時事ネタコラムのページ [利酒日記別室]

2011年3月


2011年3月15日
 本性


 こんな時に毎日酒を飲んでHPを更新していること自体、 非常識との誹りを免れ得ないと思っているが、さらにこんなところで 毒舌を吐くということにはさすがに抵抗があり、本当は書かないつもりでいた。

 でも、どうしてもひとこと記しておきたくて。

 東京都知事が、「津波は天罰」と発言した。

 「アメリカのアイデンティティは自由。フランスは自由と博愛と平等。 日本はそんなものはない。我欲だよ。物欲、金銭欲」などと言い、 「政治もポピュリズムでやっている。津波をうまく利用してだね、 我欲を1回洗い落とす必要があるね。積年たまった日本人の心のアカをね。これはやっぱり天罰だと思う」 と語った。

 テレビでこの問題を取り上げたキャスターが、 「こんなとき(非常事態)に政治家の発言を、いちいち批判している余裕もないけれど、 こういう発言をした人物がいたという事実は、心に留めておく必要があります」と言っていた。
 まったく同感である。

 日本は自由な国だから、誰がどんな発言をする権利も擁護されなければならない。 だから、こういった発言が公の場でなされ、それが報道されることは、自由が保たれている証でもある。

 自由に発言をすると、その人の立場を超えて、本質が見える。
 そしてそれをどう受け止めるかも、各人の自由に任されている。

 天罰などという言葉を使う、いや、使ったということ以前に、そんな言葉が今、この状況で思い浮かぶ ということ自体、私には到底信じられない。

 品性下劣な発言者の本性を暴露しただけである。 政治家としてというより、人間としての真っ当な感覚がないのだと思う。

 その後、撤回して謝罪したようだけれど、ついうっかり口が滑った類の発言ではないから、 いくら謝罪しようとも無意味である。

 なんだか書いているうちにまた、怒りで震えが止まらなくなってきた。


2011年3月21日
 政治家になりたがるのは、こういうヒトが多いのか


 またまた呆れる問題発言が。

 大阪ローカルのニュースと思われ、他地域の方々はご存じないと思うので、多くの人に知ってもらうため、書かせて頂く。

 次期大阪府議選に立候補予定の、長田義明・現大阪府議会議長が、 挨拶の中で今回の大震災に触れ、 「大阪にとって天の恵みと言うと言葉が悪いが、本当にこの地震が起こってよかった」などと発言していた。

 ただ、これにはちょっと注釈がいる。

 橋下大阪府知事が進めようとしている大阪府庁移転問題で、移転先とされている咲洲(さきしま)庁舎が、 今般の地震で壁の一部などが破損した。これを捉え、 かねてから知事の方針に反対する議長は、 「知事の考えが間違っていたことが示された」といい、上記の発言となった。 咲洲庁舎は防災拠点としてはふさわしくない、と言いたかったようである。

 長田氏は取材に対して、 「会場では黙とうもしており、被災者を思う気持ちはみんなと同じ。ただ、発言は不謹慎で、言ったことが悔やまれる」 と謝罪したという。

 一連の経緯を見ると、悪意はなく、思わず口が滑った程度のことかもしれない。 だが、うっかりで済まされる発言ではない。

 先日の東京都知事の「天罰」発言とは重さは違うかもしれないけれど、 悲痛の極みである大災害に対して、うっかりではあっても「よかった」などと発言することは、 政治家として絶対に許されることではない。 被災者の方々の苦しみ、痛みに対して、いささかも想像力の働かない人物であることが露呈したと思う。

 どうしてこうも非常識な人物ばかりが、政治家をやっているのだろう。


2011年3月24日
 的外れもいいところ


 震災後、企業のテレビCMの多くが自粛されている関係で、ACジャパン(旧 公共広告機構)のCMが多数流されている。

 その中で、女優の仁科亜季子・仁美 親娘が登場してがん検診を勧めるCMに対し、 「うっとうしい」「この時期にそぐわない」などといった非難が、 娘の
仁科仁美さんのブログにたくさん書き込まれたという。

 このニュースを聞いて、「え?そんなことをする人がいるのか?」と私は驚いた。

 件のCMがたくさん流れているのは、もちろん出演者の意思ではないし、どうすることもできない。 そんなことは、ちょっと考えればわかることなのに、ただしつこく流されているという事実だけで、 出演者を非難するとは、なんとも幼稚な行為である。

 被災地の皆さんが大変な状況の中で、我々他地域の人間も、各人ができることなど限られており (せいぜい募金や、節電への協力程度)皆、イライラ感が募っている。 それは非常によくわかるのだが、だからといって、そのイライラ感を何かにぶつけようとして、 目についたCM出演者を攻撃するなど、許されることではない。

 そもそもCMが気になるのなら、テレビ(民放)を見なければいいのである。 こんな時だからこそ、幸運にも被災を免れた我々は、冷静に人生を見つめ直したいものである。 そして、今自分にできることを、地道にやってゆくしかないではないか。


2011年3月25日
 球界をダメにしているのは


 プロ野球セントラルリーグが、今季の開幕日を、パシフィックリーグと同じ4月12日とすることを決めた。

 当初3月25日の開幕を主張し、その後、社会情勢を考慮した結果として、3月29日に延期すると発表したものの、 選手会の反発、世論の反発、そして文科省などの要請をしぶしぶ受け入れる形で、セ・パ同時開催となった。当然の結果である。

 そもそも早期開幕にこだわっていたのは誰か。それはもう皆さんご存知の通り、読売巨人軍である。

 文科省や蓮舫節電啓発担当相から延期要請を受けたとき、読売の滝鼻オーナーは、「開幕はお上が決めることではない」などと 露骨に不快感を表していたが、その発言にこそ、ほとんどの野球ファンは不快感を持ったはずである。 東京ドームでの試合が減れば、大幅減収になる。そういう私利私欲で、リーグを支配しようとしているのがミエミエだからだ。

 開幕はお上が決めることではないとしたら、読売が決めることなのか。

 近年しきりに「プロ野球の危機」が叫ばれているが、読売のそういった姿勢が、すべての元凶である。 もっとはっきり言えば、ナベツネとその傀儡(かいらい)にすぎない滝鼻オーナーこそが元凶。 読売球団のファンもかわいそうである。もう読売のファンなどお辞めになったら?とご忠告申し上げたくなる。

 「大きな決断をしていただき、感謝している」と、目に涙を浮かべながら話した日本プロ野球選手会会長の新井貴浩選手は、 大きく男を上げた。阪神ファンの一人として言わせて頂ければ、彼は大きな図体をしてとても心優しい男で、 人間的にとてもすばらしい人。優しすぎるがゆえ、普段は勝負どころで結果を出せなかったりもするのだが、 今回は本当に大きな仕事をやってくれた。ファンとして誇りに思う。

 それに引き換え、滝鼻オーナーは「ベストの選択じゃないかもしれないが、選手の気持ちや政府の指導に沿うとなれば、 これが唯一の解決策だ」と、この期に及んでまだ上からものを言っている。どうしようもないな、このヒトは。

 たとえ日本シリーズが12月になってもやると、選手会は言っている。ファンとして大きな拍手を贈りたい。

 


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