利酒日記 kikizakenikki

2014年8月


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2014年8月2日 ROUGE
FACES TINTO SECO / LIDIO CARRARO
フェイシィズ ティント・セコ / リディオ・カラロ
VINTAGE: 2012
Faces Tinto Seco 12 BRAZIL
ブラジル
地方:
 
地区:
 
DO:
 
生産者: LIDIO CARRARO 輸入者: 東京ヨーロッパ貿易(株)、販売者:(株)成城石井
review
 おそらく私自身、初体験であろうブラジル産ワイン。
 今年はサッカー・ワールドカップがブラジルで開催されたということで、 このメーカーは公式スポンサーなのであろう、"OFFICIAL LICENSED PRODUCT" の文字がある。
 ブームに乗じてということでもないのだろうが、珍しいブラジル産のワインを、 成城石井さんが輸入している。

 グラスに注いだ外観は、100%ぶどうジュースのように濃い紫。やや黒っぽいが均一で、 いかにも若そうな見た目。
 失礼ながらまったく期待などしていなかったのだが、香りを嗅いで「おおっ」と思う。 香りはローヌのような皮革のニュアンスがあり、カシス、しょうゆ、黒オリーブなど。 なめし革からゴムに近い雰囲気が強い。
 口に含むと、炭酸のようなピリピリ感があり、引き締まっている。 スパイシーで酸が鋭いが、タンニンは中程度。 ボリューム感があまりないのだが、それは言い換えれば繊細で、エレガントな味わいともいえる。 黒果実の余韻。

 予想以上の実力に、ちょっとびっくり。 もっとぼやけたワインを想像していたが、造り手の実力なのか、 まとめ方が非常に美しい。
 調べてみたらセパージュはなんとサッカーにちなんで(いるかどうかは定かではないが) 11種のぶどうを使っているらしい。 タナ、ネッビオーロ、アリカンテ、アンチェロッタ、カベルネ・ソーヴィニヨン、テロルデゴ、 テンプラニーョ、トゥーリガ・ナショナル、マルベック、メルロー、ピノ・ノワール という11種だそうである。なんだかごちゃ混ぜ感が著しいが、仕上がりが良ければそれは問題ではない。

 なお、細かいことだがこのページでは国名を英語表記しているので、上記のとおり BRAZIL だが、産地別索引ページ では国名は仏語表記に統一しているので BRÉSIL。なぜそんなややこしいことをするのか?というと、単なる成り行きだ。 統一感がなくて申し訳ない。ちなみに本国のポルトガル語だと、BRASIL らしい。
評定: A 価格 1,284円(本体価格1,189円+消費税95円) 購入店: 成城石井阪急三番街店(大阪市北区)
2014年8月3日 BLANC
PATRIARCHE VIOGNIER
パトリアッシュ ヴィオニエ
VINTAGE: 2012
Patriarche Viognier 12 FRANCE
フランス
地方:
 
地区:
 
VIN DE FRANCE
ヴァン・ド・フランス
生産者: PATRIARCHE PERE & FILS 輸入者: 三菱食品(株)
review
 スーパーで購入した250ml入りの小さなびん。セパージュはヴィオニエ単一。 産地に関しては、ラベルにはFRANCEとしか書かれておらず、ランクはテーブルワイン(vin de france) である。

 グラスに注いだ外観は、淡いゴールド。
 香りは黄色い花、パインなど、トロピカルな華やかさがあり、確かにヴィオニエらしい。 但し、奔放でやや冗長な感じも否めない。どこか紅茶のようなニュアンスも少しある。
 味は甘味が強く、酸は丸く、角のない味わい。かすかに炭酸のようなピリピリ感がある。 少しだらけたような甘味が残る。

 PATRIARCHE はカタカナではパトリアルシュと書くべきと思うが、 輸入者は裏ラベルにパトリアッシュと書いている。 仏語の"R"は詰まったような発音になるため、確かにそういう風にも聞こえなくはないので、 それに従うことにした。
評定: C 価格 250ml入り410円(フルボトル換算1,230円) 購入店: グルメシティ(スーパー)
2014年8月8日 BLANC
LOS VASCOS SAUVIGNON BLANC / DOMAINE BARON DE ROTHSCHILD (LAFITTE)
ロス・ヴァスコス ソーヴィニヨン・ブラン / ドメーヌ・バロン・ド・ロートシルト(ラフィット)
VINTAGE: 2013
Los Vascos Chardonnay 08 CHILE
チリ
地方:
 
地区:
 
DO:
 
生産者: VINA LOSVASCOS 輸入者: サントリーワインインターナショナル(株)
review
 以前は好きでよく飲んでいたチリのロス・ヴァスコスだが、なんと 2009年にシャルドネを飲んだのを最後に、 5年もブランクがあった。
 今回、スーパーでたまたまみつけたので、久々に買ってみた。但し、ソーヴィニヨンである。

 色はごく淡い麦わら。チリのソーヴィニヨンだともっと濃いものも多いのだが、 これはかなり繊細さを連想させる色だ。
 香りは、実にソーヴィニヨンらしい青草が強く、初夏の芝生を思わせる。 極めてシャープな印象。
 口に含むと、微かに炭酸のようなピリピリ感があり、それに呼応するように グレープフルーツ的な苦味を伴う鋭い酸が感じられる。 テンションが高く、後味にもグリーンな香味が口いっぱいに残る。

 このwineには産地表記がなく、いわゆるワイン法によるD.O(原産地呼称)クラスには該当しない 単なるヴァラエタルワインということになる。 それでこのはっきりとした個性なのだから、さすがである。
 たぶん、ブラインドで出されたらチリと答える自身が、私にはまったくない。 まず最初にボルドーだと思うが、いや正解はニューワールドだと教えてもらったとしても、 ニュージーランド?と答えるに違いない。
評定: A 価格 1,380円(本体価格1,278円+消費税102円) 購入店: グルメシティ(スーパー)
2014年8月13日 CIDRE
CIDRE 紅玉リンゴ <限定醸造> / NIKKA
シードル こうぎょくりんご <げんていじょうぞう> / ニッカ
VINTAGE: N.V.
NIKKA CIDRE 紅玉リンゴ JAPAN
日本
地方:
 
地区:
 
AOC:
 
生産者: ニッカウヰスキー(株) 販売者: アサヒビール(株)
review
 毎年春に出ているニッカシードル「紅玉リンゴ」。 今年の発売は4月8日であった。しかし、全然出会う機会がなく、今年はもう手に入らないかと 諦めていたのだが、先日仕事で出向いた先のコンビニで偶然遭遇。 奇跡的にまだ残ってくれていたわけだ。

 グラスに注いだ外観は、ごく淡いゴールド。気泡は細かいが、 通常のスパークリングワインのようには持続しない。
 香りは、酸の立ったりんご香。シャープで、いかにも紅玉らしい印象。
 味も香りの印象どおり、シャープ。りんごらしい酸が広がり、 甘さは適度。後味にも鋭い酸が残る。
 アルコール分3%。原材料:リンゴ、リンゴ酸、酸化防止剤(亜硫酸塩)。
 爽やかで甘酸っぱい味わいが特長の「紅玉(こうぎょく)リンゴ」で 醸造しました。糖分・香料・着色料を一切加えない、 リンゴ100%のスパークリングワインです。
 今年も非常に素晴らしい出来映え。この製品は真っ当な造り方をしたシードルであり、 醸造過程で亜硫酸塩を使うなど、ワインの伝統的な造り方に則っている。
評定: AA 価格 180ml入り292円 購入店: ファミリーマート(コンビニ)
2014年8月14日 BLANC
CHÂTEAU PETIT MOULIN / BORDEAUX
シャトー・プチ・ムーラン / ボルドー
VINTAGE: 2002
Ch.Petit Moulin 02 FRANCE
フランス
地方: BORDEAUX
ボルドー
地区:
 
AOC: BORDEAUX
ボルドー
生産者: CH. PETIT MOULIN 販売者: (株)成城石井、輸入者:東京ヨーロッパ貿易(株)
review
 夏になると爽やかな白が飲みたくなって、ソーヴィニヨンを選ぶことが多い。 但し、今回のものは2002年ということで、フレッシュとは言い難いお歳だが、 極めて手頃な値段だったために入手した。

 色は深いイエローゴールド。しっかりとした味わいが想像できる。
 香りは、パインのようなトロピカルな甘さに、青草の匂いがちょうど50:50くらいで拮抗。 さらに、ビニールかアクリルのようなニュアンスが。
 含み香は青草が強く、ソーヴィニヨンらしい。 味は苦味が強く、そこにオレンジ的なやや丸い酸が乗る。

 バランスよく中庸な味わいだが、そんなに熟成感はなく、 そこそこのフレッシュ感を保っていた。 やはり2002ヴィンテージにしてこの程度の値段であるから、 期待ができないことはわかっていたが。
評定: C+ 価格 1,502円(本体価格1,391円+消費税111円) 購入店: 成城石井阪急三番街店(大阪市北区)
2014年8月15日 CIDRE
CIDRE SUMMER SPARKLING ふじリンゴ / NIKKA
シードル サマー・スパークリング ふじりんご / ニッカ
VINTAGE: N.V.
NIKKA CIDRE SUMMER SPARKLING JAPAN
日本
地方:
 
地区:
 
AOC:
 
生産者: ニッカウヰスキー(株) 販売者: アサヒビール(株)
review
 一昨日の当日記で、今年4月発売の NIKKAシードル 紅玉リンゴ を取り上げた。
 実は6月17日に発売されたこちら「サマースパークリング ふじリンゴ」 も未入手だったのだが、先日ようやく購入できた。 こちらも毎年同時期に発売されてきたものだ。

 グラスに注いだ外観は、淡いイエローグリーン。
 香りは、かなりシャープで、酸味が強そうなりんご香。
 味は香りの印象どおり酸のアタックが強い。その後、適度な甘味が広がり、 奥深さを感じさせる。
 アルコール分4%。原材料:リンゴ、リンゴ酸、酸化防止剤(亜硫酸塩)。
 糖分・香料・着色料を一切加えない、リンゴ100%のスパークリングワインです。 夏向けのシードルとして、"ふじリンゴ"で醸造しました。 ちょっと酸味のある爽やかな後味が特長です。
 サマースパークリングの名の通り、夏向きのキリッとした味わい。 それでいてちゃんと味わいに深みがあるのは、さすがである。
評定: AA 価格 200ml入り282円 購入店: ファミリーマート(コンビニ)
2014年8月18日 ROUGE
CHÂTEAU DE HARTES / BORDEAUX
シャトー・ド・アルト / ボルドー
VINTAGE: 2011
Ch. de Hartes 11 FRANCE
フランス
地方: BORDEAUX
ボルドー
地区:
 
AOC: BORDEAUX
ボルドー
生産者: CH. PETIT MOULIN 販売者: (株)成城石井、輸入者:東京ヨーロッパ貿易(株)
review
 1000円台のボルドーだが、期待を抱かせる風貌なので、買ってみた。

 色はごく深いガーネット。典型的なボルドーカラーだ。期待が持てる。
 香りは、鉛筆の芯やインク。果実感には乏しいが、深いアルコール感がある。少し尖った印象とでも言おうか。
 期待しながら飲むと、酸のアタックがかなり強く、 スパイシーな味わいだが、タンニンは非常にしなやか。 しかしボディに厚みがなく、味わいのコクは今ひとつ。
 余韻に黒果実的な香味が残るが、かなり軽い。

 値段からして期待などできないのはわかっているが、 見た目と香りのインパクトが少なからず大きかったので、 その後の尻すぼみな感じは残念。 まあ、トータルでいえば、値段なりということになろう。
 ところで、輸入者が貼り付けた裏ラベルには、 造り手の名を CH ドゥ ハーツ と書いてあるのだが、 "H" は仏語では発音しないので、日本語の"ハ"に近い音というのは基本的にない。
 HARTES はあえてカタカナにすれば、"アルト"ではないかと思う。
評定: C 価格 1,502円(本体価格1,391円+消費税111円) 購入店: 成城石井阪急三番街店(大阪市北区)
2014年8月20日 ROUGE
LA CROIX D'AUSTERAN / BORDEAUX
ラ・クロワ・ドステラン / ボルドー
VINTAGE: 2012
La Croix d'Austeran 12 FRANCE
フランス
地方: BORDEAUX
ボルドー
地区:
 
AOC: BORDEAUX
ボルドー
生産者: LES CHAIS MALESAN 輸入者:コルドンヴェール(株)
review
 ハーフだがなんと500円台。そしてACボルドーという破格の製品。
 どうせ大したことはないんだろうと思いつつも、 見た目の雰囲気に惹かれて購入。但し、スクリューキャップである。

 色はごく淡い青紫。ぶどうジュース的であり、非常に若そう。
 香りは皮革、黒果実が中心で、適度にスパイシー。
 味は軽快な酸にほんのりと甘味が乗っている。タンニンはやわらかい。 奥深さには欠け、平板な味わい。

 もしやと思って購入したが、うれしいサプライズはなかった。 非常にこぢんまりとまとまっており、そのまとまり自体はさすがにボルドーと 思わせてくれるのだが、スケールが小さすぎる。
評定: D 価格 ハーフ597円(フルボトル換算1,194円) 購入店: イオン(スーパー)
2014年8月26日 BLANC
FACES BRANCO SECO / LIDIO CARRARO
フェイシィズ ブランコ・セコ / リディオ・カラロ
VINTAGE: 2012
Faces Branco Seco 12 BRAZIL
ブラジル
地方:
 
地区:
 
DO:
 
生産者: LIDIO CARRARO 輸入者: 東京ヨーロッパ貿易(株)、販売者:(株)成城石井
review
 今月の初めにを飲んでその意外なすばらしさに驚いた、ブラジルの Faces。
 赤が良かったと言うことで、ぜひ白も試してみようと、買ってきた。

 グラスに注いだ外観は、ごく淡い麦わら色。かなり素っ気ない感じだ。
 香りはヴィオニエに少し似て、黄色い花やクリームのような甘さ、ボリューム感が感じられる。
 その香りのヘビーな印象と比べ、味は軽め。苦味のアクセントが引き締めようと してくれてはいるが、とにかく酸が鈍く、間延びしたような味わいバランス。

 入手価格は赤と一緒だが、こちらは期待はずれだった。 最初の華やかなインパクトはよいが、緊張感を欠く味わいであった。
評定: D 価格 1,284円(本体価格1,189円+消費税95円) 購入店: 成城石井阪急三番街店(大阪市北区)

本日までで・・・今月合計9本/今年合計56本/当日記累計1567本
今月のワイン投資額・・・8,533円(本日まで)



[当日記における評価基準]

 絶対評価ではなく、支払う価格に対して内容が見合っているかどうかの評定です。 例えば1,000円のwineなら、ちょうど1,000円の価値あるものがC。同様に5,000円のwineなら、 ちょうど5,000円の価値あるものがCです。

 A = 特質すべき個性。価格に比し、極めて優れたクオリティ。(とってもお買得)
 B = 非凡な特徴があり、価格を上回るクオリティ。(お買得)
 C = 概ね価格に見合ったクオリティ。(価格相当)
 D = 凡庸で特徴に欠ける。価格に比し、やや劣る。(少しもの足りない)
 E = 価格に比し、著しく劣るクオリティ。(買い損)

 なお、各ランクよりやや上回るものに+、やや下回るものに−を付けています。例えばC+とは、 若干価格を上回るクオリティを表します。また、通常の評価枠を超えた素晴らしいものにはAAランクを付与しています。

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