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2013年8月


2013年8月1日
 麻生副総理GJ! 辞任の必要なし


 憲法改正を巡って戦前のドイツナチス政権を例に出した発言が批判を浴びた麻生太郎副総理が、 自身の発言を撤回するとの談話を発表した。

 「憲法改正については、落ち着いて議論することが極めて重要と考えている。 この点を強調する趣旨で、十分な国民的理解や議論のないまま進んでしまった悪しき例として、 ナチス政権下のワイマール憲法に係る経緯をあげた」と発言の意図を説明し、 「誤解を招く結果となったので、ナチス政権を例示としてあげたことは撤回したい」と語った。

 政治家がよく使う「前言を撤回」というやつだが、これを聞くといつも私は、 撤回って何? と思ってしまう。本音にせよ冗談にせよ、一度言った言葉はもうなかったことにはならないし、 撤回と言ったからといって、責任が免除されるわけでも、減点が回復するわけでもない。

 麻生氏は、ナチス政権を「悪しき例」としてあげたというが、 当の発言をみると、本当に言いたかったことは何なのかが、透けて見える。

 批判を浴びた発言の要旨は、以下のようなものである(下線は筆者)。


麻生副総理発言要旨

「単なる護憲、護憲と叫んでいれば、平和が来るなんて思っていたら大間違いだ。 改憲は単なる手段だ。目的は国家の安寧と繁栄と国土、我々の生命、 財産の保全、国家の誇り。従って狂騒、狂乱の中で決めてほしくない。*1

ヒトラーは民主主義によって、きちんとした議会で多数を握って出てきた。*2
いかにも軍事力で取ったように思われるが全然違う。 ワイマール憲法という当時ヨーロッパで最も進んだ憲法下にあってヒトラーが出てきた。 常に憲法が良くても、そういったことはあり得る。 私どもは、憲法はきちんと改正すべきだとずっと言い続けているが、わーとした中でやってほしくはない。」

ワイマール憲法もいつの間にか変わっていて、ナチス憲法に変わっていた。 誰も気づかないで変わった。あの手口に学んだらどうかね。*3
本当に、みんな、いい憲法と、みんな納得して、 あの憲法が変わっているからね。僕は民主主義を否定するつもりも全くありませんし。 しかし、重ねて言いますが、喧騒の中で決めないでほしい。それだけはぜひ、お願いしたい。」

 下線*1 は、改憲、改憲と騒ぐと、マスコミが批判をし、アジア各国も批判をするから、 静かに話をしたいということだろう(事実、そのような発言もあった)。 一見、じっくり議論をしたいという真摯な態度に見えるが、批判が起きないようにこっそりやりたいというのが 本音だろう。

 昨年末の衆院選、今夏の参院選で自民党が大勝したのはまさに民意であり、 このように正当に選挙で選ばれた国会議員が、民主的に憲法について議論しようとしているのだと、 強調したいがために、あのヒトラーも民主的な手続で選ばれ、多数を握ったのだと強調したのが、 下線*2 の部分である。

 下線*3 の発言では、本音が一番出てしまっている。すなわち、ナチスのように、 始まりは民主的に選ばれ権力を把握した政府が、国民も気づかないうちに(騒ぎ立てないで、気づかれないように) 憲法を変えてしまえばいい。あの「手口」を真似したらいいということであろう (実際はこっそり変えたわけではなく、暴力的に「全権委任法」を成立させてしまったわけだが)。

 こんなにわかりやすく本音を吐露しており、「悪しき例としてあげた」なんていうのは、 見苦しい言い訳である。

 この人は、気持ちが良くなるとすぐこういった不用意な発言をする。飲み屋で酔っ払ったオヤジみたいに、 つい本音が出てしまうのだろう。

 麻生さんらしい本音なのだから、撤回する必要などない。 野党からは辞任を求める声もあるようだが、安倍首相も麻生氏の首を切ることはない。

 このまま何事もなかったように幕引きを図れば、国内外から批判は高まるだろう。 安倍政権、そして任命権者の首相本人も、大きな批判を受ければいい。

2013年8月15日
 みんなで 参拝する 会


 人の神経を逆なでするようなことをわざとして、反応があることを期待して、 悦に入っている。鼻息荒く、「どうだ」と言わんばかりに。

 そうやってアピールすることで、自尊心を満たすことが目的なのだろう。

 たとえば報道陣が完全に無視をして、まったく報道しなくなったとしたら(ぜひそうすべきだが)、 彼らのうちのいったい何人が、今後も変わらず同じ行動を取るのだろう。 おそらく、アホらしくてやめるだろう。

 実に哀れで、悲しいことである。


 犠牲になった人がいて、被害を受けたから弔うのではなく、 そういう事態を招いた、罪を犯した国家自身の所業をこそ悔い、謝るべきではないのか。

 それこそが本当の供養だと思うのだ。

 二度と戦争を起こさない、荷担しない国になりますと誓うことによって、 国内外のすべての犠牲者に弔いの気持ちを捧げる。 そういう国であってほしい。



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