後のふがいなさが余計に気になる。
 おそらく定価は3,000円程度かそれ未満だと思うが、これがもし4,000円だったら、 ボコボコにシバキ倒すぞ(誰を?生産者をか?いや、勧めた店員をだ)。 正規の値段を3,000円弱と判断して、下記評定。入手した\1,905を前提としてもD評価だ。
 暗がりで見たらものすごく美人、とか、ゲレンデで見たらとびきりのイケメン、みたいな、 冷静なときには勝負にはならんだろお前は!的なワイン。
<評定:E>


2003年10月5日  BLANC 
CHATEAU CARBONNIEUX (GRAND CRU CLASSE) 1999 / PESSAC-LEOGNAN
シャトー・カルボニュー (グラン・クリュ・クラッセ(グラーヴ地区)) / ペサック・レオニャン
BORDEAUX地方、PESSAC-LEOGNAN(GRAVES)地区、LEOGNAN村、AC:PESSAC-LEOGNAN

Ch. Carbonnieux 99 demi  最近時事ネタを書こうと思うと、どうしても政局がらみの話題を避けて通れない。
 田中真紀子氏の動静がどうの、という話題はまだワイドショーレベルだから触れないでおくが、 今日気になったのは、民主党のマニフェスト。
 ゆとり教育の弊害に言及し、見直しを掲げる点は、大きく評価したい。 基礎年金に消費税を充てるという明言もいいが、では税率アップはどうするのか、という具体的提示がない。 道路公団廃止・高速道路無料化に至っては、財源をどうするのかがまったくわからない。
 理念だけ掲げて具体案を提示しないままでは、現政権と大差はない。 それでは互角に戦うことすらできませんぞ。
 「宿題は、学校から帰ってすぐします。テレビは、1日2時間までにします。1日1回お母さんの手伝いをします」 って子供のマニフェストのほうが、現実性があるってもんだ。

 さて、今日の本題。
 手巻き寿司を食すにあたり、ちょっと飲み応えのある白が欲しいなと思い、これを開けた。但し、ハーフボトル。
 色は濃いめのイエローグリーン。 カスタードの甘く深い香りの中に、火薬のようなインパクト。 密度の濃さを感じさせる。この香りの印象では、ともするとニューワールドのシャルドネのような 感じも受ける。
 ところが、口に含むと酸が豊かで、甘ったるさは微塵もない。 それなのに、クリームのようなふくよかさを持っているのは驚異的。苦味もありながら、よく酸と融合している。
 入手価格はハーフボトルで\1,600。よく、このワインを称して、高級風ワインの入門編とか、 素人だましみたいな言われ方をするが、この価格でこのクオリティは、素晴らしいと言わずして、何と言おう。 これぞ、安ワイン者推奨の"ちょっといい、否、かなりいいワイン"。
 普段の食事でこんなのが飲めたら、もうそれだけで、かなり幸せです。
<評定:A>


2003年10月7日  BLANC 
CHATEAU LA CHEZE "LES ACACIAS" 2001 / BORDEAUX
シャトー・ラ・シェーズ "レ・ザカシア" / ボルドー
BORDEAUX地方、AC:BORDEAUX

Ch.la Cheze 01  巨人の原監督最後の試合が、甲子園球場で行われ、めでたく勝利を収めた。 試合終了後、割れんばかりの拍手の中、原監督が登場し、最後の挨拶をした。
 感動的だったのは、巨人ファンも、阪神ファンも、みな惜しみない声援を贈り、 球場一丸となって「原コール」が沸き上がったこと。思わず目頭が熱くなった。
 このような舞台を作った阪神球団の粋な計らいもさることながら、 阪神ファンが巨人の監督にエールを贈る姿に、私も阪神ファンの一人として、 とてもうれしく思った。
 それにしても、解任にあたり「読売グループ内の人事異動」と言ってのけたオーナーの傍若無人ぶりに、 日本のサラリーマン社会の縮図を見る思いがした。
 どんなに部下から信頼が厚くとも、お客から好かれていようとも、経営陣に気に入られないと、 容易に首を切られる。中間管理職の悲哀。成績が出せなかったから、というのは、 体のいい口実で、ただ単に気にくわない、生意気だ、と思われてしまったがための悲劇だろう。
 監督としての権威とか威厳、という言葉を繰り返していた原監督。まさか本心ではないと思うが、 そうやって表面上の言葉で取り繕う姿は、皮肉にも巨人という球団が、典型的な日本のカイシャであることを示している。
 え、もしかして、本心であんなこと言ってるの? だとしたら、相当におめでたいとしか言いようがないけど。 そんなことないよね。一日も早く、戻ってきてください。

 閑話休題。
 今日のワインは、成城石井の店頭で、"テイスティングした全員が最高評価をつけた"と絶賛するコメントがついていた、おすすめ品。 入手価格\1,690。
 色はかなり濃いめのイエロー。香りは、ヴィオニエではないかと思ってしまうような、花束みたいな甘い香り。
 味わいもたっぷりと甘いが、酸も強いので、締まった感じではある。飲み込んだ後に、カスタードのような余韻が残る。
 "Eleve en futs de chene"と書かれており、輸入者もご丁寧にカタカナでオーク・キュヴェと書いている。 確かに樽熟成していることは味わいからはっきりと分かるが、この仕上がりは、ボルドーらしからぬスタイル。 とても面白い。その点は大きく評価できる。
 独創的なギャグで大受けしているタレント(例えば、ダンディ坂野?)みたいに、最初のインパクトはとても大きいが、 回を重ねると飽きが来るような気もするワイン。まあ、損はなかったが。
<評定:C>


2003年10月12日  ROUGE 
PERNAND-VERGELESSES PREMIER CRU 1998 / DOMAINE JEAN FERY & FILS
ペルナン・ヴェルジュレス・プルミエ・クリュ / ドメーヌ・ジャン・フェリィ・エ・フィス
BOURGOGNE地方、COTE DE BEAUNE地区、PERNAND-VERGELESSES村、AC:PERNAND-VERGELESSE

Domaine Fery Pernand-Vergelesses 1er cru 98  I wish の曲が好きだ。当サイトの読者の皆さんならご存知と思うが、現役女子高生がボーカルを務めるユニット。
 伸びやかでありながら、どこか頼りなげな高音は、Histeric Blueにも似ている(最近、どこ行ったんでしょうね)。 あのセンチメンタリズムは、現在進行形のティーンエイジャーだからこそ表現できると思う。 それは、ZONEの曲にジーンとさせられるのと同質。
 とまあ、こんなことを書くと、お前は一体いくつなんだ? と言われそうだが、正直言って、 私はもうあのくらいの娘がいてもおかしくないくらいのオヤジだ。
 いいものはいいと思う。ただそれだけ。冬が近づくと、やっぱり中島美嘉の憂いを含んだ歌声が いいんだよなあ、とか思ってTVを見てる。さすがにCDまでは買わないけど。

 さて、今日のwineは、先日、同じ作り手のMOREY-ST-DENISを飲んだが、 南方のボーヌ地区に位置するPERNAND-VERGELESSES。入手価格は\1,905。
 色は良い具合に枯れた感じで、かなりレンガっぽい。 香りは、やさしめのなめし革の奥に、火薬のような破裂した感じが踊る。
 味は酸が豊かだが、ほんのり甘みもある。タンニンの引っかかりは少なく、 少し血のような鉄分を感じる。
 MOREY-ST-DENISは酷評したが、こちらはなかなか見所がある。 酸の強さにも一本筋が通った感じだ。 でも、定価が3,000円以上であろうことを考えると、絶賛はできない。
 ところでこのワイン、1級なのに、クリマ名がない。なんでだろう。
<評定:C−>


2003年10月14日  BLANC 
CHATEAU LA VAILLANTE 2001 / ENTRE-DEUX-MERS
シャトー・ラ・ヴェイヤント / アントゥル・ドゥー・メール
BORDEAUX地方、ENTRE-DEUX-MERS地区、AC:ENTRE-DEUX-MERS

Ch. la Vaillante 01  だんだんと涼しくなってきて、うれしい。
 道を歩いていて、キンモクセイの香りがふわっと流れてくるのも、 そこはかとなく、寂しさを誘って、いい。寂しさというより、胸がキュンとなる感じ。 それにはもちろん理由があるのだが、それはあえて言わない。私は、この季節が、好きだ。
 さて、本題に戻って、今日のワイン。
 成城石井梅田店にて\1,690で購入。
 色は薄く、シャンパン・ゴールドといった風情。 香りはまず湿った芝生のようなグリーンな感じが強く、その奥にグレープフルーツのような柑橘香。 どういうわけか、日本酒の吟醸香のような香りもある。
 味わいもグリーンな感じが強い。もしかすると、少し熱にやられているのかな?と疑いたくなるような、 日陰の緑っぽいフレーバー。後味はきりっとして、余韻は短いが、じんわりした味が確かにある。
 Concours General Agricols de Parisにて金賞(Medaille d'Or)の表示あり。
 個人的好みで言うと、私は、このAOCをあまり好きではないのだが、このAOCらしさが出ているという点では、 評価できる。が、値段からして、もう少しアピールする部分が欲しい気もする。
<評定:C−>


2003年10月15日  ROUGE 
CHATEAU CALON 1997 / SAINT-GEORGES-SAINT-EMILION
シャトー・カロン / サン・ジョルジュ・サン・テミリオン
BORDEAUX地方、ST-EMILION SATELLITE地区、AC:ST-GEORGES-ST-EMILION

Ch. Calon 97  中国が、有人宇宙船の打ち上げに成功した。その技術のすばらしさは言うまでもないが、 これは先端技術の問題というよりも、多分に政治的反響が大きい問題だ。
 ロシア、アメリカに次ぐ3国めということだが、ぜひ我が国も、などと言って、 危険を承知で人を乗せて打ち上げ実験を急ぐなどという愚かなことを、よもやこの国はしないだろうね。 しないよね。そんなこと。
 だいたい人類が宇宙に行けたからと言って、その先に何が待っているのか。 各国がこぞって宇宙開発技術を競うのは、専ら軍事的意図による。平和利用、平和利用と言ったって、 平和的な利用価値が一体どれほどあるのか。
 例えばエネルギー問題の解決のため役立つ技術を開発できるかもしれない。 しかし、そうまでして地球人が生き残ることが、宇宙にとって本当に良いことなのか。 はた迷惑なだけで、自然の摂理に反した行動かもしれない。 いや、そうやって人間のすることなんて、すべて自然の営みの内だと言えるのかもしれない。
 考えるほど答えの出ない問題なので、やめにする。
 今日のワインは、有名なカロン・セギュールとは関係ないであろうシャトー・カロン。 ハーフボトルで、入手価格は\890。
 色は少しよどんだ感じで、静脈血のような暗赤色。なめし革やインクの香り。奥の方にエスプレッソの香りも。
 中でも、獣(けもの)っぽさが際立つ。ローヌ北部か、はたまたピエモンテのワインのような、 動物臭。しかし、決してワイルドではなく、ある程度密度が濃く風格がある。
 口当たりは非常にやわらかく、いかにもサンテミリオン。黒っぽい風味が広がり、ふんわりとした甘さが残る。 喉ごしもシルキーで、実に高貴な味わい。ちょうど飲み頃だったんだと思う。
 大して期待していなかっただけに驚いた。確かに凝縮感は今ひとつだが、この値段(フルボトル換算2,000円未満) にそこまで要求はできない。 でも、これは安い。倍の値段でもいい。
<評定:A+>


2003年10月17日  ROUGE 
CHATEAU VIEUX ROBIN 1999 (CRU BOURGEOIS) / MEDOC
シャトー・ヴュー・ロバン (ブルジョワ級) / メドック
BORDEAUX地方、MEDOC地区、AC:MEDOC

Ch. Vieux Robin 99  聴聞などしようがしまいが、どうせ解任は決まっている。見え透いた茶番。 手続上、仕方ないからやっている。 道路公団総裁の解任劇を見ていて、そう思う。
 首相は、自分の業績を上げるために、悪党を成敗したい。それだけのために起用された おぼっちゃま大臣など、所詮捨て駒。事態が紛糾すれば、大臣に尻ぬぐいさせておしまい。 そんな意図が透けて見えるから、いまいましい。
 私は、公団総裁の肩を持つ気などさらさらないし、彼が悪党かどうかにも興味はない。 現内閣の進める改革路線にそぐわないという理由で辞めさせることだって、それはそれでよい。 だが、あまりにも底が見える子供っぽさには辟易するのだ。総裁の主張するとおり、 これが「政治的利用」でなくて、何であろう。
 しかし、最も問題なのは、マスコミの報道の仕方。
 初めから特定の人間を悪者と決めつけた上で、ショーを展開しているのは、 情報操作、いや思想操作とも言える、絶対にしてはならない行為だ。
 これはイジメの構図そのものである。誰かを、有無を言わさず悪者に仕立て、 大衆を巻き込んでゆく。そして、大衆は見事に操縦され、狭量な空気が世に蔓延してゆく。 改革に少しでも反対するのは悪者であり、北朝鮮を糾弾しない者は非国民であり、 カルト教信者に人権を認めるのは常軌を逸している、となる。
 言論の自由は、いつからこんなに軽んじられるようになったのか。
 今、この国に原理主義的空気を作っているのは、マスコミではなかろうか、と私は危惧する。

 さて、ひととおり言った後は、今日の本題。
 ハーフボトルで入手価格\1,090のメドック、クリュ・ブルジョワ。
 色はやや青みがあるもののそれなりに深い。香りはアルコール感に満ちて、芳醇。 カベルネの黒っぽい感じが心地よい。
 鋭い酸のアタックがキュートで、重みこそないものの芯の通った味わい。 甘みなど微塵もなく、キリッと端正。
 だらけたところがない優等生的ワイン。スケール感が小さいのは、このクラスでは仕方ない。
<評定:C+>


2003年10月19日  BLANC 
CHATEAU HAUT PELLETAN 2001 / BORDEAUX
シャトー・オー・ペルタン / ボルドー
BORDEAUX地方、AC:BORDEAUX

Ch. Haut Pelletan 01  夕食の寄せ鍋に入っていた白身魚が、赤茶けた色をしていた。おかしいぞ。 取り出して鼻を近づけると、かすかにアンモニア臭がする。やっぱり。
 まったく、スーパーで切身を見たときに分かりそうなものを、 こんな傷んだものを買ってくるとは。しかも鍋に入れて煮たときの匂いにすら気づかないとは。 妻の見る目のなさに、しばし呆れた。
 しかし、その瞬間、はたと気がついた。
 だいたい、私などを結婚相手に選ぶくらいだから、見る目などあるわけはないのであった。チャンチャン。

 閑話休題。
 最近、比較的多く登場する、ボルドーの白。
 湿った芝生のような青臭さに、グレープフルーツ的柑橘香と、栗のような香りが混じる。私のあまり得意ではない類のソービニヨンの香りだ。
 酸が鋭く、ふくらみはなく、アクリルのようなケミカルな感じが強い。陳腐な言い方をすれば、酸っぱいワイン。
 入手価格\980。まあ、この値段に多くは望めないが、それにしても粗雑な作りが少々気になる。
<評定:D>


2003年10月24日  BLANC 
CASTILLO DE MONT-BLANC VIURA CHARDONNAY 2002 / CONCA DE BARBERA (D.O.) / CONCAVINS
カスティーヨ・デ・モンブラン ヴューラ・シャルドネ / コンカ・デ・バルベラ
スペイン

Castillo de Mont-blanc Viura-Chardonnay 02  今週は、昨日まで毎日夕食は外。従って、家でwineを開けることはなかった。
 今日の登場は、wine shop enotaca から11本15,000円で購入したものの1本目。 単体での通常価格は\1,500。
 淡い麦わら色で、見た感じは軽そうな印象。香りは甘く、単調。 味わいもやわらかく、酸の刺激は弱く、重みもない。広がりもしない。
 と、ここまで書くと、単調で凡庸なワインという感じだが、 ふんわり柔らかい様は、それなりに評価できる。個性がないのが良い個性、と言えそうな、 実に後ろ指さされにくい無難な味。
 食事の邪魔をせず、どんどん飲める。親しみやすい点だけは、なかなか。
 かなり肩の力を抜いた、大衆受け狙い路線だが、それだけに、積極的に評価できる長所は少ない。
<評定:C−>


2003年10月25日  ROUGE 
CASTILLO DE MONT-BLANC TEMPRANILLO 2001 / CONCA DE BARBERA (D.O.) / CONCAVINS
カスティーヨ・デ・モンブラン テンプラニーヨ / コンカ・デ・バルベラ
スペイン

Castillo de Mont-blanc Tempranillo 01  道路公団総裁の解任問題は一応の決着をみた。藤井氏は訴訟も辞さない構えだが、我々外野としては、 面白いからどんどんやって、引っかき回してもらいたい。
 次は新総裁の人事に焦点が移っているが、 どうせなら、猪瀬直樹氏にでもやってもらって、お手並み拝見したいものだ。 責任のない立場で理屈だけを並べるのと、実際に責任者になって実行することがどんなに違うかわかるはずだ。 それでも持論の通り実行できるならば、拍手喝采である。
 さて、11本15,000円セットの2本目。昨日に続き、同じ作り手の赤。商品名はテンプラニーヨとだけあるが、 カベルネ・ソーヴィニヨンも使っているらしい。
 色は青みがかって、濃い。カシス的果実香とともに、土ぼこりやインクのような匂い。 時間が経つと、血のような匂いも出てくる。
 ふんわりした甘みと酸のバランスがよく、シルキーな飲み心地。
 単体での通常価格は、\1,500。誰にでも飲みやすくて、手軽なワインだと思う。
<評定:C>


2003年10月27日  BLANC 
GOLDEN MILE SAUVIGNON BLANC 2002 / DOMAINE GEORGES MICHEL
ゴールデン・マイル ソーヴィニヨン・ブラン / ドメーヌ・ジョルジュ・ミッシェル
ニュージーランド、MARLBOROUGH

Domaine Georges Michel Sauvignon Blanc 02  長い戦いが終わった。
 まずは、敵ながら素晴らしい戦いを見せてくれたダイエー・ホークスに心からおめでとうと言いたい。 いつもの力を出しきるという点において、明らかに勝っていたと思う。
 私たちは、ホークスのような素晴らしいチームと戦うことができたことを、誇りに思う。
 そして、タイガースナイン。今岡、赤星、金本、檜山、アリアス、片岡、矢野、藤本。 井川、伊良部、下柳、ムーア、安藤、吉野、リガン、ウイリアムス、福原。 濱中、八木、広沢、関本、沖原、平下、野口、秀太、中村・・・。 みんなありがとう。
 何より、素晴らしい夢を見せてくれた星野監督。あなたがいたことを、私たちはずっと忘れない。
 、、、今日はどうしても、感傷にふけってしまうが、許してほしい。

 さて、気を取り直して、今日のワインへ。
 引き続き11本15,000円セットの3本目。ニュージーランドのソーヴィニヨン。
 色はレモンイエロー。香りは、グリーンで、スモーキー。そのままではあまり立ち上らないが、 スワリングすると燻した感じが出てくる。
 口当たりがシャープで、ツンとした印象だが、ほんのり甘く、パウダリーな後味がある。
 このマールボロ地区というのは、よいソーヴィニヨンができることで有名らしいが、 確かに高貴で複雑さがある。
 ただ、個人的な嗜好でいうと、私はこの類の味わいがあまり得意ではない。 にもかかわらず、この個性は、きちんと評価したい。
 単体での通常価格は、\1,980。値段と比べると若干ツライ。これが、1,000円台の前半ならば、 大きな賛辞を贈るところ。
 ところで、このドメーヌ名。どう読むのが正解かわからないので、仏語読みした。 ジョージ・ミッチェルと読むほうがよかったかな。
<評定:C−>


2003年10月30日  ROUGE 
CHIANTI (D.O.C.G.) 2002 / POGGIO ROMITA
キャンティ / ポッジオ・ロミータ
イタリア、TOSCANA州

Poggio Romita Chianti 02  忙しいのが嫌いだ。時間に追われると息苦しくなる。
 一匹狼でわがままな私は、自分のペースを乱されるのが一番イヤだが、 どうしても仕事が立て込んで、締め切りに追われる時期がある。 いくら自分が選んだ大好きな仕事だとはいえ、時間が切迫してくると、平常心ではいられなくなる。
 こんなときこそ、ワインで落ち着きを取り戻そう。

 11本15,000円セットの4本目。ワインに詳しくなくとも、イタリアン・レストランでよく食事をする人なら、 きっと名前だけは聞いたことがあるであろう、キャンティ。
 グラスに注いだ瞬間、思わず口をついて出た「きれいだなあ」。 輝くルビー色とは、まさにこんな色。適度に深みがあって、きらきらと光をよく反射する赤。
 香りは、甘酸っぱさとゴムのような感じが混じる。悪く言えば、安物のブルゴーニュみたいな感じもあるが、 もっとフルーティで、軽やか。
 口当たりもチャーミング。酸は強いが、甘みとうまく融合している。重みはないが、 タンニン分の引き締めが適度で心地よい。ほんのり動物臭も漂う。
 単体での通常価格は、\1,400。コストパフォーマンスは高い。
<評定:B>


2003年10月31日  BLANC 
SAINT-VERAN "EN JULLIE" 2001 VIEILLES VIGNES / JEAN RIJCKAERT
サン・ヴェラン "アン・ジュリエ" ヴィエイユ・ヴィーニュ / ジャン・リケール
BOURGOGNE地方、MACONNAIS地区、AC:SAINT-VERAN

Jean Rijckaert St-Veran 01  関西限定トリビア。
 最近オープンした、丸井「神戸店」の、CMのバックに流れている曲のタイトルは・・・「新大阪」。
 関東ではおなじみ丸井の関西進出一号店が、神戸・三宮にオープンした。 丸井といえば、関東の20-30代には、おしゃれなトレンド発信基地。 40-50代くらいには、私鉄沿線にある垢抜けないスーパー。60代以上には月賦屋。
 先頃、社員の9割以上を子会社に転籍という、問答無用の大リストラを敢行して話題になった。
 丸井が関西に進出するという話を最初に聞いたのは、もう15年くらい前のこと。 大阪に開設準備室を作り、高槻市に出店する計画だったらしい。 これまで一番西の店舗は、静岡県浜松だったから、「丸井はどうしても関東圏を脱出できない」とまで言われていた。
 それが、どういう経緯か、今ごろ神戸の一等地(震災後、フェニックスプラザという復興記念館があった場所) に店を出した。
 ところで、そのCMで使われているのが、ゴスペラーズの新曲「新大阪」。奇抜なタイトルだが、 遠距離恋愛をテーマにした、泣かせるバラードだ。もちろんタイトルのミスマッチにはこだわらず、 CMのイメージに合うということで選曲したのだろう。それとも、次は新大阪に出しますよ、 ってなメッセージだったりして(んっなこたーない(タモリ口調))。でも新大阪じゃ商売にならんもんね。

 さて、今日のワインは、以前にネットで単品入手したもの。
 この作り手は、ヴィレ・クレッセに次いで、2度目の経験。
 明るめの麦わら色。ナッツの香ばしさと、オレンジと、ベビーパウダーの混じり合ったような香り。 中身がぎっしり詰まった印象。
 アタックはとげとげしくはないのに、その後ぐんぐん伸びる酸。甘みもあるが、酸がそれを上回る。 口に含んでいると、はじけるような香ばしさが広がる。余韻もとても長い。
 サン・ヴェランというAOCは、値段も手頃なので、飲む機会が多い。ぼけた感じのものも多いのだが、 こんなにテンションの高いものは初めて。すっかり私は、リケール党になった。
 ブルゴーニュで、作り手にこだわると、とても恐ろしいことになるので、 普通安ワイン者は、ブルゴーニュにこだわりは持てないのだが、デイリー・プライスでありながら、 個性を明確に出してくれているリケールは、我々の味方。
 入手価格\2,200。悪く言えば厚化粧な感じだから、苦手な人もいるだろう。だが、これだけはっきりしているのは、ある意味爽快。 単に私の好みだけで採点すれば、Aが2つつく(厚化粧好みです)。
 ところで、私は前置詞"en"を、"アン"と読んでいるが、実際の発音は、"ア"と"オ"の中間。しかも鼻から抜く鼻母音だ。 販売店ではオン・ジュリエと読んでいる所が多い。どっちでもいいと思う。
 ちなみに、jullieの最後のeには、 アクサン・テギュが付いているので、"ジュリー"ではなく、"ジュリエ"だ。
<評定:A>



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