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2013年12月



2013年12月7日
 決意


 不特定秘密永久秘匿法ともいえる悪法が成立した。

 この問題だらけの法律を与党はなぜここまで性急に、数の力で一方的に 押し切り成立させたのか。それは、彼ら自身がその問題点をよく把握し、 日増しに大きくなる世論の反発の声が怖くてたまらないから、 とりあえず一刻も早く作ってしまえということに他ならない。 まさに首相の本質が如実に表れた政権運営だと言っていい。

 今国会でもし廃案となり、次の国会に持ち越しとなれば、成立させられるのは春以降になってしまい、 その頃にはもう世論の反発が大きすぎて、とても通すことは不可能になっているであろうことが、 容易に想像されるからだ。

 たった15日間という異例の短さで締め切られたパブリックコメント。 その実に77%が反対意見だったという。さらに、アリバイ作りともいえる 福島での公聴会では、意見陳述した全員が反対もしくは懸念を表明していたのに、 与党はそれらの声にはまったく耳を貸そうともしなかった。 意見を聞く振りだけをして、完全に無視。ここまで国民を愚弄した政権が、過去に存在したであろうか。

 各種報道でも詳しく解説されているところであるが、 この法律の重大な問題点は、およそ次の4つ。

・秘密の指定範囲があいまい(条文の「その他」の文字)で、恣意的にどんどん広げられるおそれがある。 その結果、捜査の手が民間人に及ぶ可能性が十分にある。

・しかもその指定は、行政府の長が勝手にすることができ、指定期間もいちおう最長60年(当初案の30年から更に後退) と決められてはいるが、無期限延長も可能。また、資料を永久に闇に葬る道も用意されている。

・指定内容の妥当性を検証する第三者機関が法律には位置づけられておらず、 首相が土壇場で付け焼き刃的に持ち出した機関も、身内(内閣府)に置くという無意味さ。

・秘密として指定された事項を扱う公務員等(民間人も含む)の身辺調査を合法化し、 親族にまでプライバシー侵害が及ぶ可能性がある。

 「何が秘密かは秘密」という、国民に都合の悪いことは一切知らせないための立法であり、 このような法律が導く先には、 「怖いから余計なことは言わない、追求しない」「時の政権に都合の悪い ことには触れてはいけない」という萎縮した社会が待っている。

 この法律に賛成する人たちの意見は、概ね次の一点だけを ただ執拗に繰り返しているのみである。即ち、「日本はスパイ天国だから早急に法律が必要。 今までなかったことがおかしい」と。

 情報が漏れることを防ぐ立法が必要であることは、皆が認めることである。 私たちが問題にしているのは、今回の法律の上記のような不備なのであり、 こんな欠陥商品をなぜ性急に通すのかということである。その点に明確に答えようという 姿勢の「賛成派」にはお目にかかったことがない。 そこを突かれてしまうと、ぐうの音も出ないからだろう。

 ネット上には、「野党が騒いでいるだけ」「法案に反対するのはサヨクか在日」 などといった、非常に幼稚な反応を示すしか能のない連中も巣食っているが、 そんな連中の相手をするのはひたすら時間の無駄だから、無視する。

 国民の知る権利や表現の自由を侵す法律は、憲法違反の可能性もある。 民主国家であったはずのこの国を心から愛し、この国の行く先を案ずる一人の国民として、 これまで以上におかしいことはおかしいと言い、 必要な活動には参加してゆこうと、私は決意を新たにしている。

 一度できてしまった法律も、永久に続くわけではない。いつでも見直し、 廃止もできる。 民意のうねりが大きくなれば、それは内閣支持率の低下となって現れ、 一日も早くこの暴走政権を引きずり下ろすことが可能となるのだから。



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